お墓参りの持ち物はこれで大丈夫!お墓の種類で異なる持ち物の注意点
更新:2022.07.11
お墓参りの持ち物は、いざとなると「何を持って行けば良いのか?」と悩みがちです。
年に何度もお墓参りに訪れるわけではないので、当然のことといえるでしょう。
この記事では、お墓参りの一般的な持ち物を解説するとともに、樹木葬や永代供養墓、納骨堂といったお墓のタイプ別に持ち物の注意点をご案内します。
参考になれば幸いです。
目次
お墓参りの持ち物には「お参りのためのもの」と「お墓掃除のためのもの」がある
お墓参りには、通常2つの目的があります。1つは、供物を捧げ線香を手向けることによって、故人の冥福を祈ることです。
もう1つは、故人の終の棲家であるお墓の周りをきれいに清掃することです。
よって、お墓参りの持ち物を準備するときは「お参りのためのもの」と「お墓掃除のためのもの」とに分けて考えるとわかりやすくなります。
なお、「暑さや寒さから自分を守る持ち物」という視点をプラスするとカンペキです。
この3つの視点から、お墓参りの持ち物について解説していきましょう。
お墓参りの持ち物1:お参りのためのもの
お参りのために準備するものは、以下の8つです。
1.線香
お参りのときは線香を捧げるのが、日本の一般的な作法です。
もっとも、宗教により線香を捧げないこともあるでしょう。
宗教によって必要なものを用意しましょう。
2.ロウソク
ロウソク立てがなく、マッチなどから線香へじかに火をつける場合は必要ありません。
ただ、ロウソクは線香へ火を移すためだけのものではありません。
ロウソクにともされた灯によって、故人へ「お墓参りにきた」と合図するのだという考え方もあります。
ロウソク立てがある場合は、なるべくロウソクを持って行きましょう。
3.マッチなどの火気
ロウソクや線香に火をつけるため、マッチ、ライター、ガスライターなどを持参します。
4.コップ
水やお茶をお供えするためのコップを用意します。水鉢がある場合は必要ありません。
5.水やお茶
コップや水鉢に入れてお供えするための、水やお茶を用意します。
ジュースやビールなど、故人が好きだった飲み物でも構いません。
ただし、お供えした缶などは必ず持ち帰ります。
缶をその場で開けてしまうと持ち帰りづらくなるので気をつけましょう。
故人のために飲み物の封を切ってあげたいと考えるなら、缶よりもペットボトル飲料の方が扱いやすいです。
6.花
花束を一対(2束)持参して、お墓に備え付けの花立てに挿します。
花立てが1つしかない場合は、1束とします。
お墓参り用の花は、花屋やスーパーに「仏花」として数百円で売られています。探してみましょう。
7.供物
お供えするために、故人の好物のお菓子や果物などを持参します。飲み物と同様、持ち帰りやすいものを選びましょう。
8.数珠
祈りの際には数珠を手にかけるのが仏教の作法です。
仏式の場合は持参しましょう。ただ、手持ちの数珠がないときは、わざわざ買う必要はありません。
お墓参りの持ち物2:お墓掃除のためのもの
お墓掃除のために持って行きたいのは、以下の9つです。
手桶や柄杓、ホウキ、ちりとりについてはお墓に備え付けられていることも多いため、確認しましょう。
1.手桶と柄杓、あるいは2リットルのペットボトル
お墓に水をかけるために必要です。手桶と柄杓を持ち合わせていない人は、2リットルのペットボトルに水を入れて代用しましょう。
2.スポンジ
墓石は水をかけた後、スポンジで優しくこすって磨くのがおすすめです。
タワシなどは傷がつく場合が多いので気をつけましょう。
3.古い歯ブラシ
水鉢やロウソク立て、花立てなどの付属品についた細かい汚れは、古い歯ブラシを使って磨くときれいになります。
4.ぞうきん
最後にお墓を拭き上げるときなどのために使います。
5.軍手
草を抜くときに手を痛めないよう、軍手があると安心です。
6.ゴム手袋
水仕事をするときに手を荒らしたくない人は、持参しましょう。
7.草刈り鎌
手で抜けないようなしつこい雑草を、鎌で処理します。霊園が山中にあるときはとくに持参しましょう。
8.ゴミ袋
お墓周りで拾ったゴミを納めたり、濡れた掃除用具を最後に持ち帰ったりするのに便利です。
9.ホウキとちりとり
落ち葉や刈った草を集めて捨てるために使用します。
お墓参りの持ち物3:自分のためのもの
屋外のお墓で必死に掃除をしていると、夏は「いつの間にか熱中症になった」、冬は「寒さの中の水仕事で風邪を引いた」といったことが起こりかねません。
暑さや寒さから自分を守るために、以下のようなものを持参してください。
【夏】
・虫除けスプレー
・タオル
・帽子
・身体を冷やすもの(アイスノンや水を凍らせたペットボトルなど)
【冬】
・帽子
・カイロ
・温かい飲み物(お茶を入れた保温性のある水筒など)
・防水手袋
ほか、季節を問わず、天気予報を確認して適宜折りたたみ傘を持ちましょう。
お墓の種類によって注意したいこと
ここまで、屋外にある一般的なお墓へお参りするための持ち物について解説してきました。
しかし、お墓のタイプはさまざまです。
お墓の種類別に、注意点をお伝えします。
樹木葬の場合
とくに集合墓タイプの樹木葬では、霊園側がお墓周りの清掃を行ってくれることが多いでしょう。
よってお墓掃除のためのものは必要ありません。
気をつけなければならないのが、火の扱いです。
線香立てがない場合は、線香をお供えしても良いか必ず霊園側に確認しましょう。
線香立てがないからといって、お参りスペースの土の上などへ線香を捧げて放置すると、火事になる恐れがあります。
永代供養墓の場合
たくさんの人が大きな供養塔などへ祀られている永代供養墓の場合は、霊園側が清掃を行ってくれます。
よってお墓掃除のためのものは必要ありません。
霊園によっては、花や供物を手向けるスペースがない場合もあります。
事前に確認しましょう。
納骨堂の場合
納骨堂は屋外のお墓ではないため、掃除用品はいりません。
また、火気が使えず線香を手向けられない場合や、花立てがない場合もあります。
事前に確認しましょう。
持ち物を工夫して快適なお墓参りを
以上、お墓参りの持ち物について解説しました。
家から全てを持参しようとすると、荷物が膨大になってしまうかもしれません。
線香やマッチ、お花は霊園内の事務所や、最寄り駅の花屋、スーパーで揃う可能性があります。
公共機関を使う人はとくに、霊園側に備え付けのものはないか、現地で調達できるものはないかをあらかじめ調べ、できるだけ身軽に出かけるようにしましょう。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。