お通夜や葬儀で数珠がない、時間がないと困った時の対処法
更新:2022.05.01
急なお通夜や葬儀への参列となった場合、数珠がない場合があります。
気づいた時には、時間があまりない場合は焦ってしまうものです。
そんな時にどのように解決したらよいかを解説させていただきます。
お通夜や葬儀に数珠はあったほうがいいのか
数珠とは
数珠の由来は、お釈迦様が「百八の実を繋いで、いつも手にして三宝(仏・法・僧)を唱えれば、煩悩が消え災いもなくなる、心身も楽になるでしょう」と語ったことが始まりでした。
数珠は本来108の珠で出来ており、それは108の煩悩を現したものでした。
現在は108の珠で作られた数珠は少なくなり略式の数珠が多くなっていますが、現代でも仏式の葬儀では、数珠を持つことで仏様、故人様と心を通わせることができるということで大切な法具として扱われています。
数珠はあったほうがいい
つまり仏式のお通夜や葬儀に参列するなら数珠はあったほうが良いと言えます。
しかし絶対にないといけないものではありません。
ないからマナー違反、マナーが悪いと葬儀場で批判を受けることはまずありません。
数珠を持って参列しているが葬儀場で笑いながら雑談している方と、数珠は持っていないけれどご遺族の悲しみに寄り添い、故人様へ手を合わせ、ご冥福をお祈りされている方は、どちらがマナー違反でしょうか。
一番大切なのは、ご遺族の気持ちを考え、気持ちに寄り添った行動をすることです。
数珠がない、時間もない時の対処方法
それでも数珠がないのは恥ずかしい、時間もないけれど何とか解決したいという方へ、これから解決方法を解説させていただきます。
一番の時短は、寄り道することなく目的地で解決する
まず急なお通夜や葬儀へ参列で時間がない場合、数珠を購入するのに費やす時間もないでしょう。ここでまず考えていただきたいことは、あなたがこれからどこへ行くのかです。
行き先である目的地で解決できるなら、寄り道にはならないため、時間がなくても解決できる1番の近道となるはずです。
葬儀場で解決する
つまり葬儀場で解決することを試みましょう。
行き先の葬儀場の連絡先を調べて、まず電話をしましょう。
電話をして、その場所に数珠が販売しているか、尋ねてみましょう。
大抵の葬儀場では、数珠が販売されています。
私が葬儀会館へ勤務していた頃は、毎日のように「すいません、数珠はありますか?」と参列者が窓口に尋ねて来られていました。
このようなことが葬儀会館では毎日のようにあるのです。
それだけ需要があるのであれば、普通の葬儀会館であれば対応をします。
数珠を置いていない葬儀場は少ないとはずです。
ですからまずは問い合わせてみましょう。葬儀場にあれば1番の時短になります。
葬儀場で買う
葬儀場に問い合わせてみて、数珠が販売されていることがわかれば、葬儀場で購入すれば一番の時短になります。時間がなくても解決できる最速の方法です。
葬儀会館では、男性用、女性用、子供用と数種類置いてあることが多いです。
あくまで参列者の緊急用と認識しているため、価格もそんなに高いものは置いていません。
かつ100円ショップで販売されているような安物でもなく、作りもしっかりしています。
1000円台〜3000円台が主流です。
葬儀場で借りる
あまりに頻繁にこのようなことがあるため、葬儀場によっては貸し出し用のレンタル数珠を置いてある所もあります。
例えば家に帰れば自分の数珠はあるけれども、今日は急だったから数珠がないという方、
あるいは数珠を買うお金を持ち合わせていない方、数珠を買ってまで解決したくない方は、貸し出し用の数珠で対応しても問題ありません。
数珠は他人が使っていたものを使うのはマナー違反、一人一人が自分の数珠を持つものだという考えもありますが、数珠は念珠とも言うことから、自分の魂を表すものだという考えからです。
自分の魂であるのなら、葬儀がない時も肌身離さず持っておかねばなりません。
そのような時代もあったのかもしれませんが、現代で肌身離さず毎日数珠を持っている方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか。
葬儀へ参列する時だけ数珠を持つ方と、貸し出し用数珠で対応する方に差があるとは思えません。
私が以前勤務していた葬儀会館では、数珠を貸して欲しいという声は、毎日のようにありました。
しかし数珠が売れなくなるからという理由で、貸し出し用数珠を置いていない葬儀場もあります。
自分のを持つべきだというのは、現代では建前と感じる所以です。
貸し出し用があるのであれば、選択肢に入れて構いません。
葬儀場で解決しない場合
葬儀場に問い合わせてみて数珠が置いていないとなれば、ここで初めて寄り道をして数珠を買うのか、数珠なしで参列するのかを考えましょう。
寄り道して数珠を買う
寄り道して数珠を買う場合、一番確実なのはホームセンター、紳士服の青山、はるやま、そして仏壇店です。
しっかり吟味したい方は種類が豊富な仏壇店がおすすめです。
何でもいい、とにかく今の危機を早く乗り切りたい方は、最短で行ける所でお買い求めください。
数珠なしで式に参列する
時間的に猶予がない、厳しい場合、私は数珠なしで参列も選択肢の一つです。
「数珠を忘れてしまった人」となるのではなく、「急な参列で時間がなかった人」と堂々としていれば大丈夫です。
故人様、ご遺族様への思いがあれば、数珠がなくても心を通わすことはできるものです。
「あの人、数珠を持っていなかったよ」と周囲で噂になることはまずありません。
数珠がない自分には耐えられないという周囲の目を気にする方は心配無用です。
数珠なしで参列でも問題ありません。
しかし数珠がないと仏様に申し訳ないという方は、なんとかして用意する方向で行動しましょう。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。