【広島の方へ】茶の子、香典返しのお礼は宗教で熨斗が変わります
更新:2022.02.18
広島では、茶の子と言えば香典返しをイメージします。
しかし全国的には「茶の子供」という起源から、お茶に添えるお菓子という意味になるのが一般的です。
この記事では広島の方へ茶の子(香典返し)を行う際に、熨斗はなんでも茶の子ではいけないということを知っていただくため、宗教ごとの違いを記載させていただきましたので、ご覧ください。
広島では茶の子とは49日に行う香典返しのお礼
葬儀の際にいただいた香典に対するお礼は、四十九日を目安に行うことが一般的で、品物に挨拶状を添えて送ります。これを香典返しと言います。
その香典返しのお礼を広島県の方々は、当たり前のように「茶の子」と言います。
茶の子は、県外の方には通じない
「茶の子でタオルは好きじゃないけえ、他にええのないん?」
この言葉は広島県民にしか、残念ながら通じません。
私も現場で「茶の子はいつごろ返したらいいんかいね?」とおっしゃる喪主様を不思議そうに見る名古屋のご親族様が印象的でした。
正確に言えば仏式の香典返しを茶の子と言う
当たり前に言われる「茶の子」ですが、実は注意しないといけない点があります。
それは「茶の子」は仏式で行われたお葬式で香典返しをする場合の呼び名です。
四十九日は仏事です。香典の儀も同じで、神式では香典ではなく玉串料と呼び名が変わります。
茶の子は仏事でのお返しで用いるので、お礼を送る際の熨斗には気をつけましょう。
神式の場合、香典返しの熨斗は?
では神式で葬儀を行った広島の方が香典返しをする場合、どのような熨斗にすれば良いのか。それは「偲び草」となります。
神式のお葬式は全体の3%と言われています。
ですから広島の97%は「茶の子」を使用する可能性が高く、「偲び草」は使用機会が少なくなります。
そのため、うっかり茶の子を使用してしまうミスが葬儀でも香典返しでも起こりやすいのが広島の特徴です。
正しく偲び草が用いられているか確認をしましょう。
キリスト式の場合、香典返しの熨斗は?
キリスト式の場合も「偲び草」が用いられることが多いです。
本来、キリスト教に香典返しの慣習はありませんが、日本では仏式の影響で贈り物をされる方が多いです。
ですから正しい熨斗というのはありません、よく用いられるのは「偲び草」「志」です。
偲び草も志も「お礼」という意味があります。
全国的な香典返しの熨斗は?
お亡くなりになられてから四十九日までの期間は忌中、またの名を中陰と言います。
四十九日を迎えることを「忌明け」、そして中陰が満つることから「満中陰」とも言われます。
全国的に、香典返しのお礼で「満中陰志」の熨斗を使うことが多いのもそのためです。
無事に四十九日を迎えることができましたという意味があるのです。
他にも「粗供養」「志」が使われています。
どの熨斗にするべきか迷ったら
マナーがご心配であれば「志」
どの熨斗にするべきか迷った時は、マナーをご心配な方には「志」が万能です。
仏式でも神式、キリスト式でも無宗教でも使えます。そして日本全国地域を問いません。
広島の方に認識していただきやすいのは「茶の子」
どの熨斗にするか迷った時、お返しする相手様が広島県民の場合は「茶の子」をおすすめします。茶の子は仏式で行う香典返のお礼と申し上げましたが、それ以上に香典返し=茶の子のイメージがとても強く根付いています。
お相手に香典返しだと認識していただけやすいのは、広島では茶の子に勝るものはありません。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。