親が亡くなったらすることリスト|期限の近い順に時系列でわかりやすく解説

更新:2023.04.27

親が亡くなったら悲しく思うのもつかの間、手続きや法要などすることがたくさん生じます。

期限がある手続きが多いため、優先順位を考えながら取り組まなければなりません。

親が亡くなったらすることを、期限の近い順に並べてリスト化しました。

どうぞ参考にしてください。

※各種手続きのための持ち物については、自治体等により若干違う場合があります。必ず手続き先に直接問い合わせください。

親が亡くなったらすぐ~2週間以内にすること

市区町村役場 窓口

葬儀の手配

臨終後、医師から死亡診断書を受け取り、葬儀の手配をします。

故人の体があまり傷まないうちに火葬することが望ましいため、死後3日~1週間のうちに葬儀をするのが一般的です。

死後24時間以内の火葬は法律により禁じられています。

退院手続き

故人が病院に入院していた場合は、なるべく早く退院手続きをします。

私物を引き払い、精算を済ませます。

健康保険資格喪失届【期限:死後5日以内】

会社員だった人が亡くなったら、勤務先が健康保険資格喪失の手続きを行います。

手続きをするのは勤務先なので遺族が慌てる必要はありませんが、速やかに勤務先へ保険証を返却しましょう。

故人に扶養されていた人は、続けて国民健康保険への切り替え手続きが必要になります。

切り替え手続きは死亡の翌日から14日以内に市区町村役場で行います。

死亡届【期限:死後7日以内】

市区町村役場に死亡届を提出します。

死亡届は、左側が死亡届、右側が死亡診断書になった大きな一枚の紙です。

死亡診断書は医師が、死亡届は遺族が書き込みます。

死亡届の提出がないと火葬ができないため、多くの場合、葬儀社が代行してくれます。

死亡届・死亡診断書はこのあとの手続きで必要になる場面が多いため、複数枚コピーを取っておきましょう。

国民健康保険資格喪失届【期限:死後14日以内】

国民健康保険の加入者が亡くなったら、市区町村役場で資格喪失手続きをします。

保険証と死亡届のコピー、手続きをする人の本人確認書類、印鑑等を持参します。

なお、自治体によっては、喪失届の手続きを行う必要がありません。

介護保険資格喪失届【期限:死後14日以内】

65歳以上の人、あるいは40歳以上65歳未満で介護保険サービスを受けていた人は、市区町村役場に介護保険資格喪失届を提出します。

なお、自治体によっては、喪失届の手続きを行う必要がありません。

年金受給停止手続き【期限:死後10日もしくは14日以内】

厚生年金加入者は10日以内、自営など国民年金加入者は14日以内に、年金事務所またはまちかどの年金相談センターに「年金受給者死亡届」を提出します。

この手続きをすると同時に、遺族年金など受給可能なものがないか尋ねてみましょう。

年金証書や死亡届のコピーを持参します。

世帯主の変更【期限:死後14日以内】

世帯主が変更になる場合は、市区町村役場で手続きします。届出人の本人確認書類が必要です。

戸籍謄本の取り寄せ

故人と相続人に関する生まれてから今までの戸籍は、相続関係の手続きを行うため必要になることがあります。

何らかの手続きを行うついででもよいので申請しましょう。

なお、戸籍関係の証明書は本籍地の市区町村役場で申請することになりますが、郵送での取り寄せも可能です。

遺言書の検認

自筆証書遺言(直筆で書かれた遺言)が見つかったら、家庭裁判所で検認を受けなければ開封できません。

遺言書が開封できなければ、相続が滞ることになります。

自筆証書遺言を見つけたら、速やかに家庭裁判所へ検認の申立てを行う必要があります。

なお、公正証書遺言や、自筆であっても法務局にデータが預けられている場合は検認が不要です。

生命保険金の請求

生命保険金の請求期限は3年ですが、保険金が生じるようなら速やかに請求しましょう。

保険金の金額によっては、相続税の対象となる可能性があるためです。

また、相続を進めるにあたっても、保険金の存在は分割に影響します。

ライフラインの解約または名義変更

電気、ガス、水道、インターネット、電話回線などライフラインの解約や名義変更には、期限がありません。

しかし解約しないまま放っておくと基本料金がかかり続けてしまいますし、名義変更を行わなければ、故人名義の口座に請求され続けてしまいます。

ただし、空き家になるときは遺品整理をしてから解約しましょう。

遺品整理をする際、電気や水道が使えなければ不便です。

クレジットカードの解約

クレジットカードの解約に明確な期限はありませんが、定期的な支払いがカードに紐付けられていた場合、また引き落とし先の口座を遺族が見つけられない場合は、そのままずっと一定の金額が引き落とされてしまうかもしれません。

運転免許証の返却

運転免許証の返却は、義務ではありません。

しかしそのままにしておくと免許更新などの通知が届いてしまいます。

警察署や免許更新センターで返却できます。

四十九日法要の準備

四十九日法要は、亡くなってから49日目までに行います。

親族が集まりやすい土日に行う人が多いでしょう。

菩提寺に相談してなるべく早めに日取りを決定し、会食を手配した上で法要の1ヶ月前までには親族に案内状を送付します。

仏壇の手配

仏壇を新たに購入する人は、四十九日法要に間に合うように手配します。

お墓の手配

お墓への納骨は、四十九日法要と同時に行うのが一般的です。

しかし、葬儀の時点でまだお墓がない人が、四十九日までにお墓を準備するのはなかなか難しいこと。

とはいえなるべく早めにお墓の手配を進めましょう。遅くとも一周忌法要のときに納骨できるよう準備します。

親が亡くなったら2週間~3ヶ月以内にすること

香典返しの準備

葬儀時にいただいた香典に対する香典返しは、四十九日法要が終わったらすぐに贈るのが一般的です。

いただいた香典を数え、香典返しを手配します。

葬儀のとき、すでに「即返し」として香典返しを済ませている人は、高額な香典をくださった方に対して追加の香典返しを準備します。

四十九日法要

亡くなってから四十九日目をめどに、四十九日法要を行います。

相続放棄、あるいは限定承認【期限:相続開始を知ってから3ヶ月以内】

相続人が、故人から受け継ぐべき財産や負債を放棄すると決めることを、相続放棄といいます。

また、相続によって得た財産の範囲で故人の負債を受け継ぐことを限定承認といいます。

限定承認は、相続人全員が共同して行なわなければなりません。

相続放棄や限定承認の申立ては、家庭裁判所で行います。

親が亡くなったら1年以内にすること

故人の確定申告(準確定申告)【期限:相続開始を知ってから4ヶ月以内】

故人に確定申告の必要がある場合、相続人全員が共同で故人の確定申告を行うことになります。

これを準確定申告といいます。

通常、所得税の確定申告は翌年の2月16日から3月15日の間に行われますが、準確定申告は相続人が相続開始を知ってから4ヶ月以内に行います。

相続税の申告【期限:死亡を知ってから10ヶ月以内】

相続税が発生する場合は、10ヶ月以内に管轄の法務局へ相続税を申告します。

相続税は、遺産の総額が基礎控除額よりも多い場合に発生する可能性があります。

相続税の基礎控除額は「3,000万円+(600万円×相続人の数)」です。

一周忌法要

一周忌法要は、亡くなってから1年目の命日をめどに行います。

一周忌が近くなったら、菩提寺と打ち合わせて一周忌法要の日程を決めます。

会食の手配をした上で、1ヶ月前までに親族へ案内状を出します。

初盆法要

故人が四十九日法要を迎えてから初めてのお盆を、初盆といいます。

初盆は、故人が仏となってから初めて先祖として家へ帰ってくる、記念すべき行事です。

よっていつものお盆とは違い、初盆法要や会食が行われます。

親族を呼ぶときは、1ヶ月前までに初盆法要の案内を出します。

親が亡くなったら2年以内にすること

葬祭費の請求【期限:葬儀後2年以内】

故人あるいは遺族が国民健康保険の加入者である場合は、葬祭費が支給されます。

手続き期限は2年以内ですが、保険証の返還と同時に手続きする人が多いでしょう。

埋葬料の請求【期限:火葬後2年以内】

故人あるいは遺族が健康保険の加入者である場合は、埋葬料が請求されます。

手続き期間は2年以内ですが、公的保険関連の手続きをする際に案内されることが多いでしょう。

三回忌法要

三回忌法要は、亡くなってから2年目の命日をめどに行います。

3年目の命日ではないため注意しましょう。

親が亡くなったら3年以内にすること

不動産の名義変更(相続登記)【期限:不動産取得を知ってから3年以内(2024年4月1日から】

故人名義の不動産を相続人の名義に変更することを、相続登記といいます。

相続登記の期限はありませんでしたが、空き家問題の深刻化などにより2024年4月1日から期限が設けられます。

相続により不動産取得を知ってから3年以内に、相続登記をしなければならなくなります。

役所に行くときは複数の予定をまとめ、忘れ物がないようにしよう

親が亡くなったらすることはたくさんあり、とくに役所手続きは期限が短いものが多いのが特徴です。

忌引や有給休暇を使って手続きを済ませようと計画している人は、なるべく複数の予定をまとめ、同日に手続きできるようにしましょう。

手続きごとに持参するものを問い合わせ、書類をまとめておくと安心です。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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