お葬式の流れ|ご逝去から火葬終了まで3日間の流れを喪主目線で解説
更新:2023.06.15
大切な家族を亡くして、お葬式の喪主を務めるのはとても大変なことです。
知識や経験がないため、何から手をつけていいのか分からないものです。
それに加えて、「大切な家族を満足に送り出すためにお葬式で後悔したくない」
「寺院や参列者に対してマナー違反があってはならない」などの心理が働くため、より平常心ではいられなくなりがちです。
この記事では、喪主様に寄り添うことを第一に考える広島自宅葬儀社が、喪主目線に立ってご逝去からお葬式までの3日間の流れを解説します。
目次
お葬式は3日間かけて故人を手厚く弔う
まずは大きな流れとして、お葬式は以下のように3日間に分けて行うのが基本だということを押さえておきましょう。
・1日目(お葬式の準備・弔問)
・2日目(納棺・通夜式)
・3日目(葬儀告別式・火葬)
実際には、通夜式までに数日空くこともありえるため、必ずしも3日ですべての行程が完了するとは限りません。
友引が間に入ったり、親族や寺院の都合、会館や火葬場の空き状況などから、通夜・告別式まで数日空くことも珍しくはありません。
また最近では、通夜を省略する「一日葬」や、セレモニーを行わずに火葬だけを行う「直葬」を選ぶ方も一定数おられます。
この場合は全体の流れがさらにコンパクトになります。
この記事ではあくまでも、お葬式のセレモニーを通夜と葬儀告別式の2日にまたいで執り行うものとして、「お葬式の準備・弔問」「納棺・通夜式」「葬儀告別式・火葬」の章に分けて、詳しく解説いたします。
まずは、ご逝去を迎えてからの流れを解説いたします。
いわゆるお葬式の準備の段階です。
1日目 ご逝去
病院から危篤の知らせが入ったら、家族は病院に急行します。
そして、ご臨終となったら、喪主は以下のことを行ないます。
医師からの説明・死亡診断書の入手
故人様の死亡を確認した担当医より説明を受け、「死亡診断書」が手渡されます。
後日、「死亡届」として役所に提出する大切な書類です。
この時、故人様の名前など、記入内容に誤字脱字がないかきちんと確認します。
死亡届の際に不備が見つかると、病院に再発行を依頼しなければならず、手続きが滞ってしまいます。
退院手続き・支払い方法の確認
病室内の荷物をまとめて、退院手続きを行います。
入院費や医療費の支払い方法について病院側に確認します。
多くの病院では後日払いにも対応してくれているため、持ち合わせがない場合は病院に相談してみましょう。
ごく近しい関係者に連絡
この時点での身内や知人などへの連絡は、ごく近しい相手にとどめておきましょう。
また、病院への来院を希望する方がいたとしても、故人様はまもなく搬送されるため、病院ではなく安置先に向かうよう伝えておくのがよいでしょう。
葬儀社への連絡
葬儀社に連絡して、お迎えに来てもらいます。
その際、以下のことを伝えます。
・喪主について(氏名・連絡先)
・故人について(氏名・喪主との続柄)
・お迎えに来てほしい場所について(病院名・住所・病棟・病室・霊安室など)
・安置先について(住所など)
搬送業者がそのまま葬儀の施行業者になるわけではありません。
葬儀社が見つからない場合は病院側から業者を紹介してもらえます。
その業者が信頼できそうであればよいのですが、もしも気になる点があれば、搬送や安置だけにとどめても問題ありません。
警察が介入する場合は流れが異なる
自宅での孤独死、事故死、不審死など、医師の継続的な診療のない状態で亡くなった場合は、警察による検視・検案が行われるため、流れが異なります。
警察の指示に従って対応しましょう。
ご搬送・安置
故人様の安置場所は、自宅か葬儀会館のいずれかになります。
自宅へのご安置
ご自宅に安置する際は、家族と協力して以下のことをしましょう。
〇家の中の掃除
ご安置する仏間を掃除しておきます。
また、僧侶による枕経のお参りや親族たちの弔問に備えて、玄関から仏間までの動線もきれいに整えます。
〇仏間の確保
仏間には、故人様のお布団を敷き、枕飾りと呼ばれる祭壇を設置するため、最低でも畳2枚分のスペースは必要になります。
〇枕飾り
枕飾りには、三具足(お花、お線香、ローソク)を並べます。
また、家の人の手で、故人様にお供えする枕飯(生前愛用していた茶碗にごはんを山盛りにして箸をさす)や枕団子を用意します。
〇神棚封じ
家に神棚がある場合、四十九日で忌明けになるまで、神棚を封じます。
お供え物を下げて、お社の正面に半紙を垂らします。
葬儀会館への安置
自宅への安置ができない場合、葬儀会館の安置施設を利用します。
どのような場所かは葬儀社によってさまざまです。
遺族が付き添えてお参りのできる霊安室なのか、一時預かりのための保冷庫の並ぶ施設なのか、事前に確認しましょう。
葬儀会館に安置する場合の注意点は以下の通りです。
〇面会やお参りに制限がある
葬儀社によってルールや制限があります。
面会時間が限られていたり、火事を防止するために線香やローソクが使用できなかったりと、満足に面会やお参りができない可能性があります。
〇費用がかかる
一日ごとに、1万円前後の安置料が発生します。
葬儀社との打合せ
葬儀社との打合せでは、次のようなことを決めていきます。
〇葬儀日程と場所
まずは葬儀日程と場所を決めていきます。
これを決めないことには何も始まりません。
日程は、喪主や遺族の希望、会館や火葬場の空き状況、宗教者の都合などを調整して決めていきます。
〇訃報連絡の範囲
昨今では家族葬にする人が多いので、どこまでの人に声をかけるかはとても大切な問題です。
参列してほしい人、事後報告にする人、ご逝去は伝えるが参列を控える人など、事前に区分を作っておくと、いざという時に慌てずに済みます。
〇葬儀スタイルと費用プラン
家族葬、一般葬、一日葬、直葬など、葬儀スタイルを決めて、それに見合ったプランをもとに、費用について話し合います。
葬儀は時間的な余裕がないため、複数の葬儀社との相見積もりがなかなかできません。
可能であれば、元気なうちから葬儀社の事前相談を受け、複数の会社の見積書を入手した上で比較検討しておきたいところです。
〇遺影写真の用意
遺影用の画像を用意しておきましょう。
葬儀後も自宅で長く飾るものなので、故人らしい、明るい写真が望ましいです。
原紙あるいはデータを葬儀社に預けます。
データ転送の場合は画素数が落ちないよう気を付けましょう。
〇死亡届の提出
病院で入手した「死亡診断書」(または「死体検案書」)の左半分に必要事項を記入し、役所に届け出ます。
主に葬儀社が代行してくれます。
訃報連絡
お葬式の詳細が決まったら、すみやかに訃報連絡をします。
家族葬の場合、参列してほしい人と控えてほしい人で、連絡の方法や内容が変わるので気を付けましょう。
〇参列してほしい人への連絡
葬儀日程と場所を伝えます。
電話、メール、ラインやメッセンジャーなどのSNS、ファックスなどを用います。
特に近い人や関係の深い人には電話でご逝去を伝えた上で、文字情報で詳細を伝えるとなおのこと丁寧です。
近所や会社などの場合、葬儀社が用意する訃報紙を使用すると便利です。
〇参列を控えてほしい人への連絡
参列を控えてほしい相手には、葬儀後の事後報告とする人が多いようです。
中には、ご逝去事実だけは先に伝えておいた方がいい相手もいることでしょう。
その場合は「故人の遺志」や「コロナ禍」など、身内だけで葬儀をする明確な理由を伝えた上で、理解してもらいましょう。
〇職場や学校への連絡
職場は学校には忌引き休暇を申請します。職場の場合は上司や総務、学校の場合は担任の教師に連絡します。
参列や香典などを辞退する場合は、あわせて伝えておきます。
〇お手伝いの依頼
葬儀の規模が比較的大きい場合は、近所の方や知人にお手伝いをお願いすることもあるでしょう。
主に受付や会計、駐車場などで参列者を案内してもらいます。
どの現場に何名必要かを事前に葬儀社と話し合い、早めに依頼しましょう。
枕経
枕経とは、ご逝去直後の故人様に向けて読まれるお経のことです。
僧侶を自宅に招き、弔いのお経をあげてもらうので、喪主や遺族も臨席します。
この時の遺族との会話をもとに、戒名の字を考える僧侶も少なくありません。
最近では枕経を省略するケースも見られます。
2日目 納棺
葬儀告別式の前日は、納棺、そして通夜式を行います。
身内の手で故人様を棺に納め、そしてご縁のあった人たちが通夜式に集まり、最後の別れを悼みます。
通夜式を終えたあとも、家族や親族は夜通し故人に寄り添うのがしきたりです。
納棺とは、故人様を棺の中に納める儀式のことです。
家族や親族が集まって、アットホームな雰囲気の中で行われます。
納棺の流れ
一般的な納棺の流れは以下の通りです。
葬儀社が進行してくれるので、それに従って納棺式に臨みましょう。
〇湯灌
参列者ひとりひとりが、故人様の肌を順に拭き清めます。
タオルや清浄綿などで、肌の出ている部分(顔、手、足など)をきれいに拭いていきます。
〇ラストメイク
故人様のお顔にナチュラルメイクを施します。
顔に血色が戻ることで、表情が明るくなります。
家族がおこなっても構いません。
〇旅支度
故人は四十九日の旅に出るという昔からの信仰にならって、白装束という巡礼服を着せます。
すでに浴衣などを着ていることが多いので、手に手甲、脛に脚絆、足に足袋を付けて紐で括ります。
白衣は上から掛け、頭に編み笠、手に杖、足に草履を履かせます。
もしも故人に着せたい衣服がある場合は早めに葬儀社に相談しておきましょう。
〇納棺
参列者たちで故人様を抱きかかえ、棺の中にご遺体を納めます。
湯灌師や納棺師の手配も可能
先ほど書いた流れは、ご家族が中心となって行うケースですが、最近では湯灌師や納棺師を手配してより本格的な湯灌、化粧、着付けをしてもらうこともできます。
オプション項目になりますが、故人様をよりきれいにされたいという方は、葬儀社スタッフに相談しましょう。
納棺の参加者
納棺の参加者は、家族や親族が基本です。
故人様の肌に触れて、ゆっくりとお別れできる機会なので、ひとりでも多くの親族が参加するのが望ましいです。
さまざまなタイミングや場所
納棺のタイミングはさまざまです。最も多いのは通夜式の直前、午後3時や4時からです。
納棺を終えるとそのまま通夜式への参列に臨むことができ、親族も比較的集まりやすいからです。
しかし、中には家族の意向や遺体の状況などから、前もって納棺を済ませておくこともあります。
服装
喪服が基本ですが、アットホームな儀式なので平服でも構いません。
通夜式の直前に納棺をするのであれば、喪服を着て臨んだ方がスムーズです。
通夜式
通夜式は、葬儀告別式の前日に、故人様とご縁のあった人たちが集まり、お別れをする式典です。
一般葬の場合、友人や知人や会社関係の人たちも駆けつけます。
<開式前>
〇開式2時間前に到着
喪主は、開式の2時間前を目安に到着します。
〇供花・供物の確認
祭壇脇に並ぶ供花に立てる芳名板の文字や順番を確認します。
〇お手伝いの方に挨拶
もしもお手伝いの依頼をしている場合は、お礼のあいさつに出向きます。
〇寺院に挨拶
寺院控室に出向いて、通夜や葬儀への出仕に対して、お礼を述べます。
〇参列者に挨拶
会場に集まる親族や参列者に挨拶をします。
<通夜式>
〇喪主焼香
焼香は喪主から順番に行います。司会の案内が入ると、親族、参列者に一礼して、焼香台に進み出て、焼香をします。
〇座礼または立礼
親族や参列者が焼香する際は、椅子に座ったまま、あるいは会場の出口に立って、弔問のお礼をします。
〇喪主挨拶
通夜式を終えたあとに、参列者に向けて御礼の挨拶を述べます。
<閉式後>
〇寺院に挨拶・お布施を渡す
寺院控室に出向いて、御礼の挨拶をします。
お布施を渡すタイミングに決まりはありませんが、このタイミングにするケースが多いようです。
〇通夜ぶるまい
親族に通夜の料理をふるまいます。
食事を囲みながら、故人を偲び、参列していただいたことのお礼を述べます。
〇会館に宿泊
古くから葬儀の前日の夜は「通夜」と言って、夜通し故人に付き添い、寝ずの番をしながら、故人様を囲み、家族同士で思い出話をします。
しかし一方で疲れをとるためにも帰宅を希望する人もいます。
宿泊すべきかどうかは会館によって異なりますので、葬儀社と相談して決めましょう。
3日目 葬儀告別式
いよいよお葬式のクライマックス、葬儀告別式と火葬を行う日です。
丸一日かけて行程を進めていきます。
しっかりと流れをおさえて、最後のお別れに臨みましょう。
<開式前>
〇弔辞・弔電の確認
セレモニーの中で弔辞を行う場合、弔辞者と葬儀社で進行の確認をします。
また、いただいた弔電も、セレモニーの中で数点ほど司会者が読み上げるため、弔電の選別、順番、読み方を確認します。
〇火葬場に同行する人数の確認
火葬場に同行する人数を事前に確認しておきます。
火葬後の精進落としの料理の数に間違いがないようにするためです。
<葬儀・告別式>
〇喪主焼香
通夜式と同様に焼香をします。
〇座礼または立礼
通夜式と同様に参列者にお礼をします。
〇お花入れの儀
いただいたお花を切り取り、棺の中をお花でいっぱいにします。
〇喪主挨拶
出棺に先立ち、参列者に挨拶を述べます。
〇出棺
棺を霊柩車に乗せて、火葬場に出棺します。
喪主は位牌をもって、霊柩車の助手席に座ります。
火葬
〇埋火葬許可証の提出
埋火葬許可証を受付に提出します。
葬儀社が代行することもあります。
〇最後のお別れ
火葬炉に入る前に、棺の蓋を開けて最後のお別れをします。
〇点火
火葬場によっては、喪主が点火のボタンを押します。
〇待機中の親族をふるまう
火葬中は、控室で待機します。
軽食を出して、参列者にふるまいます。
地域によってはこの時間に精進落としの食事をふるまうところもあります。
〇拾骨
火葬が終わると、遺骨を骨壺の中に納めます。
この時、二人一組でお骨を移すのが習わしです。
あわせて火葬済みの印が押された埋火葬許可証が手渡されます。
お墓への埋葬の際に必要となるものなので、大切に保管してください。
初七日法要・精進落とし
〇初七日法要
火葬場から式場に戻り、初七日法要を執り行います。
僧侶が読経をし、参列者が焼香します。また最近では、葬儀告別式の中で初七日法要を執り行うこともあり、その場合は火葬後の法要はありません。
〇精進落とし
精進落としの食事で参列者をもてなします。
喪主はひとこと御礼の挨拶を述べ、親族の中の代表者が「献杯」の発声をして、食事を始めます。
〇参列者をお見送り
1時間程度して、席が落ち着いたら、もう一度簡単な挨拶をして、精進落としを終えます。
最後は親族を送り出して、お葬式の一連の流れが終了します。
お葬式に関する疑問や不安は、広島自宅葬儀社にご相談下さい。
お葬式を行う上で、喪主がしなければならないことは実に多岐にわたります。
後悔なく故人様を送り出すには、家族たちと協力し、役割分担をしながらお葬式を進めていくことです。
そして、すぐそばにいてくれてたよりになる葬儀社を見つけておくことです。
私たち広島自宅葬儀社も、常に喪主様のそばに寄り添う葬儀社を目指し、努めています。
お葬式のことで疑問や不安がある方は、どうぞお気軽に広島自宅葬儀社にご相談ください。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。