一番安い葬儀、簡単なお葬式はどんな葬儀?人それぞれの簡単な葬儀
更新:2024.07.07
「自分の葬儀は簡単でいい、お金をかけないで欲しい」
先行く人が残される家族を思い、このような言葉を残すことは珍しくありません。
日常的にご遺族様に接している私の経験上、「簡単な葬儀」と聞いて思い浮かべる葬儀の形はさまざま、人それぞれだと感じます。
普段お話を聞かせていただく中で、ご家族の思い描く一番安い葬儀、簡単な葬儀を形にしていく作業を行うのですが、今回はその事例をご紹介させていただきます。
ご覧いただいているあなた様の参考になれば幸いでございます。
「一番安い葬儀」「簡単なお葬式」は簡素な葬儀を連想、イメージには個人差
「一番安い葬儀」「簡単なお葬式」と聞くと通常の葬儀を簡略した簡単な葬儀を連想する方は多いと思います。
しかし簡略化した葬儀というのは、実際にどこまでを簡略化するイメージなのかは人それぞれなのです。
通常のお葬式の流れを始めに紹介したいと思います。
1搬送〜ご安置
2通夜式
3葬儀・告別式
4出棺
5火葬〜収骨
1〜5の手順で進めるが、家族のみで家族葬を行いたい。
これをある方は「簡単なお葬式」と呼びます。
1〜5の中のどれかを省略するのも「簡単なお葬式」と呼びます。
兄Aさんと弟Bさんが「簡単なお葬式」をしようと話します。
事前に共通理解があったとしても、思い描く「簡単なお葬式」のイメージが全く異なっていることもよくある話です。
また、このようなケースもあります。
「一番安い葬儀」を希望する姉Aさんと妹Bさん。
姉のAさんは1〜5の手順や内容よりも、とにかく一番安い方法が優先。
妹のBさんは少しでも安い葬儀が優先ですが、お寺様の読経は希望します。
このように一番安い葬儀、簡単なお葬式を求める方々には、人それぞれの譲れない希望があり、人によって異なることがお分かりいただけたと思います。
この記事ではなるべく多くの方の希望に沿える形をご紹介させていただきます。
それはあなたがもしもの時に、家族や親族へ、あるいはお世話になる葬儀社へ、
「こういう葬儀がしたい」と相手へ伝えられるようになっていただきたいからです。
不慣れな葬儀の場面で思い描いていたイメージを正確に口にするのは、なかなか難しいことです。
しかし事前に知識を身につけていれば、いざという時にも正確に伝えられる確率は高まります。
それはあなたの希望する葬儀が実現しやすくなることに繋がります。
一番安い葬儀は直葬(火葬のみ)最も簡素なお葬式
一番安い葬儀は、通夜式・葬儀告別式を行わず、直葬(火葬のみ)を行う方法です。
弊社であれば65,000円(税込71,500円)です。
火葬当日、葬儀社が故人様を火葬場へと搬送します。
ご遺族は直接火葬場にお集まりいただき、その場で短時間のお別れが可能です。
お葬式に対しての準備や拘束される時間が一番少なく、費用が最も安く抑えることができる点です。
お金をあまりかけられないという方以外にも、時間をあまりかけられないという事情のある方に選ばれています。
「一番安い葬儀」の言葉の裏に隠されたニーズ
私は一番安い葬儀をお求めの方のニーズが直葬で全て満たされるとは思っていません。
「一番安い葬儀を求めているけれども、これは違う。直葬は葬儀ではなく、火葬のみではないか」というご意見をいただくこともあるからです。
このような方の多くが、一番安い葬儀は直葬と予め知っていらっしゃる、それでは答えにならないから別の提案を求めている。
そんな方がこの記事をご覧になられていると私は認識しています。
それは次でご紹介させていただきます。
人によっては、こちらも「一番安い葬儀」「簡単なお葬式」
「簡単に安く済ませられれば一番、だけどお経が全くないのは困る。」
「葬儀は簡単でいい、だけど形だけでもお経はあげてもらいたい。」
このように思う方もいらっしゃるでしょう。
これも人によっては「一番安い葬儀」「簡単なお葬式」になるのです。
この場合、2通りの方法があります。
どちらがあなたの考えに近いか、ご覧になってみてください。
直葬+炉前読経という選択
一つ目は、先ほどの直葬、火葬のみを基本にして、新たに読経を加えたスタイルです。
直葬は遺族が火葬場に集まり、火葬場でお別れをしてお見送りをするものですが、これに火葬炉前で行うお寺様による読経を加えます。
葬儀社への支払いは、各社の直葬プラン、火葬式プランなどが目安になります。
それに新たに加わるのが、寺院へのお布施となります。
弊社であれば炉前読経のお布施は、3.5万円で承っています。
全国的には3〜6万円が相場となっています。
読経の時間は、平均5〜10分程度になり、その間にご遺族は焼香を行います。
読経終了後、最後のお別れを行います。
「火葬のみは葬儀ではない」とおっしゃる方にも、葬儀だと感じていただけるのではないでしょうか。
直葬+炉前読経であれば、どこの都道府県でも15万円〜20万円未満で可能だと思います。
広島自宅葬儀社であれば、火葬式121,000円(税込)+お布施35,000円=合計156,000円(税込)になります。
一日葬という選択
二つ目は、ご安置〜通夜式〜葬儀告別式〜出棺〜火葬が通常の葬儀の流れですが、この中の通夜式を省いた形、一日葬と呼ばれるスタイルです。
通常参列者は、通夜の日、葬儀の日と2度出席しますが、一日葬の場合は、葬儀の日のみ出席となります。
従来2度のはずだった出席が1度になるわけですから、こちらも「簡単なお葬式」に該当します。
尚且つ、これまでご紹介した中で一番通常の葬儀に近い形になります。
通常の葬儀と異なるのは、繰り返しますが、通夜式の有無です。
これ以外は全く変わりません。
読経も先ほど紹介した炉前読経は5〜10分でしたが、こちらは一般的な葬儀同様の時間になりますので35〜45分になります。
広島自宅葬儀社であれば205,000円(税込225,500円)+寺院へのお布施で一日葬が可能です。
お布施は7〜10万円が相場になります。
参列者が集まるのが一度になりますので、感染リスクが軽減されるメリットが注目され、コロナ禍で需要が高まりました。
香典、返礼品、振る舞い無しの家族葬
3つ目は、葬儀と言えば受付で記帳をいただく、香典を受け取り、返礼品をお渡しする。
あるいは参列者へ食事の振る舞いをする、参列者一人一人へ挨拶をする、これらの光景を浮かべる方もいらっしゃると思います。
これらを全て無しにすることは、人によっては仰々しくかしこまる必要のないお葬式になり、つまり「簡単なお葬式」となります。
この場合、葬儀は近い親族のみで家族葬として行います。
近い者だけで行う葬儀であれば、仰々しくかしこまる必要もないということも少なくありません。
宗教的儀式は通常通り、通夜式・葬儀告別式を行います。
広島自宅葬儀社であれば255,000円(税込280,500円)+寺院へのお布施で可能です。
まとめ
・一番安い葬儀・簡単なお葬式は、人によって描くイメージは異なる
・一番お金のかからない簡単なお葬式は、直葬
・人によっては一番安い葬儀、簡単なお葬式は、「直葬+炉前読経」、「一日葬」の場合もある
・どこまで簡単にするのか、火葬のみの直葬から一日葬、家族葬まで幅がある。大切なのは家族で考えを擦り合わせること。
「葬儀は簡単に」
この言葉は奥が深く、浮かべるイメージは人によってさまざま、それが時に家族を困らせ、悩ませる原因になることもあります。
どこまで簡単にすれば良いのか、さじ加減の調整が家族の間で求められる場合もあるのです。
お一人で全て決めないといけない立場の方は、さじ加減は自分自身に全て委ねられます。
出来ることならご本人から具体的な内容を事前にお伺いできれば一番なのでしょうが、難しい場合もあります。
こういう時こそ、お近くの葬儀社に相談に行ってみましょう。
広島県の方であれば、弊社へいつでもご相談ください。
年々、お葬儀は縮小化し、今では家族葬が当たり前になりました。
しかしたとえ簡素化が進んだとしても、先行く人の思い、残された家族の思い、送る側の気持ちはいつの時代も変わらないものです。
ご家族の思いを尊重し、お考えを汲みとり、最良のご提案をさせていただきます。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。