遺影の準備はいつまでに?写真を準備してから遺影ができるまでを解説
更新:2023.03.23
お葬式で祭壇中央に飾られるご遺影、葬儀で写真が必要になることは想像ついているものの、では一体いつまでに用意すればいいのか。
どういう工程で出来上がっているのか、よく知らない方も多いのではないでしょうか。
そんな疑問を解決するべく、わかりやすく解説させていただきます。
目次
遺影の準備はいつまでに?
お葬式へ参列すると祭壇中央に飾られているご遺影は、お通夜の始まる前に葬儀社が作成していることが殆どです。
お通夜が18時〜19時頃から始まることが多いので、遅くても17時までには完成していないといけません。
つまり逆算すると遺影の準備期限は、お通夜のある日の正午まで、お昼までに遺影用の写真をご用意いただければ、通夜式に問題なく間に合います。
私自身、過去には通夜の始まる3時間前にお写真を預かり、お通夜までに遺影を作成したことは何度もありますが、葬儀社が慌ただしくなることは、喪家様にも葬儀社にもあまり良いことに繋がりません。
そのためお通夜当日のお昼を期限としたほうがいいでしょう。
どのような写真が遺影に相応しい?
写真自体のポイントは下記の通りです。
・顔の表情がはっきり映っているもの
(ピントがぼやけてないもの)
・笑顔、表情の良いもの
・ご本人らしいもの
写真選びであまり気にしなくてよいもの
写真を選ぶ際、あまり気にしなくてよいものは下記になります。
・正面を向いている、向いていない
・他の人が一緒に映っている
・10年前の写真で今と違う
・旅行中の写真のため服が私服
・服装が乱れている
・帽子を被っている
気にしないで良い理由は、後で修正加工ができるからです。
写真の選び方については、下記の記事で詳しくご確認いただけます。
写真を準備してから遺影ができるまで
写真を用意したらどうやって葬儀社へ渡す?他に何か決めることはあるの?
写真の準備ができると、遺影が完成するまでの流れがどうなっているのか、気になる方もいらっしゃると思いますので、解説させていただきます。
遺影の準備は現像写真がいい?それともデータ?
遺影用の写真は、現像した写真をそのまま葬儀社へ預ける形、携帯電話やパソコンの中に入ってある画像ファイルを葬儀社へメール送信する形が主流です。
葬儀社はどちらの方法でも対応出来ますので、ご家族のご都合で判断いただけます。
何か決めることはあるの?
写真が決まったら、修正加工の有無を決めます。
・背景をどうするか
・遺影背景を元のお写真そのままを使用する
・遺影背景をサンプルから選んで加工を依頼する
例えば花見の季節に桜の下で撮影したお気に入りの写真の場合、加工なしであれば桜を背景にした写真になります。
桜そのものを消去して、別の背景をサンプル集から選択することもできます。
背景は青、緑、グレーなどの寒色系、ピンク、オレンジなどの暖色系もあれば、海、山、空などの風景集もあります。
加工を行う、行わないで料金が変わることは通常ありませんので、ご本人様らしい遺影を作るために家族で相談して決めましょう。
・服装をどうするか
・本人の服装を元の写真そのままを使用する
・本人の服装を変更、着せ替え加工を依頼する
写真の服装がご本人様らしいものであれば、あえて着せ替え加工しないのも一つです。
顔の表情が良い写真を選んだら、キャンプの時のTシャツ姿だった場合は、Tシャツをスーツや和装に着せ替えることもできます。
昔は遺影の写真といえば、皆さん正装をしたお写真を作るものでしたが、近年はご本人の普段の姿そのままのお写真を好む方が多い印象です。
先祖代々のお写真を家の中に並べて飾るというのも最近は少なくなりました。
その人らしさを大切にして作りましょう。
遺影の準備で気をつけたいこと
このように遺影写真の準備では、写真の準備→背景を決める→服装を決めるという工程がありますので、写真を選ぶだけで終わりではないのです。
人によっては写真を選ぶ時間と同様に背景を選ぶ、服装を選ぶのにも時間が必要になります。
背景をどうするか、家族と相談したかったけれども時間がなくて慌てて選んでしまったということにはなりたくないものです。
そのため、葬儀社からあらかじめ背景サンプル、服装サンプルをいただき、写真選びと合わせて背景、服装も期限までに選ぶという方法をとっている葬儀社は多くあります。
写真を決めたら大切に保管、いざという時は早めに葬儀社へ渡す
このように遺影写真というのは、制作自体は短時間でできるものなのです。
制作時間よりも写真を選ぶ時間、人によっては背景や服装を決める時間のほうが長いこともあります。
遺影写真の制作、加工は葬儀社のプランに含まれていることが多いため、基本的には写真が決まったら、いざという時のために大切に保管しておきましょう。
いざという時は早めに写真を渡して、背景や服装をゆっくり選んで決めていきましょう。
それでも十分お葬式に間に合います。
中には、いざというときに慌てたくないという心境から、せっかく前もって写真を用意したのだから、もう先に遺影写真を作っておこうという方もいらっしゃいます。
この場合の注意点について次項で解説させていただきます。
遺影は自分で作成してもよいが注意点も
いつか訪れるお葬式のために遺影用の写真を予め準備される方も多くなりました。
この場合のメリットとデメリットを最後に解説させていただきます。
遺影を自分で作るメリット
・早めに作ることで精神的に安心する
・本人が生前に自ら選んで作ることもできる
・額の色や素材もこだわることができる
・自分のペースで時間をかけて作ることができる
遺影を自分で作るデメリット
・遺影写真は葬儀社のプランに含まれていることが多いため、自費で作ると本来は発生しなかった余分な出費となることもある。
・サイズや色など葬儀場とバランスが悪いとなることもある。
このようにメリットとデメリットがあります。
前もって遺影を先に作っておくのはおかしいことではありません。
縁起が悪いと敬遠する必要もありません。
また、お葬式の写真だからと黒の額縁に固執する必要もありません。
時間が許されるなら、前もって作っておくというのは、いざという時に慌てないで済みますし、自分たちが納得した形でお葬式を迎えることができるというメリットは大きいものです。
但し、葬儀社のプランに含まれているのにわざわざ自分たちで作るということにも繋がりやすいので、家族で相談して判断しましょう。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。