お葬式・葬儀後にお花をおすそわけしてもらった場合、どうするべき?
更新:2022.08.09
お葬式に参列したとき、葬儀場に飾ってあった花をおすそわけしていただき、持ち帰る事もあります。
人によっては、初めての体験で、いただいた花をどうすれば良いのだろう?
お悩みになるかもしれません。
いただいたお花をどうするのか、わかりやすく解説させていただきます。
葬式に飾ってあるお花をおすそわけする風習
お葬式の場に飾ってあった花をお裾分けする風習は、地域によっては一般的な風習となっています。
お葬式ではお棺の中へ花を手向ける献花の場面がありますが、お棺の中が花でいっぱいになると、葬儀場に残った花は余ることになります。
このお花を処分するのはもったいないということから、参列者へお裾分けする風習が生まれました。
おすそわけするタイミングも地域によって異なる
葬儀場に残った花を周囲へお裾分けするタイミングは地域によって異なります。
ご出棺後にお見送りを終えた参列者が自宅へ持ち帰ることができるように、最後のお別れの献花中に葬儀社が花束を作る地域もあります。
あるいは火葬終了後、葬儀場へ戻って解散時に親族のみへ渡す地域もあります。
家族葬が増えている現在、葬儀による
本来、余ったお花をお裾分けする風習ですから、花が余らない葬儀では困難です。
現在、家族葬が主流になっていますので、お花が余るというケースは従来に比べて少なくなっています。
お棺の中へ入れて差し上げる花を優先するので、結果として周囲へ持ち帰っていただく花は残らないという葬儀が増えています。
いただいたお花には、どんな意味がある?
葬儀の花は、お釈迦様の葬儀の時に、村人が花と楽器と香木で見送ったのが由来となっています。
花は命を美しい形で表現したもので、感謝を形に表したものです。
また、いただいたお花には、亡くなった方が持っていた幸せを分けてもらう意味もあります。
ご遺族からすれば「今日は皆さん故人のためにご参列ありがとうございました。たくさんのお花をいただき、故人もさぞ幸せだと思います。どうぞ皆さんもお花をお持ち帰りいただき、家にお供えしてあげてください」と意味が込められています。
いただいたお花をどこに飾る?
ではいただいたお花をどうするべきか、飾る場所はいくつかあります。
・仏壇に飾る
・花瓶に入れて飾る
・墓へ持参する
仏壇に飾る
仏壇がある家庭では仏壇にお供えするのが良いでしょう。
お花のボリュームがありすぎる場合は、ハサミで切って飾りやすい大きさに調整します。
花瓶に入れて飾る
仏壇のない方は、花瓶に入れてリビングや玄関などに飾るのも良いでしょう。
特に決まりはありませんので、好きな場所に飾りましょう。
墓へ持参する
お墓へ持参してご先祖へお供えするのも良いでしょう。
大きさを調整する必要があるかもしれませんので、ハサミを持参すると便利です。
お葬式で使った花は縁起が悪い?
他人のお葬式で使った花をもらうなんて縁起が悪い、飾るなんてあり得ないという方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
亡くなった方を穢れとして嫌うのは、故人を祟る存在として扱うことになります。
先述したように、花は感謝を形に表したものですから、縁起が悪いと言えば仏教では失礼にあたります。
そして幸せのお裾分けですから、縁起が悪いという捉え方をするのではなく、亡くなった方の幸せを分けてもらうものと解釈して、有り難くお供えしましょう。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。