【女性・子供編】お葬式に最適な靴の選び方とポイント
更新:2022.07.07
通夜式やお葬式への参列は前触れもなく突然やってくるものです。葬儀に参列することになったら、喪服の他にも、靴・バッグといった小物類を用意する必要があります。
葬儀の当日になって、「履く靴がない!」と慌てることがないように、事前に葬儀にふさわしい靴について知識を得ておきましょう。
この記事では、葬儀に参列される女性・お子様が履く靴の選び方と注意点について詳しくご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
【女性】お葬式に最適な靴の選び方と注意点
「葬儀には喪服に黒のパンプスを合わせる」というイメージを持たれてる方は多いと思います。
もちろん黒のパンプスで問題ありませんが、靴の形状や素材、ヒールの高さにはマナーがあり、どんなパンプスでもOKではありません。
葬儀とは、親族や関係者が故人のご冥福をお祈りして、最後のお別れをおこなう場です。
「葬儀で久しぶりに親戚や友人と会うから」といって、服装・小物を含めた全体の装いにトレンド満載のおしゃれを意識するのはNGです。
例えば、派手な色や模様、デザインの靴や小物は故人とご遺族に対して無礼な印象を与えてしまいますので、ご注意ください。
靴の形状デザイン
黒のパンプスといっても、つま先のデザインを見ると4種類あります。
それぞれ異なる4種類のうち、葬儀に最適デザインは、つま先が丸い「プレーン」、次につま先が四角の「スクエア」になります。
喪服を着用して故人を偲ぶ気持ちを表しますから、足元も目立たず控え目にする必要があります。つま先が角ばった「スクエア」でも構いません。
つま先の尖った「ポインテッド」はトレンドではありますが、落ち着いた印象に欠けるため、葬儀には避けたほうが無難です。
「オープントゥ」は葬儀の場ではカジュアル過ぎますので、たとえ夏の暑い時期であっても避けるべきです。
ストラップは付いていても問題ありませんので、歩きやすさや脱げにくさを重視される方は選んでもOKです。ただし、華美な金具付きは避けてください。
靴の素材は光るラメやグリッター、エナメル素材は避けて、革靴または合革のツヤ消しを選びましょう。
ヒール選びのポイント
ヒールの高さは高すぎると派手になり、逆に低すぎてもカジュアルになるので、葬儀で履くパンプスのヒールの高さは3cm〜5cmがベストです。
ヒールの太さにも気を配る必要があります。ヒールが太い方が派手さを抑えて落ち着いた印象があります。細いヒールよりも葬儀場内で音が響きにくいメリットも。
これから葬儀用に靴を購入される予定の方は、本皮もしくは合皮の光らない素材の黒いパンプス、ヒールの高さは3cm〜5cm、太めのヒールをポイントに選びましょう。
葬儀用の靴は「黒」の「ヒールが太く3cm〜5cm」の「プレーントゥのパンプス」
まとめますと、葬儀に履くフォーマル靴は、「黒」のプレーントゥパンプス、素材は光沢感なし、「ヒールは太め」「高さ3cm〜5cm」となります。
チェックポイント
- 色は黒色である
- プレーントゥ
- つま先が丸い形状のパンプス(つま先が角ばった「スクエア」でも可)
- ヒールは3cm〜5cm
- ヒールが細いのはNG、太め
以上を踏まえて葬儀へ履いて行く靴を一足持っておくと、いざという時に便利です。
しかし何がベストなチョイスなのかという観点から申し上げましたが、厳密に言うとこうでなければいけないというものではありません。ヒールが少々細くても、少々高くても、つま先がスクエアでも、「駆けつける」、「お悔やみを伝える」「気持ちに寄り添う」ほうがよっぽど大切なことです。
靴が揃わないから参列は断念しようなどは考えてはいけません。相手の気持ちを考えれば後で後悔しないうようにぜひ参列していただきたいと思います。
ストッキング選びのポイント
葬儀の場では、ストッキングは黒の薄手のものを着用するのがマナーです。30デニール以下の厚さのものを選ぶと良いでしょう。
ベージュのストッキングなど肌色は避けるべきで黒いストッキングが好ましい。しかし黒すぎてもいけないということなんですね。難しいバランスが求められるのです。
タイツは生地が厚くカジュアルな印象になってしまうので避けましょう。
冬場の葬儀では、寒さ対策として厚さ80デニール以下のストッキングを履いても問題ありません。特に妊婦の方や持病のある方はご自身の体調を優先するようにしましょう。そういう方はパンツスタイルでの参列でも良いと思います。
寒さ対策をしながらストッキングも黒くなりすぎない方法として、肌色のストッキングの上に黒のストッキングを重ねて履くという方法もあります。この場合、黒が30デニールであれば30デニールのストッキング1枚に見えますのでお勧めです。
【子供編】お葬式に最適な靴の選び方とポイント
子供が葬儀へ履いていく靴は「普段、学校に履いていく靴」であればOKです。わざわざ葬儀の為に靴を新調する必要はありません。
幼稚園児、小学生の靴
学校指定の靴、スニーカーでもローファーでも大丈夫です。キャラクターものは避け、黒、白、グレー、青、紺など寒色系、控えめな色が良いでしょう。
靴に付いた泥や汚れ、黄ばみは前もって落としておき、清潔に洗っておきましょう。
中学生、高校生の靴
学校指定の制服を着用して、足元は学校指定の靴、もしくはスニーカーやローファーでも構いません。
派手な色ではなく寒色系の黒、グレー、青、紺色、白を選ぶようにしましょう。
大学生
女性編で説明した靴と同様に、大学生は喪服に足元は黒のパンプスでOKです。喪服を持っていない場合は黒、グレー、紺のスーツを着用して、黒のパンプスを合わせてください。
まとめ・お葬式の靴の選び方
葬儀では、故人と悲しみに暮れている喪主や遺族の方々に対して、参列者は場に適したふるまいや装いを心がけることがマナーです。
冒頭にも述べたように、葬儀に参列する機会は突然やって来ますので、いざという時のために葬儀に履いていく靴を一足揃えておくと安心です。
では、本記事のおさらいとしてポイントを振り返ってみましょう。
▽女性の靴
・「黒」の「プレーントゥのパンプス」
・素材は本革・合皮、光沢感がないもの
・ヒールは「太め」、「高さは3cm〜5cm」
・ストッキングは黒の薄手で30デニール以下
▽幼稚園児や小学生
・黒、白、グレー、青、紺のスニーカーやローファー、運動靴
▽中学生や高校生
・学校指定の制服と靴
・制服が無い場合は寒色系の黒、グレー、青、紺のスニーカーやローファー
▽大学生
・喪服または黒、グレー、紺のスーツ
・男性は黒の紐靴、女性はパンプス
▽大切なこと
・葬儀の場に一番相応しいというベストチョイスをした場合に上記になっただけである。
ベストチョイスだけにとらわれてはいけない。一番大切なのはお悔やみの気持ち。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。