自分の葬儀の準備は何ができる?自分でできることと葬儀社に頼むこと
更新:2024.09.19
自分の葬儀の準備をすることは可能です。
葬儀社に相談した上で、喪主に葬儀のプランと見積もりに応じた金額を預けておけば、自分が思い描く葬儀を行ってもらうことができるでしょう。
葬儀の準備には、自分でできることと、葬儀社に相談することの2つがあります。
それぞれ詳細にご案内します。
自分でできる葬儀の準備9つ
葬儀社に相談する前に、自分でできることを済ませておくと後がスムーズに進みます。
なぜなのか解説しながら、準備するものについてご紹介します。
連絡簿の作成
まずは葬儀に「来てほしい人リスト」を作りましょう。
親族や友人、会社関係など、縁のある人の顔を思い浮かべながら名前を書き出すのがおすすめです。
リストを作っているうちに、親族中心の小さな葬儀にしたいのか、縁ある人全てを呼びたいのかが定まってきます。
リストアップできたら、人名の脇に電話番号などの連絡先を添えて連絡簿を作りましょう。
数が膨大で手書きが面倒なら、パソコンなどで作成するのもおすすめです。
この連絡簿は、自分が亡くなって最初に喪主が必要とするものです。
また、人数を数えて葬儀社に伝えれば、かなり正確な見積書をもらえます。
家系図の作成
親族が集まる機会が減り、子世代が親戚の関係をよく知らないケースもよく見られます。
子世代の助けになるよう、家系図を作成しておきましょう。
連絡簿とは違い、子や孫の世代も含めた全ての親戚が掲載されるので、葬儀後の会食の人数を数えるのにも便利です。
戒名の依頼
菩提寺があり、自分の葬儀をぜひ仏式でお願いしたいと考えている場合は、生前から戒名を依頼しておくのがおすすめです。
戒名は亡くなってからいただく名前というわけではなく、仏弟子になった証として授かる名前なので、生前戒名はおかしなものではありません。
生前に戒名を授かれば、一般的には生存中に知ることのない自分の戒名を目にすることができます。
戒名に対するお布施をあらかじめご住職に納めておけば、喪主となる子世代の負担も軽減されます。
戒名については下記の記事で詳しくご案内させていただいていますので、興味のある方はご覧ください。
遺影の準備
一番お気に入りの写真を遺影に選びましょう。
今はスマホのフォルダの中など、データで保存している人も多いと思われます。
なるべく自分の顔が大きく写っていて、かつピントがぼけていない写真を選びます。
遺影だからといって、わざわざ大判の紙焼き写真を作ってもらう必要はありません。
葬儀社によって遺影のサイズが違うためです。紙焼きも、データも、そのままの姿で構いません。
もちろん、プロの写真家に依頼するのもおすすめです。
卒寿や米寿といった歳祝いや、子世代、孫世代のお祝いに合わせて自分の写真も撮影しておく人がいます。
元気で若々しさが残っているうちに、ちょっとよそ行きの服装で撮影してもらっておくのがベストです。
子どもの頃からの写真の準備
最近の葬儀では、故人の子どもの頃からの写真をスライドショーで流し、略歴紹介をすることがあります。
参列者に故人の来し方を知ってもらえるサービスですが、遺族には写真を選ぶ負担がかかります。
写真選びの時間が思い出を語り合える癒しの時間になるという意見もありますが、多忙な喪主の時間が割かれてしまうのは事実です。
ぜひ、葬儀でスライドとして流して欲しい写真を選んでおきましょう。
10枚から15枚の範囲で選び、写真の裏などに撮影した状況をメモしておくと、遺族の助けになります。
衣装の準備
棺に納められるときの衣装は、一般的には白い着物です。
しかし、希望すればお気に入りの衣服に着せ替えてもらうか、着せ替えが難しければ着物の上から体にかけてもらえます。
亡くなったときの状況にもよりますが、着せ替えが比較的楽にできるのが、着物や前開きの衣服です。
いくつか候補を決めておき、「この中のどれかを、可能ならば着せてほしい」と書き置きするのもいいでしょう。
なお、環境負荷の軽減のため、棺の中には燃えないものをなるべく入れないのがマナーです。
金属類が最小限の衣服にするなど、気を配りましょう。
棺に入れてほしいものリストの作成
思い出の品を、棺に入れてもらうことができます。燃えるものに限られることを意識しながら選んでみましょう。
素材や大きさから棺に入れられないと感じたら、写真を撮影し、その写真を入れてもらうのも一案です。
なお、思い出の写真を棺に入れたいときは、なるべく自分以外の人物が写り込んでいない写真を選びましょう。
「自分が写っている写真を棺に入れてほしくない」と感じる人もいるためです。
骨壺の準備
こだわりの葬儀を実現するため、骨壺を用意しておく人もいます。自分で焼いたり、作家ものの骨壺を購入したり、オーダーしたりとさまざまです。
ただ、火葬場によっては持参の骨壺が使えず、まずは火葬場が用意する白い骨壺に収骨すると決められている場合もあります。
骨壺を好みのものにしたい場合は、購入のタイミングよりも先に葬儀社へ相談してみましょう。
棺の準備
棺の中には、生前に自分で買っておけるものもあります。
実際に棺を購入し、生前は着物入れなどにしている人もいるほどです。
自分が納められることになる棺を特別なものにしたいと考えるなら、生前購入を検討し、インターネットなどで調べてみましょう。
ただし、購入前に葬儀社へ相談するのがおすすめです。
棺の持ち込みが許されていなかったり、葬儀費用をそれほど節約できなかったりするためです。
葬儀社に相談すること2つ
自分で準備できることを終えたら、葬儀社へ相談します。
ほとんどの葬儀社では、事前相談と生前見積もりを行っています。電話などで問い合わせ、できれば直接出向きましょう。
見積もりの依頼
葬儀の参列人数や希望の宗派を伝え、生前見積もりを出してもらいます。
葬儀社からは、式場や祭壇、通夜や葬儀を含めたスケジュールについて提案があるでしょう。
最近では、家族葬など通夜と葬儀の参加者がほぼ同じである場合などに、通夜を省略する「一日葬」を提案する葬儀社も増えています。
どんなスケジュールにするか迷う場合は、複数のパターンで見積もりを出してもらいましょう。
希望に沿った葬儀ができるか尋ねておく
相談時には、準備した連絡簿や遺影のデータ、着せてもらいたい衣装の情報を持参できると、話がより具体的に進みます。
骨壺や棺を自分で用意したいときも、実際にどんなものを購入したいのか、インターネットの画像などを示しながら相談してみましょう。
どの程度、自分の希望に沿った葬儀ができるかが分かります。
葬儀プランが決まったら喪主の候補となる人に託そう
できれば3社ほどに相談し、相見積もりを取るのが理想です。
納得のゆく料金か、相談員の対応は良かったか、そして何より自分の希望の葬儀ができそうかを考えて、最も良いと思える一社に絞りましょう。
見積もりは必ず、喪主の候補となる人に託します。
もし自分の葬儀の準備ができたとしても、喪主がそれを知らなければ全て水の泡です。
見積もり、参列者リスト、家系図、遺影、衣装や棺に入れるものなど全て揃えた上で喪主に渡し、葬儀費用を準備しておけば、きっと理想通りの葬儀が叶います。
ただし、見積もりの期限には注意が必要です。
葬儀の生前見積もりには、3カ月から半年程度の期限が記載されているのが一般的です。
定期的に再見積もりを依頼すれば、安心できます。
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この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。