葬式へ行くのに礼服がない!そんな時の対応方法を解説
更新:2022.07.07
お葬式へ参列する頻度は少なく、いざという時に礼服の準備で困る事があります。中には初めて参列するという方もいらっしゃるでしょう。
時間がない時、お金をあまりかけたくない時、何をどこで揃えればわからない時、そういう場合の対応方法を解説しますので、お役立てください。
礼服がない場合の解決方法
急遽、今晩通夜へ行くことになった。まずい、服装はこのままでいいのかな?
礼服を用意しないといけないと慌ててしまいます。
まずは礼服がない場合、どのような対処方法があるのかを挙げてみたいと思います。
方法1.葬儀場へ貸レンタルがあるか問い合わせる
まずは参列予定の葬儀場へ貸レンタルの礼服があるか問い合わせてみましょう。
参列する為に葬儀場へ行こうと予定していたわけですから、葬儀場で礼服を借りる事ができれば、時間的ロスは発生しません。
尚、葬儀場に更衣室があるかどうかも、事前に問い合わせて確認しておきましょう。
注意しないといけないのは、白シャツと黒ネクタイ、靴は貸レンタル礼服に含まれていない場合があるので、よく確認しておきましょう。
含まれていない場合は、別途別の方法で用意するか、もしくは葬儀場で貸レンタルではなく、お買い求めとなる場合があります。
方法2.礼服レンタルをネット注文
最近は、スマホで礼服レンタルと検索すれば、色んなサービスが載っています。
「礼服喪服レンタル110番」は全国47都道府県対応のサービスです。
必要な時だけ手軽に借りるというコンセプトで、若い人を中心にじわじわと人気が出ています。
メリットは安さです。そして日常的に着る服ではないので、体型に合わないというリスクがあるものです。
都度新しい礼服を借りるので、その時の体型に合わせた服を着て参列出来るというメリットがあります。
デメリットは、今日今すぐ礼服が必要という方にはお勧めできません。
翌日以降の式に参列する予定の場合にご利用ください。
特に東京など関東の場合、亡くなった日から通夜葬儀までに、時間が空く事が多いので、このサービスを利用する事は、他の地域に比べて簡単でしょう。
方法3.青山・はるやまへすぐに買いに行く
時間と予算があれば、最寄りの紳士服スーツの青山、はるやまで購入するのも、一つの方法です。今後も冠婚葬祭の席へ出席する際に困らないようにしておきたいという方は、この機会に揃えるというのも良いでしょう。
また、青山、はるやまで揃える場合は、お金はかかりますが、シャツ、靴、靴下、ネクタイ、全て一式を一箇所で揃えられるが便利です。
すぐに喪服の購入ができる店舗を、下記の記事でご紹介していますので、合わせてご覧ください。
方法4.黒スーツで参列
もう一つは自宅に黒のスーツがあれば、一旦自宅へ戻って黒のスーツへ着替えるという方法です。お金が一番かからない方法です。
礼服と黒スーツの違いは、参列した会場へ一緒にいた友人が、じっとあなたの服を見続けない限りは、おそらく気付かないと思います。
礼服は光沢がありません。ですから光沢のない黒スーツを着用すれば、ボタンがシングルでもダブルでも、多くの方にはわからないでしょう。(見る人が見れば、気付く程度です。)
方法5.黒っぽいスーツで参列
黒いスーツがない場合は、紺色のスーツ、または濃いグレーのスーツはありませんか?
もしあれば、それを着用して参列するのも一つの方法です。
黒スーツに比べて、周囲にわかってしまうリスクは当然ながらあります。
周囲にわかってもマナー違反と捉えたり、礼儀を欠いていると捉えたり周囲はしないはずです。「時間がなかったのだろうな」「仕事中に来たのだろう」くらいに思っていただけるはずです。神経質にならなくても大丈夫です。
方法6.参列しない
香典を参列する方へ預けて、自分は参列しないという方法もあります。
近い関係の間柄でなければ、そのような方法もあります。
スーツがないから参列しないとは、周囲は思わないでしょう。
香典を預ける人がいない場合
式の時間に合わせて葬儀場へ行くのではなく、式の前もしくは後に葬儀場へ香典だけ届けて、速やかに退出するという方法もあります。
自分に合う解決方法を見つける
解決方法は色々ある事がわかりましたので、これからはどの方法で解決するべきか、4つの属性に合わせてご説明させていただきます。
お金をかけたくない、時間もない
まずお金をかけたくない、時間もないという方は、家にあるスーツで対応することを優先してください。
一番お金がかかりません。黒っぽいスーツがある方には、特に私はこれをお勧めします。グレーでも紺色でも構いません。それを着用して参列しましょう。
スーツが無い方、礼服ではないスーツに抵抗がある方は、数千円〜1万円で葬儀場の礼服レンタルを頼みましょう。
ただし、この場合、シャツ、靴を葬儀場以外の場所で揃える必要があります。
葬儀場で借りることのできる礼服は、スーツとネクタイのみと思っていただいたほうが良いです。
シャツ、靴を他で用意する時間があるかどうか、ご判断してみてください。
お金をかけたくない、時間はある
お金をかけたくない、時間はあるという方は、ネットで礼服レンタルがお勧めです。
税込5千円あれば、男性も女性も借りる事ができます。
楽天で買い物をする頻度の高い方は、「礼服喪服レンタル110」は、楽天市場なので利便性が高いでしょう。
男性の場合は、オプションでベルト、Yシャツ、靴下を揃える事ができます。
女性の場合は、オプションでネックレス、イヤリング、バッグ、ストッキングを揃える事ができます。
お金をかけても良い、時間はない
お金をかけても良いが、時間はないという方は、紳士服の青山、はるやまへ向かって一式を揃えることをお勧めします。
紳士服専門店なので、礼服だけでなく小物も全て一式揃える事ができるので、お店へ行く時間は必要ですが、買い物に費やす時間は短時間で済ませる事ができます。
葬儀場へ行って貸レンタルをして、シャツ、靴を別途自分で用意することを考えると、最初から青山、はるやまで購入したほうが早いと言えます。
お金をかけても良い、時間もある
お金をかけても良い、時間もある場合は、しっかりご自分の体型と予算に合った礼服を一着購入するべきです。
特に40代以降の方は、礼装のマナー、身嗜みも年齢に相応しい品格を求めるなら、やはり揃えておくべきだと思います。
紳士服の青山、はるやまだけでなく百貨店でお買い求めも選択肢に入れると良いでしょう。
礼服がなくても恥はかかない
礼服がないと焦ることは禁物です。礼服がないのに通夜葬儀へ参列するのはおかしいのではないかと心配になる必要はありません。
焦る原因は恥をかきたくない
礼服がないことに焦りを感じるのは、周囲がみんな礼服を着用していると思うからです。
1人だけ浮いてしまうのではないか、恥をかいてしまうのではないかという気持ちからです。
しかし礼服がなくても実際は、恥はかきません。
礼服がなくても恥はかかない、堂々とすべき
筆者はこれまで数多くの葬儀をみてきましたが、その中で礼服を着用していない方もたくさん見かけました。
ご本人は恥ずかしい気持ちでいらっしゃったのかもしれませんが、周囲は何も思いませんし、目立ってもいません。
仕事のスーツで参列の方だけでなく、工場の作業着のまま参列の方も大勢見てきました。
忙しい中をわざわざ時間とお金をかけて葬儀へ参加されている方を、一般常識の無い人のような扱いで変な目で見ることはありません。
礼服がないとこの先迷う場面に遭遇したら、周囲の目ではなく、亡くなった方がどう思うか。遺族がどう思うかで考えましょう。
例えば、あなたが亡くなった方の息子様のご友人だとします。
親御様を亡くした友人は、あなたがグレーのスーツで葬儀場へやって来るのと、スーツが無いから来ないのとではどちらが良いでしょうか??
服装よりも駆けつけてくれたこと喜んでくれるはずです。
私が過去に拝見した男性は、工場の作業着のまま参列されてましたが、凛とした姿がかっこよかったです。
故人の次男様のご友人ということでした。彼を見た時に次男様は、号泣されていました。
このようなことから、葬儀ではあなた自身の参列が故人や遺族の慰めとなる場合もあるということです。
礼服が無いと焦るということは、自分は参列しなければならないと感じているからだと思います。もしそうであれば、礼服がなくても堂々とお願いします。
葬祭のプロとして失格のアドバイスかもしれませんが、私個人の考えもお伝えさせていただき、終わりたいと思います。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。