お葬式で遺族にかける言葉はどんなものがいい?NGワードは?

更新:2023.01.21

お葬式に参列すると、式の前や後に、遺族へ声をかける機会があります。

悲しみの場で、どんな声をかけたら良いのか悩んでしまう人もいるでしょう。

お葬式で遺族にかけるべき言葉や、かけてはいけないとされる言葉について解説します。

遺族にかける言葉としてふさわしいフレーズ10

遺族へこれから声をかけようとする女性

まずは、遺族にかける言葉としてふさわしいフレーズを紹介します。

代表的なフレーズに「ご愁傷様です」がありますが、この言葉だけであいさつが終わってしまうのは寂しい印象になるものです。

きちんと会話が成立するように、「最初のひと言」と「二言目」、そして「締めの言葉」に分けてご案内します。

【最初のひと言】

■このたびは、お悔やみ申し上げます

故人が亡くなってしまったことを悔やむ気持ちを、ストレートに表す言葉です。

■このたびは、ご愁傷様です

「愁傷」とは、「(相手の)心の傷を心配する」という意味です。

相手を気の毒に思う気持ち、心から心配する気持ちを表す言葉です。

■突然のことで、何と申し上げたら良いか分かりません

事故などで突然亡くなってしまったときなどに適しています。

「何といったら良いか分からない」気持ちを直接表せるので、気負いなく口に出せるでしょう。

【二言目】

■○○と申します。故人には生前お世話になり、本当にありがとうございました

故人とは知り合いでも遺族とは付き合いがない場合、自己紹介が必要です。

故人とどのような関係だったかを簡潔に説明しましょう。

■お力落としのことと思います

とくに両親や配偶者を亡くした遺族を気遣うフレーズです。

■介護や看取りで、とてもお疲れでしょう

故人が長い入院生活の末に亡くなったときなどに適したフレーズです。

また、配偶者の両親を亡くした人など、「お力落としのことと思います」という言葉がそぐわないと感じるときにも使えます。

■本当に残念です

故人が若くして亡くなったときや、突然亡くなったときなどに適したフレーズです。

【締めの言葉】

■ご冥福をお祈りいたします

故人の安らかな眠りを願うフレーズです。

ただ、「冥福」という言葉はキリスト教では使わないため、注意しましょう。

キリスト教では「(故人の)魂の平安をお祈りしています」というフレーズになります。

■どうかお体を大事にお過ごしください

相手への気遣いをストレートに表現するフレーズです。

■私にお手伝いできることがありましたら、いつでもご連絡ください

遺族の心を支えるためのフレーズです。

得意分野のある方は、「○○の件などは私にお任せください」などと具体的に言い添えると、遺族の安心につながります。

遺族の負担になるかもしれないフレーズ3

お葬式の場で言ってしまいがちながら、遺族の気持ちを傷つけたり、重荷になったりするフレーズがあります。以下に紹介するので、気をつけましょう。

いったいどうして?

とくに突然亡くなったような場合、死因を尋ねたくなりがちですが、お葬式の場では控えましょう。

遺族にとって、亡くなったときのことを思い返すことは精神的な負担をさらに重くするかもしれません。

また、他に遺族へあいさつしたい人が待っているにも関わらず、話し込んでしまいがちです。

しっかりして

例えば喪主が配偶者を亡くしており、小さな子どもがいるようなケースでは、「あなたがしっかりしないと」と激励するような言葉をかけてしまいがちです。

しかし悲しみにくれている遺族ほど、激励の言葉は重荷になります。

また、「しっかりしなければならないのに、どうしてもそうはできない。どうしよう」と焦燥感をあおることにもなりかねません。

早く元気になってね

励ますつもりで「元気になって」と告げることは、「しっかりして」と同様、遺族の心の重荷を増やす恐れがあります。

遺族は「元気にならなければ」という気持ちと、「どうしても、元気になれない」という気持ちの間で板挟みになってしまいます。

お葬式で使ってはいけない忌み言葉

最後に、お葬式でNGとされる「忌み言葉」を確認しておきましょう。

次のような言葉は、縁起が悪いとされ、お葬式の場で口に出すのは控えなければならないとされています。

ますます、いよいよなど、同じ言葉を繰り返すもの

繰り返しのある言葉は、「不幸を繰り返す」イメージからタブー視されています。

「ますます」「いよいよ」「重ね重ね」「たびたび」など、気づかないうちに使ってしまいそうな言葉ばかりなので気をつけましょう。

不幸が続くことをイメージさせるもの

「再び」「また」「続いて」など、続くことをイメージさせる言葉もNGです。

「また」は「なお」に言い換えるなどの工夫をしましょう。

生や死を直接表現するもの

「死んだ」「生きていた頃」など、生死を直接表現すると、生々しい印象になってしまうため避けましょう。

自分を主語にすると話しやすくなる

以上、お葬式で遺族にかける言葉について解説しました。

なかには、ご紹介したフレーズのような言葉ではご自身の気持ちを伝えきれないと考える人もいるかもしれません。

そんなときは、自分を主語にするのが近道です。

例えば遺族に「急逝されて、さぞ驚かれたでしょう」「お寂しいことと思います」などと声をかけたいとき、「本当にそう思っているのだろうか。

的外れな慰めだったらどうしよう」という考えが頭をよぎることがあります。

そんなとき、遺族ではなく、自分を主語にするのです。「急逝の知らせを受けて、とても驚きました」

「友人が一人旅立って、とても寂しい気持ちです」と表現すれば、自分の気持ちがストレートに伝わり、遺族とも心を通わすことができるでしょう。

このように、少しの工夫で、遺族に精神的な負担や違和感を与えずにお悔やみを伝えることができます。

悩んでしまったときには、試してみてください。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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