葬儀の参列に必要なものを男女別にご紹介|よくあるQ&Aも
更新:2024.10.20
葬儀参列の機会は突然訪れるものです。
喪服や黒いバッグが必要と頭では分かっていても、慌てて準備するあまり、何かを忘れてしまうかもしれません。
この記事では、葬儀の参列に必要なものを男女別に分けて紹介します。
服装、持ち物に迷う人はぜひチェックリストのようにお使いください。
また最後には、持ち物に関するQ&Aコーナーを設けています。
よくある質問をまとめてあるので、きっと参考になるかと存じます。
男女共通して葬儀に必要なもの
まずは、男女いずれも葬儀参列に必要なものを紹介します。
香典
香典が辞退されていない葬儀には、香典を持参します。
白黒もしくは双銀、地域によっては黄白の水引があしらわれた不祝儀袋を用意し、新札は一度折ってから入れましょう。
親族ではない一般参列者の香典相場は5,000円です。
ほか、香典のマナーについては以下の記事もご参照ください。
袱紗(ふくさ)
香典はそのまま持っていくのではなく、袱紗に包みます。
袱紗は小さな風呂敷状の布で、桜色や橙色など明るい色の袱紗はお祝いごと用なので避けましょう。
紫は慶弔共通です。
グレーや紺、緑など地味な色の袱紗が弔事用です。
数珠
仏式の葬儀であれば数珠を持参します。
各宗派に正式な念珠があり形状等が違いますが、参列者の立場であれば、一般的に売られている一連の数珠で十分です。
ハンカチ
黒または白のハンカチを用意します。
男性が葬儀に必要なもの
男性が葬儀に持っていくべきものや服装は、以下の通りです。
黒いバッグ
香典、ハンカチ、スマホ、財布を入れられる黒いセカンドバッグを用意します。
これらの持ち物をジャケットの胸ポケット等に入れられるなら、バッグは必要ありません。
手ぶらで参列する男性も多く見られます。
貴重品以外はクロークに預けられます。
ブラックフォーマルのスーツ
喪服売り場で売られている黒いスーツを着用します。
婚礼用もブラックスーツですが、婚礼用のスーツは光沢があるため、弔事では避けましょう。
白いワイシャツ
柄や地紋のない、白いワイシャツを選びます。
ボタンダウンのワイシャツはカジュアルな印象のため、避けましょう。
黒いネクタイ
柄や地紋のない、シンプルな黒いネクタイを着用します。
黒いベルト
柄の入っていない黒いベルトを着用します。
バックル部分の金属があまり目立たないものを選びましょう。
黒い靴下
ビジネス用の薄い黒靴下を用意します。
厚いニット地の靴下はカジュアルな印象になるため、なるべく避けるようにしてください。
黒い靴
シンプルな黒いシューズを履きます。
金具があまり目立たないものを選びましょう。
男性がお葬式に履く靴は、どんな靴が相応しいのか。
下記の【男性編】お葬式に最適な靴の選び方|見るべき5つのチェックポイントで詳しく解説させていただいています。
よかったら合わせてご覧ください。
女性が葬儀に必要なもの
女性が葬儀に必要な持ち物や服装は、以下の通りです。
ブラックフォーマルのアンサンブルかスーツ
喪服売り場に売られている、黒いワンピースとジャケットのセットやブラックスーツを着用します。
黒いパンプス
装飾のないシンプルな黒いパンプスを履きます。
正式には布巻きのパンプスが良いとされていますが、喪服売り場等にしか売られていないため、革製のパンプスも許されています。
女性がお葬式に履く靴として相応しいものはどんな靴か。
下記の【女性・子供編】お葬式に最適な靴の選び方とポイントでご紹介させていただいています。
よかったら合わせてご覧ください。
黒いストッキング
30デニール以下の、肌が少し透ける黒いストッキングを着用します。
40デニール以上はタイツとされ、カジュアルな印象なので葬儀には向きません。
ただし東北など寒冷地の厳寒期には、タイツを履く人もいます。
黒いストッキング(予備)
黒いストッキングは伝線すると悪目立ちします。
予備をバッグに忍ばせておくのがおすすめです。
黒い布バッグ
喪服売り場に売られている、黒い布製の手提げカバンを持参し、数珠や香典、ハンカチ、貴重品など参列に必要なものを入れます。
黒いサブバッグ
女性は荷物が多いもの。サブバッグを持つ人も少なくありません。
黒い布製のトートバッグをサブバッグとして用意し、防寒具や予備のストッキング、化粧品などを入れます。
真珠のアクセサリー
葬儀のときのアクセサリーは、真珠と結婚指輪のみが許されています。
白、グレー、黒といった色味のない真珠を選び、ピンクなど華やかなものは避けましょう。
また、ネックレスの場合はチェーンが見えてしまう一粒真珠ではなく、全体に真珠があしらわれた数珠つなぎのものを選びます。
ストールなど防寒に役立つもの
式場内で肌寒さを感じる場合があります。
サブバッグにストールなどを忍ばせておきましょう。
ただし毛足が長い膝掛けや、フワフワした素材のものはなるべく避けるのが無難です。
黒い喪服に繊維が付着すると、かなり目立ってしまいます。
黒い髪ゴムあるいは髪留め
髪が肩より長い人は一つにまとめます。
トップにボリュームを持たせない形で、黒い髪ゴムを使い、耳の半分よりも下でまとめましょう。
高い位置で結ぶとカジュアル感が出てしまいます。
髪ゴムではなくバンスクリップなどの髪留めも使えますが、黒無地のものを用意しましょう。
葬儀に必要なものについてのQ&A
葬儀参列の服装や持ち物について、よくある質問と、それについての回答をまとめました。
参考にしてください。
Q1.ネイルはどうすればいい?
A1.桜色など肌色に近い色のネイルであれば、そのまま参列して構いません。
明るい色、派手な装飾のついたネイルはできれば剥がしましょう。
ジェルネイルなど剥がしづらいネイルの場合は、葬儀用の黒い手袋を着用するのがおすすめです。
Q2.寒い時期のコートは何色でもいいの?
A1.葬儀で着用するコートとして最もふさわしいのは黒無地のウールコートですが、葬儀用にわざわざ新調する必要はありません。
手持ちのうち、最も地味な印象のコートを選びましょう。
ただし裏地のないコートは喪服に繊維がついてしまう可能性があるため、避けた方が無難です。
Q3.腕時計をしてはダメ?
A3.必要がなければ外していった方が無難ですが、帰りの電車の時間が気になるなど事情がある人は、黒や茶色など地味な印象の皮革ベルトを使った腕時計にしましょう。
ただし男性の場合はごく一般的なシルバーの腕時計を葬儀で着用している人も多く、許容されています。
Q4.喪服を買うお金がありません。黒いスーツではダメですか?
A4.20代前半までならビジネス用の黒いスーツでも問題ありません。
ただ、ビジネス用の黒いスーツは、喪服として売られているブラックスーツよりも黒の色味が浅いため、とくに屋外では少し目立ちます。
社会人として収入が安定したら喪服を購入するのがおすすめです。
もしくは喪服をレンタルしましょう。
Q5.男性の髪型はどんなものでもよいのですか?
A5.長髪であれば女性同様、後ろでひとまとめにしてください。
短髪の方はジェルやワックスで固め、髪型が崩れないようにしましょう。
素のままの髪はセレモニーの場にふさわしくありません。
Q6.子どもの服装のマナーは?
A6.制服があるなら、制服が最も葬儀にふさわしい子どもの服装です。
制服がないなら、なるべく大人の喪服とイメージを揃えましょう。
男の子なら白いワイシャツに黒いズボン、黒いジャケットやカーディガン。
女の子なら黒いワンピースに黒いボレロやカーディガンといった形です。
ただし葬儀のために新調する必要はなく、キャラクターものを避け手持ちの中で最も地味な色味の服を選べば、それで全く構いません。
靴は音が鳴ったり光ったりしないものを選びましょう。
Q7.妊娠中の服装は?
A7.妊娠中は体調を崩しやすいため、無理に参列しなくても構いません。
参列したい場合は、お腹周りがゆったりした黒いワンピースと黒いジャケットを着用し、冷え対策のストールを持参しましょう。
なお、インターネット上では、妊婦用の喪服がレンタルされています。
もしレンタルを利用するときは、お届け日時に十分気をつけ、葬儀に間に合うよう手配するのが大事です。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。