初七日に何をするか悩む人は必読!内容や準備、スケジュールについて
更新:2024.11.15
初七日には、法要と会食が行われます。
法要では僧侶が遺骨と位牌の前で読経を行い、法要が終わり次第、参加者みんなを囲んでの会食があります。
初七日法要を滞りなく行うには、事前の準備が不可欠です。
しかし、初七日は葬儀が終わって数日後に訪れます。
「準備が行き届かないのでは」と悩む人のために、初七日に何をするべきか、順を追ってご案内します。
目次
初七日に何をするか、まずはざっくり確認しよう
初七日には、初七日法要が行われます。
初七日法要とは、人が亡くなって7日目に行う、死者供養のための最初の法要です。
初七日の後は7日ごとに、二七日(14日目)、三七日(21日目)と法要が営まれ、七七日(49日目)の四十九日が終わるまで法要が続きます。
しかし、毎週法要を行うのは大変なので、初七日法要の後は四十九日法要を行うだけの家が多いでしょう。
初七日法要では、菩提寺のご住職など僧侶が喪主宅に訪れ、位牌と遺骨に向かって読経します。
僧侶が読経する中、参加している親族は血縁の濃い順番に焼香します。
喪主宅ではなく、法要会館やお寺で法要を行う場合もあります。
法要が済んだら、法要会館や料亭に向かい、会食が行われます。
会食には、僧侶が参加する場合と、参加しない場合があります。
会食が終わったら解散です。
神式の初七日には何をする?
神式では、初七日を行いません。
初七日ではなく、亡くなった日から数えて10日目に「十日祭」が行われます。
喪主宅に神職が訪れ、霊璽(れいじ。位牌のようなもの)に向かって祭詞をあげます。
十日祭でも、初七日と同じように主な親族が集まります。
親族らは、儀式の最中に血縁の濃い人から順番に玉串を奉奠します。
白い紙垂(しで)のついた榊の枝を、祭壇に向かって捧げるのです。
十日祭のあとには会食が行われます。
キリスト教の初七日には何をする?
キリスト教には供養の考え方がないため、初七日もありません。
ただ、亡くなった人を振り返るための機会はあります。
カトリックでは「追悼ミサ」、プロテスタントでは「記念集会」と呼ばれています。
これらの追悼ミサや記念集会を、日本の習慣に倣って死後7日目に行う場合があります。
追悼ミサの場合、親族らが教会に集まり、聖歌斉唱やお祈り、聖書朗読が行われます。
一方で記念集会の場合は喪主宅へ集まることが多く、遺影や十字架に向かって祈りが捧げられます。
追悼ミサでも、記念集会でも、最後には茶話会という形で、故人の思い出話をしながら軽食をとります。
初七日を迎えるまでのスケジュール
身内が亡くなってから初七日法要までは、7日間しかありません。
また、その間に葬儀があるのが一般的です。
あらかじめスケジュールを押さえ、順番に取り組む必要があります。
1.僧侶・法要会館と日程の打ち合わせ
まずは初七日法要を希望することを、菩提寺のご住職などに告げます。
葬儀の打ち合わせをしているとき、同時に初七日についても決めてしまうのがいいでしょう。
法要に喪主宅ではなく法要会館を使うのであれば、法要会館の日程も押さえます。
2.初七日法要の参加者に日程を知らせる
日程が決まり次第、初七日法要に参加する親族へ日程を知らせます。
親族の範囲は葬儀と同様か、血縁の濃い人や近所にいて集まりやすい人に絞ります。
お通夜や葬儀のときに初七日の日程や場所も伝えられるとスムーズです。
3.会食と香典返しの手配
参加する親族の数を数え、会食と香典返しの手配をします。
会食は子どもも含め親族みんなの分と、ご住職が参加されるならご住職の分、そして故人の分(「陰膳」といいます)を忘れずに数えましょう。
香典返しは一家に一つです。
初七日法要の香典返しは、葬儀のときと同様、弔事のお返しものが後に残るのはよくないという考え方から、食べ物や消耗品といった「消え物」を選ぶのが一般的です。
賞味期限の長いお菓子、乾物、タオルセット、カタログギフトなどが好まれます。
品物の金額としては、5,000円程度が相場です。
4.供物や服装、お布施の準備
当日までに必要なものを準備します。
初七日で準備するものについては、次章で詳しくご案内します。
5.喪主宅の清掃
葬儀が発生すると、家の中は乱雑になってしまいがちです。
初七日法要を喪主宅で営む場合、喪主宅の清掃を当日までに済ませておきます。
来訪者が使う仏間、僧侶の控室となる部屋、洗面所、玄関を中心に清掃しましょう。
玄関はたくさんの人の靴が置かれるため、特にスッキリさせておきましょう。
初七日で準備するものと準備のタイミング
初七日で準備するものを、準備するタイミングが早い順番にまとめました。
チェックリストにしてあるため、ぜひ参考にしてください。
喪服一式
初七日法要の服装は喪服です。
葬儀のときに着用した喪服を、そのまま着用しましょう。
葬儀日程によっては、クリーニングに出す暇がないかもしれません。
ワイシャツだけでも洗ってアイロンがけをする、喪服についたホコリや汚れを取るなどのケアが必要なので、他のものよりも先に喪服を整えましょう。
数珠
葬儀のときに使った数珠で十分ですが、各宗派には本式の念珠があります。
もし「これを機に本式念珠を家族分揃えたい」などの希望があれば、早めに仏具店で購入しておきましょう。
仏具店で宗派を伝えれば、その宗派の本式念珠を教えてもらえます。
お布施
初七日法要のお布施の相場は、1万円から3万円程度です。
一般に法要のお布施の相場は2万円程度とされ、初七日法要は亡くなって初めての法要であるため、少し厚めに包む人が多いとされます。
ただし、お布施の相場は地域によっても、菩提寺との関係の深さによっても違います。
お布施の金額に迷ったときは、年長者など詳しい人がいれば、相談してみるのがいいでしょう。ご住職に尋ねてみても、失礼にはあたりません。
なお、お布施とは別に、喪主宅や法要会館などお寺から離れた場所で法要を行う場合は「御車料」、僧侶が会食に参加しない場合は「御膳料」を包みます。
相場はいずれも5,000円です。
後飾り祭壇(自宅で行う場合)
遺影や遺骨、位牌は、四十九日法要が終わるまで仏壇ではなく後飾り祭壇に安置します。
後飾り祭壇は葬儀社が用意してくれます。
段ボール製の簡易的な2~3段仕様の祭壇に、白い布を被せたものです。
花束一対
当日までに、花束一対(同じ花束を2つ)を購入しておきます。
白を基調とした淡い色合いの花束が適しています。
金額相場は一対で3,000円から5,000円程度ですが、用意する花瓶の大きさに合わせて選びましょう。
供物
当日までに、お供え物を用意しておきます。
季節の果物や菓子、故人が好きだったものなどが適しています。
ロウソク、線香、香炉、マッチ類(自宅で行う場合)
当日までに、自宅の焼香台周りをチェックしておきましょう。
香炉をきれいにするほか、ロウソクや線香が足りなければ買い足します。
位牌、遺骨、遺影
当日、法要が始まる前までに、後飾り祭壇の上を整えておきましょう。
遺骨と遺影は最上段に安置します。
位牌も本来は最上段に安置されるものですが、白木の位牌は背が高いため、倒れやすいと感じる場合は二段目に安置しましょう。
初七日ですることは書き出しておくと安心
ご覧のように初七日でするべきことは多く、全てを一度に手配しようと考えてもなかなか難しいでしょう。
こちらの記事をプリントアウトしたり、必要に応じてメモ書きしたりすることで、自分がいつ何を行えば良いか把握しやすくなります。
家族と一緒に準備を行い、忙しい時期を乗り越えましょう
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。