家族葬はどこまでの範囲を呼ぶ?家族葬の人数は一般的にどのくらい?

更新:2022.10.31

現在、最もニーズのあるお葬式が家族葬です。

ご親族を中心として、少規模で行われる葬儀というのはご存じだと思いますが、家族葬といっても1名〜50名まで、実際に行われている葬儀はさまざまです。

家族葬って一般的に何名くらいなんだろう?うちの場合は多いのかな?少ないのかな?

およその比較検討が一般の皆様でも判断がつくように、この記事を執筆させていただきました。

家族葬の人数はどうやって決まり、平均人数はどのくらいなのか。

これまで1500件の葬儀を担当してきた筆者が解説させていただきます。

家族葬を伝えるタイミング、伝える範囲

まず家族葬を行う場合、大体皆さんどこまでの範囲へ声をかけているのか。

気になるところだと思いますが、多くの場合は親族ほぼ全員へ電話等で声をかけていらっしゃいます。

親族に伝える際は、メールやLINEで伝えるよりも電話で伝えるほうが良いです。

ただし電話であっても、直接ご自身が全員へ電話をして伝えるのか、家族と数名で手分けして伝えるのか。

あるいは葬儀前に連絡をするのか、葬儀が終わってから連絡するのかは個人差があります。

葬儀前に電話連絡をする場合

葬儀前に電話連絡する場合、故人の子供、兄弟、孫、3親等までは最低限知らせましょう。

亡くなったこと、臨終までの経緯、葬儀の日時場所を伝えた上で「家族葬をする趣旨」を伝えます。

参列して欲しい方へは、家族葬への参列を依頼します。

参列は控えていただこうと考えている場合は、その旨をこの時に合わせて伝えます。

来ないで欲しいという意味ではなく、わざわざ遠くからお越しいただくのは申し訳ないと気遣うケースが殆どです。

遠方に住んでいる故人の兄弟が、ご高齢の場合によくあります。

また、コロナ禍では県を跨いでの移動が制限されていましたので、殆どのご家族が他県に住む親族の方に対して、遠慮をされていました。

葬儀後に電話連絡をする場合

葬儀後に電話連絡をする場合は、血縁が遠い親族の場合、もしくは遠方にいる親族の場合が多いです。

3親等までの血縁が近い親族には、相手が参列できないとわかってる場合でも、葬儀前に知らせておくほうが、後々のトラブルを回避するためには良いでしょう。

1親等・・本人からみて親、子供

2親等・・本人からみて祖父母、兄弟、孫

3親等・・本人からみて叔父、叔母、甥、姪、ひ孫、曽祖父、曾祖母

4親等・・本人からみて従兄弟

家族葬へ参列するのは、どこまでの範囲が多い?

家族葬へ参列するのは、3親等までの親族で行われる形が最も多いです。

そして多くの方は、下記の2パターンのどちらかです。

故人の子供、孫、兄弟、叔父叔母、甥姪だけで行う

故人の子供、孫、兄弟、3親等までは声をかけて、相手へ参列出来るのか、出来ないのか、把握していくパターンです。

全員が近所に住んでいて、健康で、すぐに動けるわけではありません、状況も様々です。

しかしすぐには駆けつけることが出来なくても、多くの場合は葬儀であれば仕事も学校も忌引きで休めますので、時間的猶予さえあれば参列できるという方は多いでしょう。

故人の子供、孫で行う場合

2親等までの故人の子供、孫は参列するが、兄弟などは参列しないパターンです。

移動手段、移動距離、健康状態、人間関係、様々な事情で参列をされない場合があります。

兄弟は故人と年齢が近いことも多く、すでにお亡くなりになっている場合、健在だが健康状態が思わしくない場合などもあるり、事情があって参列が難しいこともあります。

家族葬を行うモデル、平均値の家族を作ってみる

どこまでの血縁関係が主に家族葬へ参列するのか、およそ解りました。では次に具体的に、家族葬を行うモデルとなる家族を、統計上の平均値から作っていきたいと思います。

平均寿命

厚生労働省の令和2年の簡易生命表によると、平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳となっています。

兄弟の数の平均

2014年調査の第7回世帯動態調査で、平均寿命にあたる1939年以前生まれの兄弟の人数をみると3.26人となっています。

子供の数の平均

1933年〜1937年生まれの平均出生数は2.2名です。

平均の結婚年齢

厚生労働省の平均婚姻年齢の推移をみると、平均婚姻年齢は男性31.0歳、女性29.4歳となっています。

モデルとなる平均値の家族はこちら

統計上モデルとなる中央値の家族は、故人が男性81歳の場合、妻は健在(女性は平均寿命87歳)。

兄弟は3.26人だから3人(全員健在かどうかは微妙である)。

子供が2.2人だから2人となります。

故人が女性87歳の場合、夫は先に逝去してる可能性が高い(平均寿命81歳)。

兄弟は同様に3人(全員健在かどうかは微妙である)。

子供も同様に2人となります。

統計上平均値の家族で、家族葬をすると参列者は何名?

先ほどの統計値を元に、平均値に位置する家族が、最も家族葬を行う確率の高い家族となります。

その家族がもしも家族葬を行ったら、何名の参列になるかを見ていきたいと思います。

平均寿命81歳男性の家族葬

男性平均寿命である81歳男性が亡くなった場合、女性平均寿命は87歳なので奥様はご健在。

兄弟は3人いて、子供は2人いらっしゃる。

ご兄弟も70代後半〜80代半ばであることが予想されます。

健康状態や移動距離によって参列の可否が分かれるでしょう。

お兄様がいらっしゃる場合は、平均寿命から言えば先にご逝去されてる可能性も考えられます。

妻の兄弟も同様に3人いて、参列の可否が同様に分かれるでしょう。

参列が可能な場合は、兄弟の夫婦で合わせて2名参加という場合もあるでしょう。

兄弟の参列は、男性側の兄弟が0名〜最大4名と予想されます。妻側の兄弟も、0名〜最大4名となります。

故人には子供が2名います。

年齢は50代と予想され、結婚していて子供もいらっしゃる確率が高いです。統計的には、3〜4人家族となります。

3.5人家族×2家族=7名

全部を合計すると参列者の人数が出ます。

故人の妻(1名)+兄弟(0名〜8名)+子供(7名)+孫の家族葬=参列者数8名〜16名

兄弟が全員参列できた場合は、16名の家族葬。

兄弟が全員参列できなかった場合は、8名の家族葬です。

故人の孫が結婚している場合は増える

先ほどの家族の場合、仮に故人の子供が55歳であれば、故人の孫は25歳〜35歳と予想されます。

結婚している場合は、その配偶者と子供も参列となるでしょう。

孫が結婚している場合は、孫の配偶者、孫の子供が参列する可能性もあります。

孫が独身の場合は、本人のみ参列となります。

最小値は、孫3名×本人のみ=3名。最大値は孫3名×家族4名=12名となります。

3名〜12名の参列が見込まれ、最大9名増えることになります。

最小8名〜最大25名の家族葬となるでしょう。

故人が平均寿命よりも長生きしている場合

故人が平均寿命よりも長生きしている場合は、故人の配偶者、故人の兄弟の生存率が下がります。

一方で故人の孫が結婚している確率が高まり、ひ孫が誕生している可能性があります。

参列する顔ぶれは変われど、家族葬の規模は、それほど著しく変わることはないでしょう。

まとめ

統計上、平均値の家族をモデルにして、もしもその家族が家族葬を行ったらという計算でしたが、それによると家族葬の平均値は、統計上8名〜25名という結果になりました。

筆者もこれまで1500件の葬儀を担当させていただいてきましたが、この結果は実際の感覚と似通っていると感じます。

同じ家族葬でも参列人数の差が出るのは、声をかける範囲が異なるのではなく、むしろ声をかける範囲は皆さん似たり寄ったりなのです。

それよりも家族葬の人数に差を生じさせてるのは、主に故人の兄弟の人数、故人の子供の人数が要因です。

多いから、少ないからで気にすることはなく、3親等までに声を掛ければ大丈夫だということで終わりたいと思います。

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