葬儀に参列できない場合どうする?欠席を伝える電話やメールの例文も紹介

更新:2025.02.28

葬儀のお知らせが届いても、どうしても参列できないときはあり得ます。

そんなとき、相手にどう欠席を伝えれば傷つけずに済むか、マナー違反にならずに済むかと悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。

葬儀に出席できない旨は、電話やメールで伝えても差し支えありません。

欠席についてお詫びするとともに、大切な人を亡くして心が弱っている相手をいたわる言葉が必要です。

基本的なマナーとともに、電話やメールの例文をご紹介します。

葬儀を欠席せざるを得ない状況とは?

昔から、「身近に不幸があった際は可能な限り葬儀に出席しなければならない」というマナーが広く知られています。

よって、よほどのことがない限り、葬儀の知らせがあれば参列すべきと考える人は多いでしょう。

葬儀を欠席せざるを得ない「よほどのこと」は、例えば、以下のようなことです。

・自分の身内に事故や危篤などのアクシデントがあったとき

・自分の身内の結婚式など、めったにない大事な予定があるとき

・海外などの遠方にいて葬儀に間に合わないとき

・入院中など自身の体調不良があるとき

・業務上、替えのきかない重要な仕事が生じているとき

・感染症対策として法律に基づく外出自粛が求められているとき

葬儀と何らかの予定が重なってしまった場合は、その予定をずらすことができないか、仕事であれば代理を立てられないかを、まずは検討してみましょう。

上司への相談も大切です。

その上で、どうしても葬儀に参列できないことが判明した場合でも、まだできることがあります。

詳しくは、次章で解説します。

葬儀を欠席する以外にも参列の手段が2つある

葬儀に参列できないときは、以下の2つのうちどちらかができないか、考えてみましょう。

通夜と告別式、どちらかに出る

葬儀には参列の機会が2回あります。1つは通夜、もう1つは告別式です。

多くの地域では「通夜は一般の人も参列できるもの、告別式は親族だけが参列するもの」といった風習がありますが、その逆の風習を持つ地域もあります。

通夜に出られないなら、告別式に出られないか検討しましょう。

告別式に出られないと悩むなら、通夜や、通夜の前の弔問ができないか考えてみましょう。

そして喪主に「告別式には出られないため、お通夜にお伺いしてもいいですか」などと尋ねてみるのがおすすめです。

葬儀前、受付に香典を渡しに行く

仕事の都合などで長時間の参列ができないなら、葬儀が始まる少し前に、受付へ香典を渡しに行くという方法もとれます。

このとき、できれば親族控室などへ顔を出し、喪主や遺族に挨拶しましょう。

ただし、葬儀の直前は喪主が最も忙しいときです。

喪主が葬儀担当者と打ち合わせをしていたり、他の参列者と話をしていたりして、なかなか話す時間が取れないかもしれません。

そのときはその場を辞し、後で改めて喪主に連絡しましょう。

電話で欠席を伝えるときの例文

葬儀に参列できないときは、前もって喪主や遺族に伝えましょう。

できればメールやSNSといった文章よりも、声が直接伝わる電話でお詫びした方が丁寧とされています。

ただし、葬儀前の遺族は多忙です。

電話で呼び出しても繋がらないときは、メールやSNSでの連絡に切り替えた方がいいでしょう。

くれぐれも、折り返しの電話を求めないようにするのが大事です。

電話で欠席を伝えるときは、以下に注意します。

まずはお悔やみを伝える

用件を単刀直入に切り出さず、お悔やみの挨拶から始めます。

事情を具体的に言わない

欠席するからには、その理由を具体的に述べた方が丁寧だと感じる人もいるでしょう。

しかし、葬儀の欠席事由は、あまり具体的に述べないのがマナーとして良いとされています。

替わりのアクションを明確に伝える

「弔電をお送りします」

「後日、改めてお伺いさせてください」

「後日、お香典を送らせてください」など、参列する代わりに何をするかを簡潔に述べましょう。

他の話題を入れるなど長話をしない

久々に会話をするような場合でも、長話は禁物です。

葬儀前の遺族は忙しく、さまざまな用事に追われています。

葬儀に欠席することだけを伝え、長くならないようにしましょう。

【葬儀に参列できないときの電話の例文】

もしもし。○○と申します。このたびは、誠にご愁傷様でございました。

お忙しいときにお電話してしまい、誠に申し訳ありません。

実はやむを得ない事情がありまして、葬儀に参列することができません。

大変申し訳ありません。葬儀の日に合わせて、弔電をお送りします。

お忙しいとは思いますが、お体をいたわってください。

○○さんのご冥福をお祈りしております。

メールやSNSで欠席を伝えるときの例文

喪主や遺族が電話に出ないとき、あるいは電話番号を知らないときは、メールやSNSなど普段やりとりに使っているツールで連絡しましょう。

いつもはフランクなやりとりをする相手であっても、少し改まった表現にすることでお詫びの気持ちが伝わります。

ただし、あまりに丁寧な表現は、相手との関係性によっては慇懃無礼と取られかねません。

以下、相手との関係性別にお詫びの文例をご紹介します。

いずれも、長くならないように気をつけましょう。

【目上の人に葬儀の欠席をお詫びする文例】

このたびは誠にご愁傷様でございます。

突然のことにお掛けすべき言葉も見つかりません。

本来、葬儀に駆けつけるべきではありますが、やむを得ない事情があり、伺うことができません。

誠に申し訳ありません。葬儀式場へ弔電をお送りいたします。

○○様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

【同年代の親族に葬儀の欠席をお詫びする文例】

お父様の訃報を聞き、大変驚いております。心よりお悔やみ申し上げます。

本来、葬儀に参列すべきではありますが、やむを得ない事情があり、参列できません。

本当に申し訳ありません。

お父様のご冥福をお祈りしております。

【友人に葬儀の欠席をお詫びする文例】

お母様の訃報に接し、謹んでご冥福をお祈りいたします。

葬儀に参列したかったのですが、事情により叶いません。

本当にごめんなさい。葬儀の後、しばらくしたら連絡しますので、弔問に行かせてください。

これから忙しいと思いますが、どうか体に気をつけてね。

後のフォローを忘れずに

葬儀に参列できないときは、後のフォローを忘れずに行いましょう。

以下のいずれかが考えられます。

弔電を送る

葬儀に間に合うように、葬儀式場に宛てて弔電を送ります。

弔電は、昔ながらの方法として「郵便局に行って依頼する」「NTTに電話で依頼する」の2つがあります。

今ではインターネットを利用するのが一般的です。

葬儀日程を確認し、配達が間に合うかどうかを確かめてから利用しましょう。

弔問する

葬儀後、49日までの間に、喪主や遺族にアポイントメントを取ってから弔問します。

弔問時には、香典を持参しましょう。

ただし香典を辞退している葬儀の場合は、香典を持っていってはいけません。

香典を送る

葬儀後、49日までの間に、郵便局の現金書留を使って香典を送ります。

現金書留の袋には、香典袋の他にお悔やみの手紙を入れましょう。

お悔やみの手紙を送る

香典を辞退している葬儀の場合は、お悔やみの手紙だけを送ります。

お悔やみの手紙は、1枚だけにとどめるのがマナーとされています。

2枚以上にわたると「不幸が重なる」ことに繋がり、縁起が悪いとされているためです。

簡潔に、お詫びの気持ちが伝わる表現を

葬儀に参列できないときは、お詫びの電話やメールをします。

しかし、どんなにお詫びをしたい気持ちがあっても、長々と事情を話したり、お詫びの言葉だけをたくさん並び立てて長電話をしたりするのは良くありません。

喪主や遺族の負担になってしまうためです。

「参列できず申し訳ありません」とストレートにお詫びを伝えたら、あとは故人の冥福を祈る気持ちや、遺族をいたわる気持ちを言葉にしましょう。

そうすれば、自然とあなたの想いは伝わります。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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