喪中はがきはいつ出す?発送時期、範囲、便利な手配方法を解説
更新:2022.11.06
喪中はがきは、今年身内の不幸があった人が、いつも年賀状をやりとりしている人に「来年の年賀状は出しません」と知らせるために出すはがきです。
喪中はがきには、出す時期や書き方にマナーがあります。
また、喪中はがきを手配する方法は様々です。
喪中はがきをいつ出すか、どのように手配するかについて解説します。
目次
喪中はがきを出す意味は?
身内に不幸があると、一年間は「喪中」となります。
喪中の間は、大きな旅行やお祝いごとをなるべく控えたほうが良いとされています。
華やかな行事をなるべく避け、故人を偲びながら慎ましく暮らすことが求められるのです。
喪中の慎ましやかな生活を、「喪に服す」といいます。
ところで、新年を迎えて「明けましておめでとうございます」と言い合うことは、お祝いごとにあたります。
「謹賀新年」「賀正」といった挨拶が使われる年賀状も、新しい年を寿ぐやりとりです。
よって、喪中の人は年賀状を出すことができません。
そこで喪中の人は喪中はがきを出し、いつも年賀状をやりとりしている人たちに「自分は喪中なので年賀状を出せません」と伝えるのです。
喪中はがきを出すのは、誰が亡くなったとき?
喪中はがきを出すのは、一般に、二親等以内の親族が亡くなったときです。
父母、祖父母、きょうだい、子、孫などがそれにあたります。
配偶者の親族であっても同様です。また、2親等以内でなくても、同居している家族の誰かが亡くなったときには喪中はがきを出します。
喪中はがきを出す範囲は?
喪中はがきを出すのは、年賀状を毎年やりとりしている人です。
親しい人であっても、年賀状を送り合う習慣のない人には、喪中はがきを送る必要はありません。
また、ビジネス関係で年賀状をやりとりしている人にも、喪中はがきを出す必要はありません。
ビジネスに「喪中」は関係ありませんので、普段通りに年賀状を送りましょう。
喪中はがきはいつ出す?
喪中はがきは、なるべく11月中に手配します。
12月になると、年賀状を書き始める人がいるためです。
喪中はがきを出すのが遅れると、はがきを受け取った相手が「しまった、すでに年賀状を出してしまった」と慌てる可能性があります。
本来、喪中はがきは年賀状の欠礼はがきであり、受け取った相手に「年賀状を出さないでください」と伝えるためのものではありません。
よって喪中の人に年賀状を出してしまってもマナー違反ではないのですが、なるべくなら控えたいこととされています。
喪中はがきを受け取る相手のためにも、喪中はがきは早めに手配しましょう。
喪中はがきの文面例
一般的な喪中はがきの文面例は、以下のようなものです。
喪中につき 年末年始のご挨拶は 遠慮申し上げます
母○○が○月○日に○歳で他界しました
生前のご厚誼に深謝いたしますとともに
来年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
令和○年十一月
(差出人名)
以上のように、喪中はがきには句読点をつけません。また、他の話題を添え書きや追伸で書くことも控えた方がよいとされています。
また、家族葬の後に喪中はがきを出す際には、葬儀を家族葬で終えたことの断り書きを入れると丁寧です。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
喪中はがきを出せなかった場合は「寒中見舞い」を出そう
年末に身内が亡くなるなど、喪中はがきを出すタイミングがなかった場合は、年賀状をくださった方へ「寒中見舞い」を出します。
そもそも寒中見舞いは、一月の寒さ厳しい折に相手の健康を気遣うために出すはがきです。
この寒中見舞いに、喪中のお知らせが遅れたことのお詫びを入れます。
喪中はがきを出せなかった人が書く寒中見舞いの文面例は、以下の通りです。
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をありがとうございました
昨年○月に父○○が他界し 年頭のごあいさつを控えさせていただきました
お知らせが遅れましたことをお詫び申し上げます
本年もどうぞ変わらぬお付き合いのほどお願いいたします
喪中はがきの便利な手配方法
喪中はがきは、次の5つの方法で手配可能です。
それぞれのメリットやデメリットをご案内するので、枚数に応じて、また自分がやりやすいと思う方法で手配しましょう。
郵便局のはがき売り場で購入する
毎年10月以降になると、郵便局の窓口付近で喪中はがきが売られ始めます。
年賀はがきと同じようなタイミングです。
郵便局の喪中はがきのメリットは、最寄りの郵便局で気軽に購入できること、一枚から購入可能なこと、同デザインのはがきを追加で購入できることです。
デメリットは、たくさんの種類が売り場に並ぶわけではないので、デザインがあまり選べないことです。
また、文言があらかじめ印刷されているものが多いので、「オリジナルの文面を印刷したい」と考える人には向いていません。
ただし、窓口ではなく、郵便局の公式ホームページからであれば、豊富なデザインから選べ、文言の調整も可能です。
コンビニやホームセンター、スーパー、ショッピングモールの文具売り場や文具店で購入する
文具店や、さまざまなお店の文具売り場には、喪中はがきが売られている場合があります。
文具売り場の喪中はがきのメリットは、郵便局にはないオリジナルな絵柄のはがきがあること、他の買い物をするついでに買えることです。
デメリットは、枚数が選べないことです。
「3枚しかいらないのに、5枚セットだった」ということがあり得ます。
必要な枚数が揃わず、絵柄違いになってしまうこともあるでしょう。すでに文言が入っている場合は、アレンジできません。
また、官製はがきではなく私製はがきを購入する場合は、別途切手が必要になるため注意が必要です。
インターネットで注文する
郵便局をはじめ、ネット印刷会社や年賀はがき専門店が、インターネットで喪中はがきを販売しています。
一年中注文ができるサイトもあれば、11月中などの早期注文で割引になるところもあります。
コストやデザインを比較して注文するのがいいでしょう。
メリットは、豊富なデザインの中から選べること、文言のアレンジが可能なこと、サイトによっては1枚単位で購入できることです。宛名印刷をしてくれるサイトもあります。
デメリットは、送料がかかること、余裕を持って注文しないと希望の時期に間に合わない可能性があることです。
送料や、注文から発送までの期間をしっかり確認しましょう。
また、はがきが足りなくなった場合、追加で少数注文をすると印刷費用や送料が割高になってしまいます。
1、2枚の予備を含めて注文するのがおすすめです。
コンビニで注文する
大手コンビニでは、10月末になると「年賀はがき」「喪中はがき」の注文を受け付け始めます。
店頭でチラシをもらうと、詳細が書かれています。
各店のデザインや費用面を比較してみるのがおすすめです。
メリットは、店頭でもネットでも注文可能なことです。
ネット注文なら豊富なデザインの中から選べ、割引もきくことが多いですが、「ネット注文が面倒」という人は店頭で注文するのがいいでしょう。
注文品は店頭で受け取れるため、送料がかからないのも嬉しいメリットです。宛名印刷サービスもあります。
デメリットは、基本的に店舗受け取りのため、自宅までは配達してくれないことです。
ただし、自宅配達が可能なコンビニもありますから、調べてみましょう。
また、注文から納品までの期間が比較的長い傾向がありますから、急ぎの注文には向かないかもしれません。
官製はがきや私製はがきに自分で印刷する
自宅のプリンターで喪中はがきを作成することも可能です。
郵便局やコンビニで官製はがきを買ってプリントするか、私製はがきに印刷して切手を貼り投函します。
メリットは、オリジナルの絵柄や文面を自分で作れることです。
デザインに自信のある人、心を込めて描いた絵を活用したい人は、ぜひ喪中はがきを自作してみてください。
デメリットは、プリントに失敗する可能性があることです。
ただし官製はがきの場合、未使用のものは郵便局が手数料を受け取ったうえで切手やはがきへ交換してくれます。
金券ショップへの持ち込みも可能です。
喪中はがきは早めに手配しよう
以上、喪中はがきを出す時期や対象、手配方法について解説しました。
ネットなどで印刷を依頼する場合、可能であれば10月あたりから喪中はがきを出す人のリストアップを始め、11月の初め頃には注文できるようにしておきましょう。
急ぎで喪中はがきがほしい場合には、郵便局へ駆け込むのが一番確実です。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。