葬式の髪色は派手でもOK?気にすべきポイントとすぐにできる対策
更新:2023.05.05
お葬式は急に生じるもの。
髪色が金髪だったら、ピンクだったら、メッシュが入っていたら……
「派手な色は避けて、落ち着いた髪色に変えた方がいい?」と悩む人もいるでしょう。
葬式に参列する際の髪色は、黒でなければいけないなどということはありません。
しかし、髪色や髪型に関して押さえておくべきポイントがあります。
マナー違反と思われないため、気にすべきポイントと対策をお伝えします。
目次
葬式の髪色については「自分が気になるなら対策する」が基本
昭和の時代なら、もともと黒髪の日本人が金髪で葬式に参列するなど考えられないことでした。
ほんの10年前でも、栗色やアッシュ系など落ち着いた髪色ですら、そのまま葬式に出て年配者に眉をしかめられた人は少なくなかったはずです。
しかし急速に多様性が容認されてきた現代においては、他の参列者の頭が金色でも、ピンクでも、紫色でも、気にする人はあまり見られません。
気にするとしたら、奇抜な髪色をしている本人の身内だけといえるでしょう。
よってどんな髪色であっても、気にせず堂々としていられるのであれば、そのまま葬式に参列して構いません。
しかし「この髪色で、親に何か言われたら面倒だな」
「もし遺族が自分の髪色に戸惑ったら嫌だな」などと少しでも不安になっているのであれば、対策しましょう。
葬式のためだけに髪色を変えるなら、ドラッグストアで販売されているような1日だけ黒髪になるスプレーがおすすめです。
ムラになってしまうと悪目立ちするため、可能であれば他の人の手を借りて染めるようにしましょう。
ただし、1日だけ黒髪になるスプレーには、湿気に弱いという欠点があります。
葬式の日は、なるべく雨に濡れないよう注意が必要です。
速乾性があるもの、色移りしにくいものなど、さまざまな種類があるため、なるべく機能性の高いものを選ぶのがいいでしょう。
例外として「ケアされていない髪色」は周囲が気になってしまう
どんな髪色であっても、綺麗で手入れが行き届いていれば、周囲は何も思いません。
しかし、長く美容院に行かなかった結果、毛先と頭皮に近い部分の色がハッキリ分かれてしまっていると、どうしても悪目立ちします。
時間があれば美容院へ行くのがおすすめです。
美容院に行く時間がない場合は、ドラッグストアなどで手に入るヘアカラー剤や、1日だけ髪色を戻すスプレーで対策するのがおすすめです。
白髪が出始めてきた年代の方は、白髪ケアもした方がいいでしょう。
年配者のグレーヘアはそのままで自然な印象ですが、グレーヘアに移行中でない場合、チラホラ出てきた白髪のケアをしないと、儀式の場ではけっこう目立ってしまう可能性があります。
とくに髪の長い女性は髪をまとめなければならないため、生え際の白髪が気になります。
白髪ケアをするため美容院に行く時間がない場合は、以下のように3つの方法があります。
自宅で白髪染めをする
ドラッグストアなどで手に入る白髪用のヘアカラー剤を使って、自宅で白髪染めをします。
ムラになると目立ってしまうので、可能なら他の人の手を借りるのがおすすめです。
入浴時に白髪用のトリートメントを使う
シャンプーの後にトリートメントとして使うだけで、髪が栗色や黒に染まる白髪染めがあります。
2、3日もすると色が落ち始めてしまいますが、葬式のときだけ保てばよいと考えれば、ヘアカラーよりも短時間で染められて便利です。
ただしトリートメントが肌やバスタブについたとき、すぐに洗い流さないと色がついたままになってしまうため注意しましょう。
タオルにも色がつきます。ホテルなど外泊先では控えた方がいいかもしれません。
ヘアマスカラやチップタイプの白髪隠しを使う
ドラッグストアなどで、白髪用のヘアマスカラやチップが手に入ります。
髪をまとめた後に目立つ白髪を隠せて便利です。
ただし、水性のため髪が雨などに濡れないようにしましょう。
汗にも要注意です。
お葬式で髪色よりも気をつけたい、髪型のNG
お葬式では髪型のマナーを守っていないと、例え黒髪であっても悪目立ちします。
注意したいのは、以下のような髪型です。
目にかかる長さの前髪を流していない
きちんと表情が分かるよう、長い前髪は横に流すのがマナーです。
流しやすい方に前髪を撫でつけ、スプレーやワックスでパラつかないよう押さえましょう。
肩にかかる長さの髪を結んでいない
葬式では、男女ともに肩にかかる長さの髪を一つに結びます。
黒いゴムを使い、耳の中央よりも下の位置で結びましょう。
ポニーテールや、二つ結びは避けます。
肩にかかる髪をまとめていないと、焼香や挨拶でお辞儀をするたびに髪がパラパラと落ちてしまいます。
ふだん髪をまとめていない人も、葬式の場ではまとめましょう。
寝ぐせがそのままになっている
短い髪の人はとくに、寝ぐせに注意しましょう。
頭の後ろ側が過度につぶれていたり、髪がうねりすぎていたり、はねていたりしないかチェックします。
家族に直してもらうのもいい手です。
装飾のついた髪飾りを使っている
葬式では、服や小物を黒無地でまとめるのがマナーです。
装飾のついた髪飾りは使わないようにしましょう。
黒いシンプルなゴムで一つにまとめるだけにします。
髪の長い人はバレッタなどを使って構いませんが、やはり装飾のついたものは避け、シンプルなものを選びます。
帽子をかぶっている
髪色が気になる場合、「帽子をかぶれば良い」という発想になる人もいるでしょう。
確かに葬儀用の黒い帽子は販売されています。
しかし、儀式における帽子の着用マナーは難しいものです。
遺族側が帽子をかぶっていなければ、参列者は帽子を着用できません。
また、儀式中は必ず帽子を取らなければなりません。
お葬式で髪色よりも気をつけたい、身だしなみのNG
ふだんラフなヘアスタイルをしている人も、お葬式の場では身だしなみに気を遣いましょう。
髪型がだらしないと、セレモニー用の服である喪服とはちぐはぐな印象になり、目立ってしまいます。
頭頂部に髪の毛がツンツン立っている
いわゆる「アホ毛」です。日中、自然光の下ではこのアホ毛がかなり目立ちます。
髪型を整えた後、最後にヘアワックスなどで頭頂部をなでつけましょう。
髪をとかしていない
とくに髪の短い男性の中には「ふだん、髪をとかさない」という人もいます。
お仕事柄、とくにそれでも構わないというケースは確かにあります。
しかし、儀式の場ではきちんと髪をとかしましょう。
後れ毛が多い
髪を一つにまとめても、後れ毛が多いとだらしない印象になってしまいます。
髪をまとめるときは、後れ毛が出ないようしっかりまとめましょう。
髪をまとめた後、ヘアワックスなどで固めるのがおすすめです。
短い髪が落ちてきてしまう場合は、黒ピンで固定します。
枝毛で毛先がバサバサ
毛先に枝毛が多く、バサバサと広がってしまっているのも良い印象を与えません。
ヘアオイルやジェルで毛先を落ち着かせましょう。
葬式に出る際は髪型のマナーをトータルでクリアしよう
以上、葬式の髪色について解説しました。
どんな髪色であっても、綺麗に染まっていてきちんと手入れされていれば、さほど悪目立ちすることはありません。
一方で、黒髪であっても最低限の身だしなみができていないと、マナー違反と思われてしまいます。
クシを入れて髪型を整える、ワックスやジェルなどで髪の乱れを押さえる、長い髪はまとめるといった基本的なマナーを守り、儀式に臨みましょう。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。