家で葬儀という選択を躊躇させる家族の悩みについてアドバイス
更新:2022.06.28
家でお葬式を検討していくと、ある時に判断を躊躇させる悩みや迷いが生じることがあります。
体験者から聞くのが一番ですが、なかなか身近に体験者もいない。
そんな方へ自宅葬専門葬儀社の私が日頃体験していることからアドバイスをさせていただきます。
家で送ってあげたいという家族の気持ち
大切な家族のお葬式を考える時、内容や費用、場所など様々なことを考えていかなくてはいけません。
その中で自宅から送ってあげたいという気持ちがあなたに生まれているのなら、その気持ちはぜひ大切にしていただきたいと思います。
私がこれまでにお手伝いさせていただいたご家族様からはこのような声をいただきました。
「せっかく夫が頑張って建てた家だから、ここから送り出してあげたい」
「二人の思い出が詰まった場所だから、ここから送りたい」
「ずっと家に帰りたいと言っていたから、最後は自宅でゆっくり過ごしてもらいたい」
「家が好きな人なのに何年も帰ることができなかった、家に連れて帰ってあげたかった。」
「ここが一番母の好きな場所。自宅で葬儀をしてあげたい」
合理的な判断よりも気持ちを大事にしている
多くのご家族が葬儀について費用、内容、場所などを比較検討し、合理的に考えて自宅葬を選択したというよりも、本人のために家で葬儀を行いたいという気持ちを大事にしている印象を受けました。
お葬式の主役は誰なのか。
遺族なのか、参列者なのか、亡くなったご本人なのか。
ご本人が葬儀の主役であれば、ご本人が望む場所で葬儀を行う。
自宅葬を決断するご家族は、送る側の都合よりもご本人の気持ちを優先している場合が多いと感じます。
「本当は○○でやったほうが便利なのはわかっている、だけど父に喜んでもらいたいから」このようなお声もありました。
家で送ってあげたい気持ちを優先していいのか
合理的な判断よりも気持ちを大事にして自宅葬という選択を取る方も、それに至るまでの過程ではどうしても悩む部分、疑問点も見えてきます。
葬儀の主役であるご本人の気持ちを優先して自宅葬を行った場合、では送る側はどうなるの?という点です。
これからよくある疑問について、今の自宅葬がどのように行われているのかを自宅葬専門葬儀社の立場からお答えさせていただきます。
「親族だけで駐車場が10台は必要になると思う、自宅で葬儀は難しい?」
立地にもよりますが、これまでに駐車場で苦労した自宅葬は今のところありません。
例えば広島市中区のマンションで行った葬儀であれば、近くの100円パーキングを利用して対応しました。
広島市西区の戸建では、近所のご協力をいただき、親族の自家用車を一定期間停めさせていただく許可を得ることができました。
都市部以外の地域では、自宅近隣に駐車スペースを確保することはそれほど難しいことではありませんでした。
付近の交通の妨げにならないようにすること、周囲に迷惑をかけることなく駐車することを心がけています。
ご遺族から近所へご協力のお願いをする場合もありましたが、多くの場合、近所の方々から善意で「よかったら使ってください」とお声がけいただく場合も多くありました。
親族のみで行う家族葬であれば、自宅葬の駐車場問題は何らかの形で解決できるはずです。
「自宅スペースがどれくらい必要?15名くらいになるのだけど」
15名の自宅葬であれば、6畳×2部屋=12畳分あれば可能です。
例えばリビングが8畳だった場合、隣の和室4.5畳も合わせた空間を使用する、
和室が6畳だった場合、隣のリビング14畳の内、半分の空間を葬儀で使用するなどで対応します。
故人様をご安置するスペースが1畳、飾り付けなど花を置くスペースが1畳、お寺様が座るスペースが1畳、残りはご家族や親族の座るスペースとなります。
昔は白木祭壇を設置するだけでも3〜4畳使用して、故人様をご安置してお寺様が座ると、6畳スペースは全て埋まっていました。
現在は、家族葬が主流なので省スペースで行えるように飾りも生花飾りが中心となっています。
「自宅葬をするのに家具を動かさないといけない?見られたくないものもある」
これまでお手伝いさせていただいた自宅葬では、ご安置後に葬儀を行う部屋の家具を動かすお手伝いを弊社がさせていただくこともありました。
入院する前までは一人で住んでいたお宅、久しぶりに我が家に帰ることができた故人様。
葬儀の日取りを決める打ち合わせの前に、ご家族様と一緒に家の大掃除からスタートすることもありました。
それでも1時間もかかりません。
そして多くの場合は、ダイニングテーブル、ダイニングチェア、ソファなど大きな家具を隣の部屋に動かしてスペースを作る程度のため、10分弱で終わります。
家具を動かさないといけないと思った時は、事前に動かす必要はなく、お葬式が発生してからでも遅くありません。
見られたくないものがある場合は、その空間を葬儀社が幕を張って隠してくれますのでご安心ください。
「親族だけで家で送りたい、だけど近所の人がたくさん来られたらどうしよう」
葬儀が終わるまでは、近所の方々へ家族の死を伏せたい。
このような意向をお持ちであれば、自宅葬は困難なので葬儀会館をお勧めします。
そうではなくて、親族だけで葬儀をしたい。近所の方々には参列は遠慮してもらいたいということであれば自宅葬は出来ます。
私たちが日々行っている葬儀の全てが、自宅で行っている家族葬です。
ご家族の希望通り、親族のみで行われています。
家族が近所の方へ訃報を伝え、合わせて家族葬で行う旨を伝える場合もありますし、近所の方が家族へ「何かあったの?」と尋ねたことをキッカケに訃報を伝えることもあります。
いずれにしろ、ご安置から葬儀終了までの2〜3日間で葬儀の事実は、隣近所の数軒には伝わっていることが多く、遺族が自宅から家族葬で故人を送ることへ理解を示し、家族葬が無事に終えられるように見守っているご近所の方々が多くいらっしゃいました。
「余計なことはしないで見守る。だけど何かあったらすぐ言って、何でも協力するから。」
周囲の方々の理解が嬉しく、人の優しさを感じる場面は多々あります。
このように死の事実が伝わっても、家族葬で送りたいと伝えれば、周囲は理解を示して無理に参列することはありません。
近所の方々への対応は、2通りあります。
一つ目は、葬儀の時間以外に自宅にお参りに来ていただく方法です。
2〜3軒、近所の方がお参りに来られる程度で、時間としては数分です。
大変と感じるほどのことではありません。
2つ目は、出棺時間を伝えます。
葬儀には参列しないけれど、自宅を出棺する時刻に合わせて、霊柩車が出発する最後のお見送りだけ参加いただく形です。
葬儀会館で行う家族葬であれば、葬儀後に訃報を聞いて、最後のお別れもできなかったというケースは多いのですが、自宅で行う家族葬であれば、このように近所の方も顔を合わせて最後のお別れをすることも出来ます。
家で送ってあげたい気持ちを優先して大丈夫
冒頭に家から送ってあげたいという気持ちを優先して大丈夫なのか、参列者のことを考えると迷うご家族もいらっしゃると言いましたが、実際には自宅葬はこのように周囲からの理解はきちんと得られているのです。
家から送ってあげたい気持ちを優先しても大丈夫です。
葬儀社が手伝ってくれますし、これまで長年同じ地域で生活していた近所の皆様もきっと協力してくれるはずです。
葬儀社が助けてくれる
大手葬儀社や互助会系の葬儀社は、葬儀会館で行う葬儀を前提に現場を回しているため、分業体制を敷いていることも多くありますので、自宅葬を行う場合は、私たちのような自宅葬専門葬儀社もしくは地元の専門葬儀社がおすすめです。
自宅で送ってあげたいご家族の思いに応えるために色々な知恵を使ってアドバイスをしてくれるはずです。
ご家族が想定していなかったアドバイスもあるはずで、自宅葬では一番頼りになる存在です。
周囲は誰も迷惑だとは思っていない
家で送ってあげたいという気持ちを大事にしている家族に対して、迷惑だと考える方はいません。
近所の方々は「家族葬で行うから参列は控えてください」と言われたから参列を控えた部分もあるかもしれません。
しかし葬儀期間中に駐車場の件など、さまざまな面で地域の方々が協力してくださったのは、家から送り出したいという家族の気持ちに共感する部分があったからだと私は感じています。
家から送ってあげたい気持ちを大切に
ご家族の思いに葬儀社も近隣の方々もサポートしてくれます。
家から送ってあげたい気持ちを持っている場合、ぜひそのお気持ちを大切にしていただきたいなと思います。
下記の記事では自宅で家族葬を行う場合の注意点や自分で出来る事前準備を解説しています。
合わせてご覧いただければと思います。
広島県で自宅葬をお考えなら広島自宅葬儀社へ
広島県で自宅葬をご検討中のご家族様は、自宅葬専門葬儀社である広島自宅葬儀社へご相談ください。
広島市だけでなく、福山市、尾道市、三次市、庄原市、東広島市、大竹市など、広島県内であればどこでも同一料金で自宅葬のお手伝いをさせていただいています。
広島の葬儀業界で20年培った経験をご家族様のために全身全霊でお手伝いさせていただきます。
・自宅葬の専門性とノウハウ
・低価格な料金80,000円(税込88,000円)〜
・わかりやすい定額料金
・広島県内全域対応
詳しくは弊社のホームページをご覧ください。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。