天涯孤独の人が終活するには?死んだらどうする?8つのステップ

更新:2024.08.23

天涯孤独の人は、自分の葬儀やお墓についての希望を伝えられる人がいません。

では、終活はできないのかといえば、それは違います。実は、天涯孤独の人ほど終活が必要です。

家族に替わり、身元保証をする人や死後の事務を引き受けてくれる人を見つけておかなければなりません。

天涯孤独の人が終活する際、どう動けばよいかを解説します。

天涯孤独の人には終活が必要

終活とは、歳を重ねて身の周りのことができなくなったときや、亡くなってしまったときのために準備をすることです。

介護や葬儀、お墓、相続についての希望を身内に伝えたり、自分の死後に残された人が困らないよう身のまわりを整理したりします。

「死後、家族に迷惑をかけないように」との思いから終活をする人が多いため、天涯孤独な人は「自分には家族がいないから関係ない」と考えるかもしれません。

しかし、おひとりさまこそ終活が必要です。

天涯孤独な人が終活せずに介護状態になったり、認知症になったりすると、身の回りの世話をしてくれる人がいないため生活状態が悪化しがちです。

また終活せずに亡くなった場合、持ち家が所有者不明のまま空き家になったり、遺産が誰にも相続されないまま国庫に入ったりする可能性が高まります。

地域や専門家の手を借りることで、頼れる家族がいなくても、介護が始まってから終末期、そして死後の手続きを安心して第三者に任せられます。

いつ、誰に、何を任せるかを今のうちに決めておくと安心です。

天涯孤独の人の終活、8つのステップ

天涯孤独の人は、以下8つのステップで終活を行うのがおすすめです。

1.エンディングノートを入手する

まずは自分にどんな終活が必要なのかを知ることから始めましょう。

介護、葬儀、お墓、相続などに関する自分の希望を書き留めておくエンディングノートには、終活ですべきことが網羅されています。

エンディングノートを入手し、どんな項目があるか確認するだけでも、今後必要になることを網羅できます。

エンディングノートの選び方については、以下の記事を参考にしてください。

2.足腰の元気なうちに生前整理を始める

生前整理のイメージ

生前整理とは、亡くなったとき家の中を整理する人が困らないよう、自分の身の周りを整理しておくことです。

不用な家具を処分するときなど重いものを持ち運ぶことが多いため、生前整理は元気なうちから始めるのがおすすめです。

生前整理は「今後必要になるものだけを残す」という視点から、不用品と必要なものを仕分けます。

仕分けるうちに出てくる通帳や契約書などの重要書類は、後で相続について考えるときに必要になるため、まとめておきましょう。

タンスや机など大きな不用品の処分は、自治体が行っている粗大ゴミの集荷サービスを利用すると便利です。

部屋がスッキリと片付けば、ものにつまずいて転ぶリスクが減少します。

天涯孤独の人にとって、転倒による骨折などで一人暮らしが困難な状況になるのは避けたいものです。

ものが少なくなったら、暮らしやすいようにレイアウト変更するのがおすすめです。

3.地域包括支援センターで見守りについて知る

地域包括支援センターとは、介護が始まる前から生活上の不安などについて相談できる施設です。

保健師や社会福祉士といった福祉の専門家が配置されており、相談内容に沿った福祉サービスなどを提案してくれます。

地域包括支援センターの役割は、高齢化による地域課題の解決です。

天涯孤独である自分が、今後どうなるか不安を抱えながら生活していると知らせることは、センターにとっても重要な意味を持ちます。

まずは訪問してみるのがおすすめです。

センターに訪問したら、見守りサービスについて尋ねましょう。

新聞や弁当配達の際に異常がないかチェックしてくれる、異常を察知するセンサーを貸し出してくれるなど、地域によってさまざまな見守りサービスがあります。

4.任意後見制度について知る

任意後見制度とは、本人の判断能力が不十分になったときに、あらかじめ決めておいた後見人が財産管理や医療・監護などのサポートをする制度です。

天涯孤独の人は、認知症になったとき面倒を見てくれる家族がいません。

誰の助けも得られないまま高額な買い物をしてしまってお金がなくなったり、適切な介護サービスが選べず家の中が荒れたりする恐れがあります。

法律の専門家などを後見人に設定して任意後見契約を結んでおくと、判断能力が低下しても安心して過ごせるでしょう。

参考:任意後見制度とは(厚生労働省)

5.施設への入居を想定し、身元保証人を誰にするか決めておく

天涯孤独の人でも老人福祉施設へ入居することができますが、多くの場合、身元保証人が必要になります。

身元保証人は、入居費用の支払いを管理したり、本人の判断能力が低下したとき代わりに意思決定を行ったりします。

また、入院・手術時の対応や、亡くなったときに身元を引き受けるのも身元保証人の役割です。

親族でなくても身元保証人になれるため、天涯孤独であれば信頼できる友人や知人に依頼するのも1つの手です。

ただかなり荷の重い仕事となるため、身元保証をサービスとして行っている専門家や、地域の社会福祉協議会への依頼も検討してみましょう。

なお、身元保証人を立てる必要がない施設も存在します。

施設として身元保証サービスを利用しているため、保証人がいらないのです。入居費用は、そのぶん割高になります。

6.急な入院や手術を想定し、身元引受人を誰にするか決めておく

入院や手術の際には、亡くなったときに遺体を引き取る身元引受人が必要です。

身元引受人には、友人や知人を指定することも可能です。

信頼できる人がいるなら、いざというときの身元引受人になってもらえないか相談してみるのもいいでしょう。

友人や知人に頼むのは気が引けるという人は、民間や社会福祉協議会の身元保証サービスの利用を検討しましょう。

7.葬儀やお墓、相続など死後の手続きをしてくれる人を決めておく

天涯孤独の人には、自分の死後、葬儀やお墓、相続などの死後手続きをおこなってくれる親族がいません。

これら死後の手続きについても、専門家などとあらかじめ契約を結んでおくのがおすすめです。

死後の手続きを一任する人と契約を結ぶことを「死後事務委任契約」といいます。

死後事務委任契約を結べば、契約者の死後、契約内容に従って葬儀やお墓、相続などの手続きが行われます。

ただし契約のボリュームが大きくなるほどお金がかかりますし、葬儀やお墓の内容によっては高額になります。

あくまで予算に合わせた契約にしましょう。

最近では、先ほど紹介した見守りサービスや任意後見契約、身元保証、そしてこの死後事務委任契約をワンストップで行い、介護が始まる前から死後までサポートする専門家が多数出てきています。

8.遺言書を作成する

亡くなった人の財産は、遺言書がない場合、法定相続人に引き継がれます。

法定相続人の範囲は、配偶者、子や孫などの直系卑属、親や祖父母などの直系尊属、兄弟姉妹までです。

つまり天涯孤独の人には法定相続人がいません。

遺言書がない場合、天涯孤独の人の遺産は国庫に入ることになります。

もし誰かに遺産を渡したい、寄付したいと考えるのであれば、遺言書を作成しましょう。

死後事務委任契約を結んでおけば、サービス主体が遺言執行者になってくれます。

また、友人や知人を遺言執行者に指定することも可能です。

ただしとても責任の重い仕事なので、友人や知人に任せるのは困難かもしれません。

友人や知人に遺言の執行を依頼するのであれば、遺産から相応の報酬を渡すことを約束するのがいいでしょう(条件付き遺贈)。

その件も、遺言書に書き加えておきましょう。

自分自身が困らないよう、しっかりと終活を

天涯孤独の人こそ、終活しなければ年老いた後で路頭に迷ってしまう可能性があります。

民間サービスと契約を結んだり、地域包括支援センターの情報に頼ったりしながら、上手に老後を迎えましょう。

備えておけば、いつまでも安心して暮らせます。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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