仏壇を自分で処分する方法は?費用やメリット、デメリットを解説
更新:2024.04.10
仏壇は自分で処分できることをご存じでしょうか。
自治体のゴミ分別方法に従って処分すれば、それほどお金がかかりません。
ただし、体力が必要だったり、解体しているときや運んでいるときに思わぬケガをしてしまったりすることもあります。
仏壇を自分で処分する方法や費用、メリット、デメリットについて解説します。
仏壇の処分方法は大きく分けて2つ
仏壇の処分方法は、大きく分けて「自分で自治体のゴミ分別方法に従って処分する」
「事業者に引き取りの依頼をする」の2つがあります。
まずは、それぞれの方法や違いを説明しましょう。
自分で自治体のゴミ分別方法に従って処分する
仏壇は、仏具を取り外せば、そのまま粗大ゴミとして処分することができます。
回収の取り決めは自治体によって違いますが、多くの場合、玄関先まで引き取りに来てもらうことも、ゴミ処理場に持ち込むことも可能です。
また、分解すれば粗大ゴミではなく他のゴミとして処分できる場合もあります。
燃やせるゴミの条件は、自治体にもよりますがおおよそ長さ30センチ程度までです。
木材でできた仏壇を分解し、30センチ以下に切断できれば、燃やせるゴミとして処分できます。
事業者に引き取りの依頼をする
不用品回収事業者や遺品整理事業者が、仏壇の引き取りを行っています。
また、新たに仏壇を購入する場合、購入先の仏壇仏具店に相談すれば、引き取ってもらえる確率は高いでしょう。
仏壇を購入したお店を覚えているなら、そこへ相談してみます。
いずれも有料となります。
仏壇を自分で処分するメリット
仏壇を自分で処分するメリットは、以下の2つです。
費用が安い
粗大ゴミに出す場合、数百円から1,000円程度の費用で済みます。
一方、事業者に引き取りを依頼すると、数万円ほどの出費になります。
費用がいくらになるかは、仏壇の大きさによって違います。
大きければ大きいほど、事業者に依頼する場合は何万円もの出費となるでしょう。
魂抜きをしてもらわなくてもよい
仏壇や位牌、お墓など、お参りの対象を処分するときは「魂抜き」を行うのが一般的です。
魂抜きとは、お参りの対象をただの「モノ」にして処分できるようにする儀式のことで、僧侶が読経することによって行われます。
事業者に引き取りの依頼をすると「魂抜きをしてほしい」と言われることが多いでしょう。
一方、自分で処分するなら、魂抜きにこだわらない人は儀式を省略しても構いません。
前項の「費用が安い」にもつながる話ですが、魂抜きのお布施の相場は3万円程度なので、魂抜きをしなければ費用負担が軽くなります。
仏壇を自分で処分するデメリット
仏壇を自分で処分するデメリットは、以下の2つです。
体力や根気が必要
自治体に仏壇を粗大ゴミとして引き取ってもらう場合、指定された期日に玄関先まで仏壇を運んでおかなければなりません。
180センチを超えるような大型仏壇の場合、一人で運ぶのはあまり現実的な選択ではありません。
無理をするとケガに繋がる恐れがあります。
また、粗大ゴミではなく一般ゴミとして仏壇を処分しようと解体する場合、大きな木材を切断する力と根気が必要です。
たくさんの部品をゴミの分別に従って分けるのも根気がいります。
世間体が悪いように感じてしまう人がいる
祈りの対象である仏壇をゴミに出すなどと言うと、「そんなこと、可能なの?」とびっくりしたり、「バチが当たるのではないか」と感じたりする人もいます。
まして、魂抜きをせずに仏壇を処分するとなると、ますます顔をしかめてしまう人は高齢層に多いでしょう。
仏壇を自分で処分するのがおすすめの人
以上のメリットとデメリットを考え合わせると、仏壇を自分で処分するのがおすすめなのは、以下のような人です。
処分費用をなるべく抑えたい人
事業者に依頼すると数万円、自分で処分すると数百円から1,000円というのは、業者に依頼するのと比べて費用感にかなりの開きがあります。
労力をかけてでも、仏壇の処分費用を抑えたい人には、自力での処分が向いています。
小さい仏壇を持っている人
小さい仏壇であれば持ち運びが容易で、処分費用も安く上がります。
分解するにせよ、そこまで労力を使わずに済むでしょう。
大きい仏壇だが、他の人の力が借りられる人
大きい仏壇を持っている人は、自分の他に1~3人、運び出しの際に手伝ってくれる人が必要です。
できれば力のある、男性や若い人が理想的です。
仏壇をゴミに出すことに抵抗のない人
「仏壇はゴミに出せる」と聞いて、なんとなく丁寧ではない印象を持ってしまう人には、向かないかもしれません。
一方で、「安く処分ができるのだ」とホッとした人には、向いているといえます。
仏壇を自分で処分するときの流れ
仏壇を自分で処分するときは、以下の流れに沿って行いましょう。
パターン別に説明します。なお、流れの詳細は自治体により違う場合があります。
【パターン1】粗大ゴミ回収をしてもらう場合
1.自治体に問い合わせ、回収日と費用を把握する
粗大ゴミ回収依頼は、自治体指定の事業者に問い合わせて詳細を聞くのが一般的です。
電話等で問い合わせると、「指定日に玄関先へ出しておいてください」と言われ、料金を教えてもらえます。
仏壇の大きさにより料金が違う場合が多いため、事前に高さや幅、奥行きを計っておきましょう。
2.ゴミ処理券を購入する
ゴミ処理券を取り扱っているコンビニエンスストアやスーパーで、指定された料金分の券を購入します。
違う自治体の券を購入してしまわないよう注意が必要です。
必ず「●●市の粗大ゴミ用ゴミ処理券はありますか」と、自治体名を入れて尋ねましょう。
3.仏壇の中を空にする
粗大ゴミ回収では、仏壇の中の細かな仏具などは持っていってもらえません。
仏壇本体だけの状態にしておきます。
仏具は、それぞれ自治体の定めに従って処分します。
4.仏壇にゴミ処理券を貼り指定日に玄関先へ出す
指定日の朝、仏壇の目立つところにゴミ処理券を貼った上で玄関先へ出しましょう。
前日の夜には出しておけません。
マナー、ルールを守りましょう。
【パターン2】粗大ゴミとしてゴミ処理場へ持ち込む場合
1.自治体に問い合わせ、予約が必要なら予約する
ゴミ処理場に持ち込む場合、開場時間内であればいつでも持ち込めるケースと、持ち込み予約をしなければならないケースがあります。
まずは問い合わせるか、自治体のホームページなどの記載に従いましょう。
2.仏壇の中を空にする
仏壇を空にしておきます。
中にあった仏具なども一緒にゴミ処理場へ持ち込める場合がありますが、持ち込めない場合はそれぞれ分類に従って処分しましょう。
3.軽トラックなどに積み込み、ゴミ処理場へ
自分の車に仏壇を積み込んで、ゴミ処理場へ向かいます。
4.持ち込んだら現地で料金を支払う
ゴミの種類ではなくキロ単位で引き取り料金の設定をしている自治体が多いでしょう。
小銭を用意しておくと便利です。
【パターン3】一般ゴミとして処分する場合
1.仏壇の構造をよく見て必要な道具を準備する
仏壇は木材が組まれていたり、ネジや釘で留まっていたりと複雑な構造をしています。
また、木材の厚みによっても必要な道具が違います。電動ノコギリがあると安心です。
仏壇を観察したうえで「自分には解体できない」と不安な場合は、無理をせず粗大ゴミに出すことを検討しましょう。
2.屋外で、あるいは自宅内で古い毛布などを敷いて解体する
屋外のガレージなどで作業をするのが理想的ですが、屋内で行わなければならない場合は、古い毛布などを仏壇の下に敷いて作業しましょう。
傷から床を守ってくれますし、吸音効果も期待できます。
3.分別してゴミに出す
自治体が定める分別方法により、指定された袋などに分けて、指定日にゴミ置き場へ持っていきます。
魂抜きをする場合は僧侶に相談を
魂抜きは、仏壇を祈りの対象からただの「モノ」にする儀式です。
魂抜きをする場合は、仏壇を動かす前に僧侶から魂抜きのためのお経をあげてもらう必要があります。
処分する日が決まったら、それまでに魂抜きを済ませましょう。
魂抜きについては菩提寺に相談するか、菩提寺がない場合は近い親戚に紹介してもらうのが理想的です。
ツテがなければインターネットを活用するのもいいでしょう。
仏壇を自分で処分するときは、どうしても力仕事が不可欠になります。
安全な作業を心掛け、自分にはできないと感じたら無理をしないようにしましょう。
もしケガをしてしまうと、年長の親族などから「不謹慎なことをするからだ」と言われてしまうかもしれません。
自分の名誉と先祖のためにも、安全第一を心掛けましょう。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。