葬儀に参列できない場合の香典の渡し方、マナーをわかりやすく解説

更新:2025.03.27

やむを得ず葬儀に参列できないときは、後日香典を渡すことで弔意を伝えることができます。

香典を直接渡すことができないなら、現金書留で郵送するという手もあります。

香典の渡し方、送り方にはマナーがあるため、事前によく理解しておくのがおすすめです。

儀に参列できない場合の香典の渡し方やマナーについて解説します。

まずは香典を受け付けているか確認

最近は親族を中心とした小規模な家族葬が増えたこともあり、香典を辞退するケースがみられます。

香典を辞退している遺族に、香典を渡すのはマナー違反です。

まずは、葬儀の案内などを確認して「香典の儀はご遠慮ください」

「香典の儀は辞退いたします」といった文言がないか、確認しましょう。

香典を渡すのは、基本的には49日まで

香典はなるべく早めに渡すのがマナーです。

亡くなってすぐに訃報を受けていたなら、遅くとも亡くなって49日目までに香典を渡すのが良いとされています。

多くの遺族は、四十九日法要までにいただいた香典に対し、まとめて香典返しの準備をするからです。

もっとも、49日を過ぎてから訃報を知る場合もあるでしょう。

その場合は、49日にこだわらず、なるべく早めに香典を渡せばそれで良いとされています。

49日を過ぎたら香典を受け付けないわけではありません。

香典を「直接渡す」か「現金書留で送る」か決める

なるべく早く香典を遺族の手元に届けるとして、直接渡すことが可能か、もしくは現金書留を手配した方が良いかを考えましょう。

「手渡し」がおすすめの人、「現金書留」がおすすめの人は、それぞれ以下の通りです。

〈香典を直接渡すのがおすすめの人〉

・遺族が同じ職場で働いているなどで、毎日顔を合わせる人

・遺族宅が近く、訪問が過度な負担にならない人

・血縁が濃いにもかかわらず、葬儀を欠席してしまった人

・故人の遺影に手を合わせたい人

・遺族に直接会ってなぐさめたい人

〈香典を現金書留で送るのがおすすめの人〉

・遺族宅が遠方の人

・故人とは親しかったが遺族とは面識がないなど、弔問が双方の負担になりそうな人

・入院中などの都合によりしばらく弔問できない人

香典の表書きは「御霊前」あるいは「御仏前」「御香典」

香典を直接渡す場合でも、現金書留で送る場合でも、香典の表書きのマナーは同じです。

表書きとは、香典袋の上部中央に書く言葉のことをいい、宗派によって書く言葉が違います。

49日目までの香典には、浄土真宗以外であれば「御霊前」と書きます。

浄土真宗であれば「御仏前」です。

どんな宗派かが分からないなら、「御香典」と書きましょう。

「御霊前」とは、「故人の霊の前にお供えする」という意味です。

日本の仏教では、浄土真宗以外の宗派は「亡くなってから49日目までは、故人は霊となってあの世とこの世をさまよっている」とされます。

よって「霊」を使うのです。

「御仏前」とは、「仏様の前にお供えする」という意味です。

浄土真宗では、故人の魂は霊となってさまようことなく、すぐに成仏するとされます。

よって「仏」を使います。

なお、浄土真宗以外の宗派では、49日を過ぎて初めて「霊」は「仏」になるとされるため、四十九日法要以後、香典の表書きは「御仏前」に切り替わります。

香典を直接渡すときのマナー6つ

香典を直接渡すと決めたら、以下の6つのマナーに気をつけましょう。

1 遺族へ事前に連絡して弔問日を決める

職場や学校で香典を手渡しするのではなく、遺族宅へ弔問する場合は、必ず事前に連絡して弔問の日時を決めましょう。

2 服装は地味な色のスーツやワンピースとする

弔問に伺うときは、男性は地味な色味のスーツ、女性はワンピースやスーツとしましょう。

喪服を着る必要はありませんが、ジーンズなどの普段着は良くありません。

「改まった場に出かける服」を意識しつつ、華やかな明るい色味の服を選ばないよう気をつけます。

3 香典、袱紗、数珠を用意する

持ち物は香典、香典を入れる袱紗、数珠です。

仏式葬儀でなかったことが分かっている場合は、数珠は必要ありません。

4 遺族宅ではお悔やみと葬儀に参列できなかったことを詫びる

遺族宅に到着したら、まずは「このたびはお悔やみ申し上げます」と述べ、その後に「葬儀に参列できず、申し訳ありませんでした」とお詫びしましょう。

5 故人に手を合わせ「御霊前にお供えください」と香典を渡す

家に通されたら「まずはお参りさせてください」と言い、故人の遺骨や遺影が飾られている祭壇へ案内してもらいましょう。

座布団の前で一度お辞儀をしてから、座布団へ座ります。

お線香が用意されている場合は、1本に火を灯し、香炉に立てて手を合わせます。

このとき、数珠を左手にかけて祈りましょう。

縦長で箱型の香炉がある場合は、そこへ線香を横に寝かせます。

お参りが済んだら、故人の遺影に一礼して遺族の方を向きます。

「こちら、御霊前(御仏前)へお供えください」と、袱紗から香典を出しましょう。

多くの場合、自分で祭壇へ供えるよう遺族から促されるため、香炉が置いてある台に黒いお盆が置いてあればその上へ、なければ香炉の台か祭壇上の空いているところへお供えします。

6 遺族宅では長居しない

遺族が友人である場合など、話が尽きない場合もあるかもしれません。

しかし、弔問は手短に済ませるのがマナーです。

30分から、長くても1時間程度で切り上げましょう。

香典を現金書留で送るときのマナー2つ

現金書留で香典を送る

香典を送るときのマナーは、以下の2つです。

1 必ず現金書留で送る

現金をそのまま郵送したり、宅配便を使って送ったりすることは禁じられています。

必ず、郵便局の現金書留で送りましょう。現金書留の封筒は、郵便局で売られています。

香典を郵便局に持参し、現金書留用の封筒を購入して、必要事項を書き入れた上で窓口へ出しましょう。

封筒には押印する箇所があるため、三文判を持参します。

ハンコを忘れた場合、署名でも可能です。

2 お悔やみの手紙を添える

現金書留の封筒には、香典だけでなくお悔やみの手紙を入れるのがマナーです。

お悔やみの手紙は、2枚以上になると「不幸が重なる」ことを連想させるため、1枚にとどめましょう。

お悔やみの言葉を述べた上で葬儀に参列できなかったことを詫び、遺族をいたわる気持ちを示して簡潔に弔意を表します。

お悔やみの手紙は、薄墨の毛筆や筆ペンで書くのが正式なマナーとされますが、使い慣れない場合は万年筆やボールペンでも構いません。

心を込めて、ゆっくり丁寧に手書きするのが大事です。

お悔やみの手紙の文例

最後に、お悔やみの手紙の文例をご紹介します。

あまり長くなりすぎず、短くまとめるのがマナーを守るコツです。

自分にとって、故人と近しくしていたときと、故人ではなく遺族とお付き合いしているときとでは、文面が少し違います。

それぞれ紹介します。

【故人と近しくしていたとき】

○○様のご逝去の報に接し、大変驚いております。

昨年、ゴルフでご一緒したときはお元気だったのにと思うと、言葉もありません。

ご家族の皆様のご心痛はいかばかりでしょう。

本来であればご葬儀に伺うべきところでしたが、遠方につき叶わず、誠に申し訳ありません。

心ばかりのものを同封いたしましたので、どうかご霊前にお供えください。

○○様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

【遺族とお付き合いしているとき】

ご尊父様(ご母堂様)のご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。

事情により、ご葬儀への参列が叶わなかったことをお許しください。

ご家族の皆様の悲しみはいかばかりかと、お察し申し上げます。

どうか体調を崩されませんよう、くれぐれもご自愛ください。

本来であれば、すぐにでも伺ってお悔やみを申し上げたいところですが、まずは書中にてお悔やみを申し上げます。

なお、心ばかりのものを同封いたしました。ご霊前にお供えくださいますよう、どうぞよろしくお願いします。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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