お墓参りの服装はどうする?男女別、季節別に解説

更新:2022.07.11

お盆やお彼岸、故人の命日などといった節目には、お墓参りがつきものです。

お墓参りをするときの服装には、いくつかのマナーがあります。

男女別、季節別に、お墓参りをする際の服装マナーについて解説します。

前提として、法要時のお墓参りなら服装は法要に準じる

お墓参りの服装について解説する前に、重要な前提をお話ししておきましょう。

ここで解説しているのは、法要の最後に訪れるようなお墓参りではなく、お墓参りだけを行うときの服装についてです。

法要の最後にお墓参りをするのであれば、その服装は「お墓参りに適した服装」ではなく、「法要に適した服装」でなければなりません。

その法要にどんな服装が適しているのかは、施主の方針によります。

一般的には、三回忌までは葬儀のときに着るような喪服を着用します。

七回忌からは平服とするケースが多いですが、「平服では逆に、服を選ぶのが面倒でしょう。みんな喪服でおいでください」と案内する施主もいます。

施主に従いましょう。

この記事は、お墓参りのみを目的としているときの服装について解説していることを、まずはご確認ください。

お墓参りの服装は「地味め」が最重要ポイント

お墓参りは、故人を偲び、安らかな眠りをと祈るための行為です。

この目的から考えると、男女や季節を問わず、真っ先に押さえなければならない服装のポイントがあります。

それは、派手な色味やデザインを控えることです。

お墓参りの服装は、黒やグレー、紺、ブラウンといった地味めな色を基本としましょう。

パステル系であっても、くすんだピンクや藤色、水色といった落ち着いた色合いならOKです。

かわいらしいピンクやショッキングピンク、赤・黄・青・緑といった原色系は避けるのが無難です。

また、地味な色味であっても、華やかなデザインはお墓参りにふさわしくありません。

フリルやレース、スタッズといった装飾は最小限に抑え、きらびやかなアクセサリーも控えましょう。

季節別、お墓参りにおける女性の服装

女性がお墓参りの服装を考えるときには、「動きやすいかどうか」「暑さや寒さをしのげるか」をポイントにしてください。

ただ、動きやすいからといって、カジュアルすぎる服装はふさわしくありません。

季節別の服装を、具体的に解説します。

夏のお墓参りにおける女性の服装

夏のお墓参りはとても暑いですが、大胆な肌見せはしないよう注意しましょう。

地味な色味であっても、過度に胸元の開いた服やミニスカート、膝丈よりも短いショートパンツはお墓参りにふさわしくありません。

草の茂った夏の墓地で、虫に刺される原因にもなってしまいます。

長め丈のワンピースを着用するか、ブラウスや上品なTシャツに、パンツか長めのスカートを合わせるのがベストです。

また、気をつけたいのが足まわりです。

サンダルやミュールは過度に肌を見せることになり、墓地の石段では動きづらく危険です。

ヒールの低いパンプスやローファーなど歩きやすいものを選びましょう。

冬のお墓参りにおける女性の服装

寒さがしのげるようコートが必要になりますが、人工のものであってもファーは避けましょう。

殺生を連想させるアイテムだからです。

足元はブーツでもマナー違反ではありませんが、あまりにヒールの高いものは歩きづらいので控えます。

手持ちの中で一番地味な色味のコートを選び、ファーがついていたら外しましょう。

コートの下は、色味とデザインにさえ気をつければ、暖かさ優先で選んで結構です。

春秋のお墓参りにおける女性の服装

地味めのブラウスやシャツに長め丈のスカートやパンツを合わせるか、ワンピースを選びましょう。

寒暖差対応のため、ジャケットかカーディガンを持ちます。

足元はローヒールのパンプスやローファーがベストです。

季節別、お墓参りにおける男性の服装

お墓参り

男性がお墓参りの服装を考えるときには、カジュアルすぎる格好にならないよう注意が必要です。

お墓参りのときには清掃や草むしりが必要な場合があるので、動きやすさを優先させがちですが、ともすれば部屋着のような格好になってしまいます。

故人への敬意を失わない服装を心がけましょう。

夏のお墓参りにおける男性の服装

半袖で無地のワイシャツにスラックスかチノパン、足元は革靴がおすすめです。

ノースリーブや下着のようなTシャツ、ショートパンツは避けましょう。

冬のお墓参りにおける男性の服装

コートにファーがついていたら、殺生を連想させるアイテムのため外しましょう。

コートの下はニットなど、暖かさを重視して選びます。ただ、スウェットはやめておきましょう。

春秋のお墓参りにおける男性の服装

無地のワイシャツにスラックスかチノパンを合わせ、足元は革靴にします。

寒暖差対応のためジャケットかカーディガンを持ちましょう。

子どもは基本的に制服がベスト

子どものお墓参りの服装は、大人と同様、地味めの色やデザインであればOKです。

制服があれば、制服を着せるのがベストです。

ときには臨機応変に想いを反映させてもいい

「亡くなった両親に晴れ姿を見せたいから」と、成人式の後に振り袖姿でお墓参りに出かけるなど、ときには自分の想いを優先させた格好を選んでも構いません。

大事なのは、故人のために祈る気持ちです。

ただし、下駄や高いヒールの靴を履くときは、足元に十分注意を。

お墓参りの服装は、お墓の状況も想定して柔軟に対応しよう

以上、お墓参りの服装について解説しました。

基本的には上記の通りですが、とくにお墓がかなり丘を登ったところにあるといった場合には、スニーカーを携行したほうがいいでしょう。

カジュアルすぎず、動きにくくもない服装を選ぶのは少し難しいと感じるかもしれません。

不安な場合は、一緒にお墓参りへ行く年長者に相談してみましょう。

なお、お墓参りにおいては服装だけでなく、持ち物にも注意が必要です。

お墓参りの持ち物については、下記の記事で紹介しています。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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