葬儀の髪型はどうするのがいい?男性、女性、髪の長さ別に解説
更新:2022.04.21
葬儀の髪型には、マナーがあります。
しかし、急に訪れる葬儀の場で「日常とは違うヘアスタイルをするように」と言われても困ってしまうものです。
この記事では、慌ただしい葬儀前でも簡単に実践できる、マナーに沿った髪型について解説します。
男女別、髪の長さ別にご案内していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
葬儀の髪型の基本マナーは4つ
葬儀の髪型について、まずは基本マナーを押さえておきましょう。男性、女性を問わず、次の4点を意識してください。
眉にかかる長さの前髪は分けてワックス等で固める
前髪がバラバラだとラフな印象になってしまいます。
男性も、女性も、長めの前髪は自然な分け目で分けた後にワックスやジェル、ヘアスプレーで固めておきましょう。
前髪に長さがない場合も、髪に過度な動きが出ないよう適量の整髪料で押さえておくのがベストです。
タイトにまとめる
コームで髪を逆立てたりヘアカーラーで巻いたりして頭頂部の髪をボリュームアップさせる、いわゆる「盛り髪」は葬儀の場にふさわしくありません。
髪型全体の印象をタイトにするよう心がけます。
頭頂部の切れ毛を固める
お辞儀をする機会が多いため、頭頂部に切れ毛(いわゆる「アホ毛」)が多いと目立ってしまいます。前髪を固めたワックスやジェル、ヘアスプレーを使い、頭頂部の切れ毛を押さえつけましょう。
髪留めや髪ゴムは黒一色
ヘアアクセサリーは極力使わず、髪をまとめる目的でのみ、髪留めや髪ゴムを使用します。その際、装飾がついていない黒一色の髪留めや髪ゴムを選びましょう。
男性の葬儀の髪型
短髪の人はラフさが出ないよう、前髪や頭頂部、毛先に適量の整髪料を使って押さえつけるのがポイントです。
長髪の人はオールバックにして黒いゴムでまとめましょう。
ふだんは整髪料を使っていない人も、葬儀の場ではヘアワックスやジェル、ヘアスプレーを使い、髪型を整えるのがマナーです。
コンビニやドラッグストアで売られている小さなサイズのヘアワックスが、安価で持ち運びにも便利です。
ただしワックスやジェルは、たっぷりつけるとテカテカして清潔感が失われます。
ワックスやジェルを指先にとったら、両手をこすり合わせるようにして手のひら全体にのばし、毛先に揉み込むようにつけると薄く均等につけられます。
最後に頭頂部を手のひらで押さえて、切れ毛が目立たないようにします。
髪がなかなかまとまらない人にはヘアスプレーも有効です。
ただし大事な喪服にスプレーがつかないよう、整髪は着替えの前に行ってください。
和装の遺族女性はヘアセットのプロを呼ぶのが理想
どのような長さの髪であっても、自力で和装に合う髪型をつくるのは難しいことです。
とくに女性が和装の喪服を着る場合は、なるべくヘアセットをプロに依頼するのがおすすめです。
和装ということは、喪主やその子どもなど、遺族側の女性ということでしょう。
多くの人に挨拶する立場ですから、服装同様、ヘアスタイルも儀式の主役にふさわしく格上げした方がよいからです。
もちろん、普段からきちんとしたヘアスタイルをつくることに手慣れている人や、親族にヘアセットが得意な人がいるといった環境なら、無理にプロを呼ぶ必要はありません。
その際は、以下にご紹介する髪の長さ別ヘアスタイルを参考にしてください。
ショートヘアの女性における葬儀の髪型
ショートヘアの女性は、ピンやゴムなどの髪飾りを使いません。
そのかわり、普段よりも「毛流れ」と「毛先」を丁寧に仕上げることを心がけましょう。
「毛流れ」についてはブローをしっかり行い、後ろ姿にも気を配ります。
後ろ髪のブローに自信のない人は、もし家族や親族、友人がそばにいる環境なら、手伝ってもらうのがベストです。
「毛先」については、普段整髪料を使わない人もぜひジェルやワックスを使い、前髪やサイド、後ろ髪の毛先を整えましょう。
このときサイドの髪が耳にかかる長さなら、軽く耳にかけるようにします。
葬儀の場では、耳を出した方がきちんと感が出ます。ピンなどを使って無理に耳を出す必要はありません。
セミロングヘアの女性における葬儀の髪型
ボブ、ミディアム、セミロングなどの髪型の人は、黒い髪ゴムでまとめられるくらいの長さであれば、1つにまとめるのがマナーです。
髪ゴムでまとめるとサイドの髪がパラパラと出てしまうようであれば、あえてまとめないか、上の画像のようにまとめる髪とまとめない髪をきっちり分けましょう。
髪をまとめる場合はなるべく下の位置で結び、とくに後れ毛が出ないよう気をつけます。
ジェルやワックスでしっかり固めましょう。
まとめ髪用のスティックワックスも便利です。ピンを使う場合は黒を選び、最小限の本数となるよう注意します。
髪をまとめない場合は、ショートヘアの人と同様、「毛流れ」と「毛先」に気を遣って仕上げます。
耳は出しましょう。
ロングヘアの女性における葬儀の髪型
ロングヘアの人は、必ず髪を髪留めや髪ゴムで1つにまとめます。
注意したいのは、まとめる高さです。葬儀の場では、耳の中央より高い位置で髪をまとめるのは避けましょう。
耳の中央より低い位置で黒いゴムを使い、髪を結びます。
毛先がはねたり、傷んだりしている場合は、シンプルに1つ結びにするよりもお団子ヘアにするのがおすすめです。
難しい場合は、お団子ヘア用のヘアネットやシニョンを使うと簡単にまとまって便利です。
ヘアネットやシニョンは、黒一色で装飾のないものを選びましょう。
髪型だけでなく、メイクについても知りたい方は下記の記事をご覧ください。
葬儀の髪型キープには折りたたみのコームを持って行くと重宝する
以上、葬儀の髪型について解説しました。
髪型だけでなく、メイクについても知りたい方は下記の記事をご覧ください。
参列する際は、普段よりもラフさを押さえたヘアスタイルで、儀式にふさわしい装いとしましょう。
葬儀場に到着したら、化粧室などで髪型を確認し、乱れを直すのもマナーの1つです。
そのために、折りたたみのコームなど携帯できるクシを持参しましょう。
お葬式のマナーについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。