終活年賀状で年賀状じまいを!5つの注意点や文例をご案内

更新:2022.07.01

人付き合いのあり方や交流方法が多様化するなか、「来年からは年賀状を送るのをやめたい」と考えた時に、終活年賀状を出して先方へ伝える方法があります。

しかし相手へ失礼に当たらないよう気を付けなければならない点もいくつかあります。

終活年賀状において「これからも変わらぬお付き合いを」と伝えるための工夫や注意点、例文について解説します。

終活年賀状とは、「来年から年賀状は送りません」と宣言する最後の年賀状

「終活年賀状」は、近年広まった新しい言葉なので、耳慣れないと感じる人も多いでしょう。

人生の終わりに向けてさまざまな準備をする「終活」と年賀状を組み合わせた言葉で、最後に出す年賀状を意味します。

「来年から年賀状は送りません」と宣言する年賀状です。

「来年から年賀状は送りません」と宣言することを、「年賀状じまい」ともいいます。

年賀状の形で送らなければならないわけではなく、寒中見舞いや暑中見舞いで先方へ通知する形でもかまいません。

ただ、年賀状を出していた人全員に通知することを考えると、終活年賀状を作成するのが、一番効率が良いといえるでしょう。

なぜ終活年賀状が注目されている?

終活年賀状が注目されている主な理由は、以下の4つです。

ハガキ以外で新年の挨拶をする人が増えた

1つめが、メールやSNSなどインターネット上の手段で「あけましておめでとう」を送り合う文化が発展してきたことです。

この傾向はプライベートでも仕事の場でも変わりません。

仕事の場であれば年賀状の画像をメールに添付して送ったり、プライベートであればSNSの新年用スタンプを利用したり。宛名を書く必要がないので、手軽で便利ですし、郵送料もかかりません。

高齢化が進み、年賀状を出す体力・気力がない人が増えた

年賀状を作って投函するまでには、さまざまな作業が発生します。

デザインを決めて年賀状を購入し、一人ひとりにあてた添え書きをし、裏面には宛名と自分の住所氏名を書かなければなりません。

この一連の作業がつらいという高齢者が増えているのです。

人間関係の整理に役立つ

終活ブームの中、生前整理をすすめる人が増えています。整理の対象は、家の中の荷物だけではありません。

「人間関係においても同様に整理を行い、残された人生は本当に親しい人とだけお付き合いをしたい」という願いから、人間関係の整理に取り組む人もいます。その一環として、終活年賀状が注目されています。

環境負荷の低減

企業や団体を中心として、環境負荷の低減を理由に終活年賀状を出す動きがあります。

ハガキ以外にもやりとりの手段が多様化し、またSDGsが取り沙汰されている今、顧客向けに1000枚、2000枚といった単位でハガキを出すことは企業イメージの低下にもなりかねません。

この理由から、ビジネス関連でも終活年賀状が広まりつつあります。

次項からは、終活年賀状を作成するときの注意点を解説していきます。

終活年賀状の注意点

注意点1:伝えるのは文面の最後に

終活年賀状といっても、あくまで「年賀状」です。

まずは新年を祝う挨拶からはじめ、旧年中のお付き合いに感謝するといった、通常の年賀状に書くような文面を作成しましょう。

そして、最後に年賀状じまいを伝えます。

注意点2:理由を入れる

来年から年賀状を出さない理由を、必ず入れます。

簡単な理由を添えるだけで結構ですが、本当の理由を書くことにためらいがあれば、当たり障りのない理由を添えても構いません。

【年賀状をやめる理由の例】

■年齢

「高齢となってきましたため」

「喜寿を迎え人生の節目とし」

「終活の一環として」

「年賀状を書くのが年々難しくなり」

「寄る年波を感じ」

■連絡手段の変化

「今後はSNSにて交流させていただきたく」

■家族との話し合いによる

「家族で話し合った結果」

「夫婦で相談した結果」

■環境負荷の低減(ビジネス向け)

「環境負荷低減の一環として」

注意点3:代わりの連絡手段を明記する

メールアドレスやSNSのIDなど、今後の代替手段をきちんと明記しておきましょう。

これによって、「あなたとのお付き合いをやめるつもりはありません」という気持ちを伝えることができます。

一方、代替手段が記載されていなければ、絶縁状ともとられかねません。

注意点4:「やめる」「終わる」といった直接的な表現を避ける

年賀状は、新年を寿ぐための挨拶状です。

「やめる」や「おわる」といった表現は避け、「来年からは年賀状によるご挨拶を遠慮させてます」「控えさせて頂きます」「失礼させて頂きます」といった柔らかい表現にしましょう。

注意点5:お付き合いへの感謝と今後の変わらぬ交流を願う文章を

文章の最後に、長年年賀状をやりとりしてくださったことへ感謝の気持ちを伝える文章を入れましょう。

「年賀状を作るのは大変」と感じているのは、相手も同じだからです。

また、「これからもお付き合いを」と続けることで、相手との関係性を壊さずに済みます。

終活年賀状の文例

プライベート用とビジネス用、2つの例文を用意しました。参考にしてください。

【プライベート用/丁寧な文面】

「年賀状じまいとはいえ丁寧な文章を心がけたい」「全員に一言を添える余裕がない」という人は、以下のような少し長めの文面を作ってみてはいかがでしょうか。

新年明けましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になり ありがとうございました
本年も どうぞよろしくお願い致します
私ごとで恐縮ですが 高齢になってまいりましたため
来年からはどなた様への年賀状も控えさせて頂くことにしました
長く年賀状のやりとりを頂き 誠に有難うございました
皆様のご近況を伺うことが 毎年の楽しみでありましたため
差し支えなければ今後もどうぞお年賀をお送りください
私からは 今後はお電話やSNSでご連絡させて頂きたく存じます
誠に勝手ではございますが 今後も変わらぬお付き合いのほど
どうぞよろしくお願い申し上げます
電話番号:000-0000-0000
SNSのID:○○○○

【プライベート用/簡素な文面】

「要件だけをさらりと伝えたい」「文面はシンプルにして、添え書きに心を込めたい」という人は、以下のような短めの文面を作ってみてはいかがでしょうか。

謹賀新年
旧年中は大変お世話になり ありがとうございました
本年も どうぞよろしくお願いします
誠に勝手ではございますが 皆様へのハガキでのお年賀は
本年をもって失礼させて頂きます
長く年賀状のやりとりを頂き 誠に有難うございました
今後は以下のSNSにて 変わらぬお付き合いのほど
どうぞよろしくお願い申し上げます
SNSのID:○○○○

【ビジネス用】

仕事でつながっている相手へ送る場合は、至ってシンプルな文面でかまいません。

新年明けましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になり 有難うございました
本年も ご指導ご鞭撻のほど どうぞよろしくお願いします
さて誠に勝手ではございますが 社の方針により ペーパーレス化の一環として
来年からはどなた様への年賀状も控えさせて頂くことにしました
今後は メールにてご挨拶させて頂きます
何卒 ご了承いただきますよう お願い申し上げます

終活年賀状は、よりいっそう心を込めて作成したい

終活年賀状を作っている最中は、今までのお付き合いに対してさまざまな思いがこみ上げてくると思われます。

その気持ちを、ぜひ添え書きで伝えましょう。

どんなに言葉に気を遣ったとしても、受け取った側は少なからず寂しい気持ちになるものです。

添え書きに心を込めれば、きっとあなたの想いは伝わります。

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