四十九日には何をする?儀式の内容や施主の役割、当日までのスケジュールを徹底解説
更新:2024.11.23
葬儀が終わり、1ヶ月半が過ぎると今度は四十九日の法要があります。
葬儀後初めての法要となる人も多いでしょう。
「四十九日に何をするべきか分からない」
「当日までの段取りを教えて欲しい」という人のために、四十九日にするべきことを解説します。
四十九日の準備は葬儀後すぐに始めるのが理想的です。
なるべく早く手配をスタートさせましょう。
四十九日は法要、会食、納骨をする日
四十九日には主な親族が喪主宅や法要会館、お寺に集まり、法要と会食、お墓への納骨を行います。
ただし納骨をすでに済ませていたり、お墓の準備が間に合わなかったり、遺骨をまだ手元に置きたいと希望していたりする場合は、法要と会食だけを行います。
四十九日に法要を行うのは、亡くなってから49日目が供養の節目だからです。
人は亡くなってから49日間は霊として漂っており、49日目に浄土へ行けるかどうかが決まると考えられています。
故人が浄土で安らかに暮らせることを祈って、法要を行うのです。
「四十九日」は「亡くなった日を1日目と数えたときの49日目」を指しますが、四十九日法要は必ず49日目に行うべきかというと、そうではありません。
親族が集まりやすい土日に行って構わないとされています。
ただし、49日目よりも手前の土日に設定するのがマナーです。
法要が49日目よりも遅くなることは「死者を待たせることになる」といわれ、タブー視されています。
四十九日法要のスケジュール
四十九日当日のスケジュールは以下の通りです。
1.法要
主な親族と、菩提寺のご住職など僧侶が喪主の自宅に集まり、仏壇の前で法要を行います。
僧侶が読経する最中に、親族らは焼香を行います。
法要会館やお寺で法要を行うこともあります。
仏壇を新調した場合は、仏壇の「開眼供養(性根入れとも言う)」を行います。
仏壇を、「ただのモノ」から「参拝の対象」に変える儀式です。
2.納骨
納骨をする場合は、法要後にお墓へ行き、納骨を行います。
生花や供物を供えた墓石の前で僧侶の読経中に施主が納骨し、立ち会った親族が焼香します。
お墓を新調した場合は、納骨前に墓石の「開眼供養(性根入れとも言う)」を行います。
お墓を、「ただの石」から「参拝の対象」に変える儀式です。
3.会食
最後に、法要会館や料亭、喪主宅などで会食を行います。
お寺で会食ができるケースもみられます。
会食後は、親族に香典返しを持ち帰ってもらいます。
四十九日で施主がすること
葬儀で「喪主」にあたる人を、法要では「施主」といいます。
四十九日法要における施主の役割は、司会進行です。
葬儀と違い、法要ではプロの司会者がいないため、施主が代表して進行を行います。
とはいえ、難しく考えることはありません。
「これから何をするか」と「次に何をするか」を案内すれば十分です。
四十九日の流れに沿って、施主の進行例をご紹介します。
1.法要開始
「これより、故(故人名・戒名)の四十九日法要を執り行います。それではご住職、よろしくお願いします」と、シンプルな挨拶をします。
2.法要後
「これにて、故(故人名・戒名)の四十九日法要が滞りなく終了しました。みなさま、ご参列ありがとうございました。引き続き、納骨に移ります。身支度を整えて、玄関にお集まりください」と、次の行動について説明します。
3.納骨
「これより納骨式を執り行います。それではご住職、よろしくお願いします」と言い、読経中に僧侶から焼香を促されたら(促されないときもあります)「これより血縁の近い順番に焼香を行います。お線香を持ってお並びください」と言います。
式後には、「これにて納骨式を終わります。ご参列ありがとうございました。これより、会食に移ります。バスへご乗車ください」などと案内しましょう。
4.会食前
血縁者の中でも年長の方や中心となる方、あるいはご住職に、献杯の発声を依頼します。
親族が席に揃ったら、挨拶を行います。
「皆様、本日は故(故人名・戒名)の四十九日法要にご参列いただき、誠にありがとうございました。儀式が滞りなく終了し、本人もさぞ喜んでいることと存じます。ささやかではございますが、お食事をご用意いたしましたので、どうぞ故人の思い出話などをしながらお召し上がりください。○○様に、献杯のご発声をお願い申し上げます」
5.最後の挨拶
会食を終えるタイミングで、施主として最後の挨拶を行います。
「皆様、本日は本当にありがとうございました。思い出話は尽きませんが、お時間となってしまいました。どうか、今後も変わらないお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。皆様のお席の下に、心ばかりのお品物(香典返し)をご用意しております。どうかお忘れのないよう、お帰りください。本日は、誠にありがとうございました」
四十九日法要までは何をする?詳細なスケジュール
滞りなく法要を済ませるためには準備が大切です。
四十九日法要は納骨があるため、他の法要よりも準備が多くなります。
仏壇や墓石を新調した場合はなおさらです。
さまざまなケースを想定したスケジュールをご案内します。
1.僧侶と日程の打ち合わせ
四十九日法要をいつ行うか、菩提寺のご住職など僧侶と打ち合わせます。
日程が決まったら、会食の場所を押さえておきます。
また、法要会館で行いたい場合は、法要会館も押さえます。
2.位牌の手配
四十九日法要には、故人の魂を白木の位牌から黒塗りの本位牌に移す儀式が含まれます。
法要に間に合うよう、仏具店に相談して本位牌の手配をします。
3.仏壇の手配
もし仏壇を新調する場合には、四十九日法要に間に合うように手配します。
4.石材店との打ち合わせ
納骨をする場合は、石材店にお墓の納骨室(カロート)を開けてもらわなければなりません。
法要当日、納骨に立ち会ってもらえるよう、石材店に依頼します。
5.1ヶ月前までに親族へ案内状を出す
法要の1ヶ月前までに、親族へ案内状を出します。
法要の日程と納骨や会食の有無を明記し、出席の可否を法要の2週間前あたりまでにいただきたい旨を書きましょう。
出欠確認は往復はがきを使うか、電話やメールで直接やりとりします。
6.2週間前までに人数を確定し、会食と香典返しの手配
法要のおよそ2週間前までに、出席人数を確定させます。
法要会館など会食場所へ人数を伝え、また戸数を数えて香典返しを手配しましょう。
四十九日法要の香典返しの相場は5,000円程度ですが、考え方は地域や親族の慣習によっても違います。
もし身近に相談できる人がいる場合は、香典返しの金額や内容について相談してみましょう。
7.服装の準備
四十九日法要の服装は、葬儀と同じ喪服です。
葬儀後、喪服をクリーニングに出していない場合は、早めにクリーニングに出しましょう。
靴も磨いておきます。
「喪服はそんなに汚れていないのでクリーニングに出さなくても良い」という考えの場合は、喪服を自然光に照らし、シミや汚れがないかをチェックします。
8.お布施の準備
四十九日法要のお布施には最大6つの種類があります。
まずはどなたでも法要のためのお布施が必要になり、納骨する方は納骨法要用のお布施も必要です。
さらに僧侶の交通費である「御車料」、僧侶が会食に出席されない場合は「御膳料」を包みます。
仏壇や墓石の開眼供養をしてもらう場合は、それぞれお布施が必要になります。
9.仏間の準備
自宅で四十九日法要を行う場合は、仏間の準備をしておきます。
仏壇を清掃し、香炉の灰から線香などを取り除き、法要で使用するロウソク、線香、マッチ類が揃っているか確認しましょう。
僧侶や親族が座る座布団を用意するのも大事です。
座布団の数を数え、少ないようなら買い足すなどして手配します。
10.家の清掃
法要当日の朝までに、家の清掃をしておきます。
親族みんなが使う玄関やトイレ、僧侶に着替えてもらう控室を中心に整理整頓しましょう。
11.お供え物の準備
法要前日までに、お供え物を準備します。
仏壇用に、花束を一対(同じものを2つ)、季節の果物などの供物を購入しましょう。
納骨する場合は、お墓参り用の花束一対、供物、線香、ロウソク、マッチ類が必要です。
12.お墓掃除
納骨をする場合は、法要前日までにお墓掃除をしておきます。
区画内の除草をした後、墓石を布などで拭き、香炉や花立をきれいにします。
以上のように、四十九日法要まではするべきことが非常に多くなります。
しっかりスケジュールを立て、手配し忘れることのないように注意しましょう。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。