仏壇の処分の仕方は?撤去方法や流れ、費用を解説
更新:2024.04.10
「両親が亡くなり空き家を整理したい」
「引っ越し先に仏壇を持って行けない」などの事情で、仏壇を処分したいと考えている人はいませんか。
祈りの対象である仏壇は、処分するにあたり特別な処置が必要なのではと悩んでしまうかもしれません。
仏壇の処分方法や流れ、費用について解説します。
目次
仏壇の処分方法は大きく分けて2つ
仏壇の処分方法は、大きく分けて「ゴミに出す」
「処分してくれる事業者に依頼する」の2つです。
ゴミに出す場合
仏壇は粗大ゴミとして処分できます。
処分費用は自治体により違うため、確認が必要です。
また、解体して細かくできれば、木材部分は燃やせるゴミとして処分できます。
他の部分は、材質により自治体の定め通りに処分します。
事業者に依頼する場合
不用品回収事業者や遺品整理事業者が、仏壇を回収する事業を行っています。
お住まいの地域に事業者がないか確認し、仏壇を引き取ってくれるかどうか相談してみましょう。
新たに仏壇を購入する場合は、購入先の仏壇店に相談できます。
また、処分する仏壇を購入した仏壇店を覚えていれば、相談してみましょう。
仏壇を処分する際、一般的には「魂抜き」を行う
仏壇を処分するときには、「魂抜き」という儀式をするのが一般的です。
魂抜きとは、仏壇やお墓、位牌などといった祈りの対象を、ただの「モノ」にする儀式のことです。
「お性根抜き」などともいわれます。
「魂抜き」や「お性根抜き」などというと、仏壇に魂がこもっているようで、スピリチュアルな考え方に抵抗のある人は苦手に思うかもしれません。
あくまで「祈りの対象である仏壇を処分するのは後ろめたい」と感じる心を軽くするための儀式と考えるのはいかがでしょうか。
魂抜きの儀式は、僧侶が仏壇の前でお経をあげることで行います。
お世話になっている菩提寺があれば、「仏壇の魂抜きをしたい」と連絡を入れましょう。
菩提寺がない場合は、以下のような方法で魂抜きをしてくれる僧侶を探します。
■近くの親族がお世話になっている寺院に相談する
■新しく仏壇を購入する場合は、お世話になる仏壇店に相談する
■インターネットで魂抜きをしてくれる僧侶を探す
最近では僧侶派遣のシステム展開が進み、魂抜きだけでも依頼できるサイトが増えています。
インターネットの僧侶派遣を利用する場合は、なるべく交通費がかからないよう自宅付近にいる僧侶を選ぶのがポイントです。
また、可能であれば口コミなどで評判をチェックし、信頼できると感じるところに依頼しましょう。
仏壇は魂抜きをしないで処分はダメ?
仏壇の魂抜きは、絶対にしなければならないわけではありません。
あくまで、処分する人の心を軽くするための儀式だからです。
魂抜きの必要性を感じられない人にとっては、不要な儀式といえます。
ただ、次のような場合は、なるべく魂抜きの儀式をした方がいいでしょう。
処分を依頼する事業者にお願いされたとき
「魂抜きをしない仏壇は動かせない」と考える事業者がいます。
とくに仏壇店はその傾向があるといえるでしょう。
親族から魂抜きをするようお願いされたとき
年長者のなかには、信仰心の篤い人がまだまだ多く残っています。
昔ながらの「魂抜きをしないとバチが当たる」という考えを、迷信と決めつけず尊重するのが大事です。
位牌をそのまま処分するのに抵抗があるとき
仏壇を処分する際、位牌を残す人と、できれば処分したいと考える人がいるでしょう。
「仏壇はそのまま捨てられるけれど、位牌はちょっと……」と思うなら、位牌のための魂抜きが必要です。
また、仏壇を処分してくれる事業者が、魂抜きの儀式込みで請け負ってくれる場合は、自分で魂抜きを手配する必要はありません。
儀式の流れや費用については別途説明があるはずです。
仏壇本体以外は、自治体の定め通りに分類して処分しよう
仏壇を粗大ゴミに出す場合も、事業者に処分を依頼する場合も、仏具を設置したままではお願いできません。
仏壇の中や手前にある仏具を全て取り出し、仏壇本体だけの姿にしておきましょう。
それぞれの仏具は粗大ゴミになるほど大きくありません。
自治体の定めに従って分類し、処分します。金物や瀬戸物が多いため、回収の機会が少ないと思われます。
カレンダーをよく見て、処分の機会を逃さないのが大事です。
どうしても仏具を処分する時間がないとき、事業者に仏壇の処分を依頼している場合は、仏具の処分も頼めないか相談してみましょう。
別途料金がかかるでしょうから、具体的な費用をしっかり確認してください。
仏壇の処分の流れ
仏壇の処分の流れは、魂抜きをする場合と、しない場合とで違います。それぞれ説明します。
魂抜きをする場合
1.処分方法を決める
粗大ゴミに出すか、事業者に依頼するかを決めます。
2.菩提寺などに魂抜きを依頼する
処分の期日までに魂抜きが終えられるよう、菩提寺などにスケジュールを相談します。
3.魂抜きをしてもらう
魂抜き当日は、仏壇にお参りの準備をします。
花瓶に花を活け、線香とロウソク、香炉を用意し、水やお菓子をお供えして僧侶を迎えましょう。
服装は、喪服でなくて構いません。スーツなど少し改まった服装をし、色味が派手な服は避けましょう。
数分のお経をあげてもらった後に、お布施を渡します。
4.処分を行う
魂抜きをしてもらった後はお供え物を外し、処分の用意に移って構いません。
決定した処分方法により、処分を行います。
魂抜きをしない場合
1.処分方法を決める
粗大ゴミに出すか、事業者に依頼するかを決めます。
事業者に依頼するときは、魂抜きをする意向がないことを必ず伝えましょう。
2.処分を行う
決めた期日に、仏壇の処分を行います。
仏壇の処分費用
仏壇の処分費用は、粗大ゴミに出すか、事業者に依頼するかで違います。また、魂抜きをする場合は別途お布施が発生します。
処分そのものの費用
魂抜きをする場合も、しない場合も、処分そのものの費用がかかります。
粗大ゴミに出すのであれば数百円から1,000円程度、不用品回収事業者や遺品整理事業者であれば大きさによって1万~5万円程度。
仏壇店に依頼するのであれば、その後どんな仏壇をそこで購入するかによっても費用が変わってきます。
魂抜きのための費用
魂抜きにかかる費用は以下の3つです。
1.お布施
魂抜きのお布施の相場は1~2万円程度です。
菩提寺であればこれまでお世話になった印として、少し厚く包む人もいるでしょう。
僧侶派遣の場合は金額が明示されます。
お布施の表書きは「御布施」で、黒白、あるいは地域によっては黄白の水引をあしらった不祝儀袋を使います。
2.お車代
僧侶に足を運んでもらうため、車代を用意します。
白い封筒に「御車代」と表書きし、5,000円程度を入れるのが一般的です。
僧侶が遠方からの来訪で、実質的な交通費が5,000円よりも多くかかるなら多めに包みます。
また、車で僧侶を迎えに行くなどした場合には、お車代は必要ありません。
3.お供えの費用
花やお菓子、線香、ロウソクを準備するための費用です。
2,000円から5,000円程度がかかります。
以上、魂抜きそのものにかかる3つの費用を合計すると、1万2,000円~3万円程度となります。
事業者に魂抜きをお任せする場合、処分費用と合わせた全体的な料金についても確認しておきましょう。
仏壇を撤去するときは思わぬケガに注意しよう
以上、仏壇の処分方法について解説しました。
大きさにもよりますが、どっしりした材木を使い多くの装飾がついた仏壇はとても重いものです。
大きな仏壇が倒れてきたら、思わぬケガに繋がりかねません。
撤去の際は、できれば複数の人数で慎重に運び出しましょう。
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この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。