お悔やみに対する返事を遺族がメールで行うときのマナーは?例文もご紹介

更新:2023.09.11

葬儀が生じると、訃報を知らせた人たちからお悔やみのメールがたくさん届くことがあります。

葬儀の準備で忙しい中、個別に返信するのは大変です。また、返信の内容に迷う人も多いでしょう。

お悔やみに対する返事をメールで行うときのマナーについて解説します。

基本的に葬儀が終わるまでは返信しなくてOK

ご冥福をお祈りする女性

お悔やみメールを送る人は、身内が亡くなってしまった人を慰めたいという気持ちからメッセージを書いています。

しかしメールを受け取る側の遺族が誠実であればあるほど、「どう返信すればわからない」「忙しいから返信できない」と悩みがちです。

ただし「お悔やみ申し上げます」「ご冥福をお祈りいたします」といったお悔やみの文章だけで終わる、返信の必要がないメールであれば、葬儀が終わるまで返信する必要はありません。

「このメールについての返信は不要です」など、気を利かせた文面を付けてくれる人もいます。

素直に甘えることにして、お別れに専念するのが大事です。

なぜならメールを送った本人としても、忙しい時間の隙間を縫ってまで返信してほしいとは思っていないためです。

お悔やみという気持ちだけを受け取って、メールをくれた人の分まで故人のために祈りましょう。

もし一言だけでも返信しないと落ち着かない人は、「ありがとうございます。葬儀後、改めて連絡します」とだけ返信しておくのがおすすめです。

その上で、葬儀が終わった後に連絡します。素っ気ないと感じるかもしれませんが、相手はきっと事情をわかってくれます。

葬儀前に返信が必要なメールと返信文例

お悔やみメールの中にはすぐ返信しなければならないと思わせるものもあります。

例えば、こんなお悔やみメールへの返信に悩んではいないでしょうか。

ありがちなお悔やみメール例と、そのメールに対して返信すべき内容について解説します。

そのまま使える例文をつけてありますので、ぜひコピーしてお使いになってください。

家族葬と伝えているのに葬儀日程を尋ねてくるメール

お悔やみを告げるとともに、日程の詳細を尋ねてくることがあります。

家族葬であり、相手が参列対象でない場合は、以下のように伝えましょう。

《例文》

ありがとうございます。家族葬につき葬儀への参列はお控えください。申し訳ありません。

死因を尋ねるメール

故人と親しい人のなかには「一体何があったのですか」「差し支えなければ最後の様子を教えてください」と尋ねてくる人もいるでしょう。

死因についてのメールは長文になりがちですし、どんな文章にするか迷うため時間もかかってしまいます。

葬儀後改めて連絡することにし、ひとまずは以下のように伝えましょう。

《例文》

お気にかけてくださりありがとうございます。誠に申し訳ありませんが、葬儀が終わりましたら改めてご説明いたします。

弔問したいがいつ頃がよいかと尋ねるメール

葬儀には参列できないけれど、故人宅や喪主宅へ弔問したいと考える人もいます。

以下のように対応しましょう。

《例文…葬儀前の弔問を受け付けている場合》

ありがとうございます。弔問は○日○時まで自宅で受け付けております。気をつけてお越しください。

《例文…葬儀前の弔問を受け付けていない場合》

ありがとうございます。申し訳ありませんが、あいにく弔問は受け付けておりません。葬儀後、こちらから連絡いたします。

以上のように、基本的には葬儀後に対応することを告げ、手短に文章を終わらせます。

葬儀後に返信するときのマナー

葬儀が終わったら、改めてお悔やみメールに返信しましょう。

以下のような順番で書くと文章が整い、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。

なお弔事ならではの文章ルールもあるため、意識してみてください。

最初に感謝の気持ちを告げる

まずは「メールをありがとうございました」など、お悔やみに対する感謝から始めます。

次に葬儀が終わったことの報告

葬儀が滞りなく終わったことを報告します。

相手が知りたかったことへの返信

死因について、今後弔問を受け付けるかなど、相手から質問を受けていたことについて忘れずに回答します。

「今後もよろしく」で締める

関係性に合わせて自分の今の心境などを綴った後、「今後も変わらぬお付き合いを」などとお願いしてメールを締めます。

忌み言葉をなるべく避ける

葬儀の場にはなるべく使うのを避けたい「忌み言葉」があります。

「ますます」「いよいよ」など同じ言葉を繰り返す「重ね言葉」は、不幸が重なることを連想させるため忌み言葉の一種とされています。

また、「死んだ」「亡くなった」など死を直接表現する言葉もタブーです。

葬儀後に返信するときのメール文例

お悔やみメールへの返信は、関係性によっても適切な文章が変わってきます。

関係性別に、返信メールの文例をご紹介します。

《友人への返信メール文例》

先日は丁寧なお悔やみをありがとうございました。

おかげさまで葬儀が滞りなく終了しました。

慣れないことばかりでとても疲れたよ。

落ち着いたら話を聞いてほしいです。

これからも友人としてよろしくお願いします。

《目上の人や故人の知り合いへの返信メール文例》

このたび故○○の葬儀につきましては、丁寧なお悔やみをいただき誠にありがとうございました。

おかげをもちまして○月○日、無事葬儀が終了したことをご報告いたします。

生前は大変お世話になり、本人に成り代わりまして感謝申し上げます。

遺された私たち家族につきましても、変わらぬご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。

《同僚への返信メール文例》

父の葬儀につきましては、丁寧なお悔やみをいただきありがとうございました。

○日、葬儀が滞りなく終了しました。

○○さんのフォローがあったおかげで、最後のお別れに集中できました。

本当にありがとう。

初七日が終わり次第、○日から仕事に復帰します。

これからもどうぞよろしくお願いします。

《上司への返信メール文例》

このたび母の葬儀に際しましては、丁寧なお悔やみをいただき誠にありがとうございました。

おかげをもちまして○月○日、滞りなく葬儀が終了いたしましたことをご報告申し上げます。

大変なときに仕事を抜けた形となりましたが、○○部長の采配があったおかげで葬儀に集中することができました。

本当に感謝申し上げます。

○日より出社いたします。

今後も変わらぬご指導を、どうぞよろしくお願いします。

《取引先への返信メール文例》

このたび身内の不幸につきまして、丁寧なお悔やみをいただき誠にありがとうございました。

おかげをもちまして先日無事葬儀が終了しました。

大事なプロジェクトの進行中にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

仕事に復帰しましたら、改めてご挨拶に伺います。

今後もご指導のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

弔電やお悔やみのハガキに対してメールでお礼するのはマナー違反

遺族の元にはお悔やみメールだけでなく、弔電やお悔やみのハガキも届きます。

葬儀後も何かと手続きが発生して忙しいため「弔電やハガキにもメールで返事しようか」という考えが頭に浮かぶかもしれません。

しかし、弔電やお悔やみのハガキにメールのお礼で済ますのはマナー違反です。

お礼をしたためたハガキや手紙を送りましょう。

ぬいぐるみ付きなど高価な弔電をいただいたなら、お礼として弔電の半額程度の品物を手紙と一緒に送ります。

人によっては身内の死によって気分がふさぎ、すぐに対応できないこともあるでしょう。

そんなときはひとまずメールでお礼をしても構いませんが、落ち着いたら必ずお礼の手紙を送るようにします。

葬儀のときはお別れに集中し、落ち着いてから返信しよう

以上、お悔やみに対する返信メールについて解説しました。

葬儀前の忙しい最中にメールをもらったとしたら、慌てて返信しなくても大丈夫です。

葬儀が終わって落ち着いてから、改めてメールやSNSを見返して返信するようにしましょう。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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