香典返しに添えるお礼状には何と書く?マナーや例文をご紹介
更新:2024.06.20
香典をくださった方へ送る香典返しには、お礼状を添えます。
最近では遺族がオリジナルの文面を考えることも多く、唯一無二のお礼状となるため会葬者によりいっそう感謝の気持ちを伝えられます。
香典返しの基本的なマナーについて解説した上で、オリジナルのお礼状を作成する際に気をつけたいことや、実際に使える例文をご紹介します。
家族葬に特化したお礼状の例文についてもご案内していますので、ぜひお役立てください。
目次
香典返しは四十九日法要が終わる頃に送るのがマナー
一般的に、香典返しは四十九日法要が終わる頃に送るのがマナーとされています。
四十九日法要が無事終わったことの報告を兼ねて、香典へのお返しものを送るためです。
ただし、香典返しを送るタイミングは地域によって違います。
葬儀の際、香典と引き換えに渡す品をもって香典返しとし、香典の内容が特別高額なときだけ、後日追加の品を送る地域も多くあります。
これを「即日返し」といいます。
即日返しの場合、お礼状の内容は会葬に対するお礼となるため、四十九日法要に合わせて送る香典返しのお礼状とは少し内容が違います。
この記事では、あくまで四十九日法要に合わせて香典返しを送るときのお礼状について解説します。
香典返しに添えるお礼状は誰に依頼する?
香典返しに添えるお礼状は、香典返しを注文したギフトショップや葬儀社に依頼するのが最もスムーズです。
香典返しの品数に合わせてお礼状も印刷してくれます。
もしも香典返しを注文したお店がお礼状の印刷を行っていない場合は、郵便局やインターネット通販を行っている印刷会社に別途依頼します。
葬儀のときに利用した葬儀社に相談できる場合もあります。
香典返しについては、下記のサイトも参考にしてみてください。
お礼状は何枚印刷するのが正解?
お礼状は香典返しの数にピッタリ合わせて印刷したいと思いがちですが、少し多めに印刷しておくのがおすすめです。
なぜなら、後で香典が届き、追加で香典返しが必要になる場合があるためです。
お礼状に限らずどんな印刷物でもいえることですが、印刷枚数は多ければ多いほど割安になります。
1枚だけ印刷するよりも、50枚単位、100枚単位の方が、1枚当たりの料金は安くなるのが一般的です。
後で必要になったからと1枚ずつ注文すると、かなり割高になる可能性があります。
依頼するお店や葬儀社に最適な枚数を相談しましょう。
「今のところ38枚必要なら50枚」「今80枚必要だけれど、まだ香典が来そうだからいっそのこと100枚」など、キリのいい単位を提案してくれます。
香典返しに添えるお礼状のマナー
例文を紹介する前に、お礼状のマナーについて知っておきましょう。
以下のようなマナーを守れば、オリジナルアレンジが可能になります。
頭語・結語を使う
「拝啓・敬具」「謹啓・敬具」など、手紙の最初と最後に入れる頭語・結語を使います。
葬儀の案内状では頭語・結語を使いませんでしたが、お礼状では必ず使いましょう。
時候の挨拶を入れない
頭語・結語を使いますが、時候の挨拶は入れません。
すぐ本題に入ります。
句読点を入れない
「、」や「。」を入れません。文の最後にあたる箇所は改行するか、スペースを入れます。
行頭を揃える
一般的な手紙や作文は、書き始めや改行のたびに行頭を1字下げますが、香典返しのお礼状では1字下げを行いません。
全ての行頭を揃えます。
流れを守る
香典返しのお礼状の流れは以下の通りです。
①葬儀会葬のお礼
②四十九日法要の報告
③香典返しを送った旨を伝える
④お礼と挨拶を兼ねた締めの言葉
この流れを守ると、整ったお礼状が作れます。
余計な話題を入れない
お礼状の文面には他の話題を入れません。追伸も入れません。
忌み言葉を使わない
結婚式や葬儀などセレモニーの場でタブーとされている言葉を忌み言葉といいます。
とくに弔事では、「不幸が重なる」と連想されることから、「ますます」「いよいよ」といった同じ言葉が繰り返される「重ね言葉」を使いません。
また、「死去」「死亡」など、死を直接想像させる言葉もタブーとされます。
香典返しに添えるお礼状の例文【一般葬】
先に示したお礼状のマナーを踏まえ、例文をご紹介します。
まずは、親族や友人など縁ある人を全て参列対象にした一般葬向けの、スタンダードな例文です。
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拝啓
先般 父・広島太郎 儀 葬儀に際しましては ご多忙のなかにもかかわらず ご会葬を賜りかつ丁重なるご厚志を賜り 心より御礼申し上げます
おかげさまをもちまして ○月○日 四十九日法要を相営むことができました
生前のご厚誼に心より御礼申し上げます
つきましては 供養のしるしに心ばかりの品をお届けしました
どうぞお納めくださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきところですが
まずは書中にてご挨拶申し上げます
敬具
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故人の戒名を入れる場合もあります。その際は、以下のような文面になります。
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おかげさまをもちまして ○月○日
(戒名)
四十九日法要を相営むことができました
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香典返しに添えるお礼状の例文【家族葬】
家族葬を選んだ場合、香典の贈り主は葬儀に参列できていない可能性もあります。
お礼状の文面として、会葬いただいたことのお礼を入れるのは適していません。以下のような文面はいかがでしょうか。
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謹啓
先般 母 広島花子 儀 死去に際しましては お心のこもったお悔やみの言葉をいただき
なお丁重なるご芳志を賜り 厚く御礼申し上げます
○月○日
(戒名)
四十九日法要を相営みました
生前のご厚誼に心より御礼申し上げます
ささやかではございますが 供養のしるしに心ばかりの品をお届けしました
どうぞお納めくださいますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中にてお礼のご挨拶といたします
敬具
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香典返しに添えるお礼状の例文【親しみを込めた文面にしたいとき】
かしこまった文面ではなく、自分らしさや親しみを込めた文面にアレンジしたいなら、次のような文章はいかがでしょうか。
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拝啓
このたび 母 広島花子の永眠に際しましては お心のこもったお香典やお花をいただき 誠にありがとうございました
○月○日 無事に四十九日法要を終えることができましたので ここにご報告申し上げます
ささやかではありますが 供養のしるしとなる品をお送りしました
どうぞお納めください
母の遺した庭を手入れしていると 新たに咲いた花を母とともに観賞したいと思う気持ちでいっぱいになります
心が凪ぐまで しばし時間がかかりそうです
生前のお付き合いに厚く感謝申し上げますとともに
今後も私たち家族に対し よりいっそうのご指導を どうぞよろしくお願い申し上げます
敬具
―――――――――――――――――――――――
なお、くだけた表現を使いすぎるとお礼状としてはふさわしくなくなってしまうため、あくまでフォーマルな印象は崩さないよう心がけましょう。
生前お世話になった人へ、心を込めてお礼状を送ろう
以上、香典返しに添えるお礼状について解説しました。
お礼状の文面は注文するお店ごとに用意されていると思われますが、自分らしい文章を添えられるとよりステキな仕上がりになります。
想いが伝わるお礼状の文面を、ぜひ考えてみてください。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。