葬式のストッキングの色は?安心して参列できる足元のマナーを解説

更新:2023.08.12

葬式に参列するときは服装マナーに気をつける必要があります。

特にストッキングについては「肌色と黒、どちらでもいい?」

「色の濃さにはルールがある?」などと悩む女性もいることでしょう。

葬式のストッキングの色は黒がベストですが、黒ストッキング以外でも許されるケースがあります。

葬式のストッキングの色について徹底解説します。

葬式は黒いストッキングが基本

葬式に参列する際は、黒いストッキングを着用するのがマナーです。

なぜなら、葬式を始めとした法事などの弔事では、服装や小物など身につけるもの全てを黒無地にするのがマナーとして確立されているからです。

よって、ストッキングに限らず服や靴、カバン、髪留めなどは黒無地で揃えることになります。

ハンカチも、できれば黒無地が好ましいとされています。

タイツではダメ?

黒のタイツ

葬式にふさわしいのはあくまで黒い「ストッキング」であり、黒い「タイツ」はNGとされます。

なぜなら、肌が全く透けないタイツはカジュアルなシーンで履くものとされているからです。

肌がほどよく透けるストッキングが、セレモニーにふさわしいとされています。

同じ黒でも、ストッキングはOKでタイツはNGだということをまずは押さえておきましょう。

どこまでがストッキングで、どこからがタイツ?

ストッキングとタイツの境目が分からない人は多いでしょう。

ストッキングとタイツの違いは、編んでいる糸の太さを表す「デニール数」の違いです。

タイツを購入したことのある人なら、タイツの包装に「60デニール」や「80デニール」などと表示されているのを見たことがあるでしょう。

「60デニールは薄手、80デニールは厚手」と、感覚として知っている人も多いと思われます。

ストッキングやタイツはこのデニール数が小さいほど薄く、大きいほど厚くなります。

一般に、25デニール程度のものをストッキング、30デニールよりもデニール数の大きいものをタイツと呼んでいます。

40デニールや50デニールのストッキングはあり得ません。

よって、葬式用に黒いストッキングを購入したいと考えたら、ストッキングとして売られているものを買えばまず間違いありません。

しかしまれに、30デニール以上のものもストッキングとして売られていることもありますから、ストッキングを買いたいときは念のためデニール数をチェックしましょう。

黒であっても網タイツや柄タイツはNG

同じ黒であっても、網タイツを葬式に履いてはいけません。

柄の入ったタイツも同様にNGです。

ストッキングよりもセクシーな印象を持つ編みタイツは、カジュアルな場面で履くものとされているためです。

また、葬式では小物全てを無地で揃えるのがマナーのため、柄の入ったストッキングはふさわしくありません。

新しく買うなら黒ストッキングの2枚組がベスト

もし葬式用に黒いストッキングを新調しようとしているなら、25デニール程度の黒いストッキングを買いましょう。

ストッキングは2枚組で売られていることが多いため、もしかしたら「1枚しかいらないのに」と買うのをためらってしまうかもしれません。

しかし、2枚組がベストです。

なぜなら、ストッキングには常に伝線の可能性がつきまとうからです。

黒いストッキングが伝線すると、肌色よりも悪目立ちします。

セレモニーでのマナーとしても、決してよいとはいえません。

2枚組を購入し、1枚は履き替え用としてバッグに忍ばせておきましょう。

安心感が違います。

黒ストッキングはどこで買える?

黒いストッキングは、日用衣類を取り扱うお店の他、コンビニエンスストアやドラッグストア、スーパー、百円ショップなどで売られている可能性があります。

通学、通勤の際に立ち寄れるお店で購入できれば便利です。

帰り道などに、お店を覗いてみてはいかがでしょうか。

なお、送料がかかってしまうかもしれませんが、黒いストッキングを販売しているネット通販ショップもたくさんあります。

葬式まで日にちがあるなら、配送日を確認した上でネット通販を活用してもいいでしょう。

手持ちのストッキングは一度着用してみよう

すでに黒いストッキングを持っている人は、必ず事前に着用して伝線の有無や透け具合をチェックします。

透け具合を見るときは、太ももではなくふくらはぎから足首にかけてを確認するのがポイントです。

なぜなら、喪服を着た上で見えている部分がしっかり透けていないと意味がないためです。

喪服の多くはふくらはぎ丈です。

デニール数が大きいと、太もも部分が透けていてもふくらはぎから下は全く透けず、分厚いタイツのように見えてしまう可能性があります。

黒いストッキングの透け具合を確認する際はなるべく太陽光のもと、明るいところで鏡を見ましょう。

暗い部屋で鏡を見ると、実際はほどよく透けていても真っ黒に見えてしまうことがあるためです。

パンツスーツでの参列でもストッキングは黒?

葬式でパンツスーツを着用する場合、ストッキングは足先しか覗きません。

よって肌色のストッキングでも良さそうですが、黒にしておいた方が無難です。

膝下丈の黒ストッキングも市販されていますので、パンツスタイルの人は活用してみましょう。

黒ストッキング以外でもよい例外は?

黒いストッキングでなくてもよい例外があります。

以下のような場合には、肌色のストッキングやタイツでも構いません。

事前に確認してみましょう。

納棺式

葬式ではなく、故人を棺に納める儀式である納棺式に参加するなら、肌色のストッキングでも構いません。

納棺式は喪服ではなく平服で参加する人も多いためです。

平服で納棺式に参加する場合は、グレーやブラウンといった暗色系のワンピースやスーツを着用しましょう。

Tシャツやジーンズなどの普段着はNGです。

通夜

通夜の服装は喪服が基本ですが、一般参列者の場合は、もし服装を揃えるのが間に合わなければ平服でも許されます。

また、喪服に肌色のストッキングを合わせても、マナー違反にはあたりません。

とはいえ「喪服には黒いストッキング」というマナーは広く知られているものであり、「通夜は肌色ストッキングでもよい」と知っている人はまれです。

よって、他の参列者からはマナー違反と思われてしまうかもしれません。

黒ストッキングの購入が本当に間に合わない場合だけ、肌色のストッキングを着用するのがおすすめです。

平服指定の葬式

最近ではカジュアルな葬式を望む人もおり、まれに平服指定の葬式があります。

葬式の案内を確認し、「平服を着用ください」などと書かれていたら黒いストッキングを用意する必要はありません。

暗色系のワンピースやスーツを着用し、肌色のストッキングを履いて参列しましょう。

寒さが厳しい地方の冬季

豪雪地帯など、冬の参列にパンプスが履けず黒いブーツを着用するような地域においては、冬の葬式では黒タイツを履いても構わないとするケースが珍しくありません。

黒ストッキングを準備する前に、親族などに一度尋ねてみてはいかがでしょうか。

いざというときは葬式会場のフロントに相談してみよう

「マナーを知らずに肌色のストッキングで葬式会場に着てしまった」

「伝線したけれど替えのストッキングがない」など困ったときには、葬式会場のフロントに相談してみましょう。

高い確率で黒いストッキングが用意されており、その場で購入できます。

葬式会場の担当者は要望に応じてストッキングを包装から取り出し、ストッキングだけを手渡してくれます。

化粧室でストッキングを履き替えましょう。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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