喪中はいつまで?喪中にやってはいけないことを知ろう

更新:2023.06.12

喪中はいつまでかご存じでしょうか。喪中には、やってはいけないことがあります。

最近身内に不幸があった人は、知らない間にタブーをおかしてしまっているかもしれません。

喪中の意味やしきたりを詳しく知り、喪中に適した振る舞いができるよう気をつけましょう。

喪中とは喪に服し身を慎んで行動する期間のこと

喪中とは、喪に服す期間のことです。

喪に服すとは、身内など身近な人が亡くなった後に身を慎んで行動することを指します。

つまり喪中とは、故人を偲び、冥福を祈りながら心静かに過ごす期間を表しています。

古くは、遺体を安置するために「喪屋」と呼ばれる小屋が作られていました。

葬儀が終わった後には、その喪屋に一定期間遺族がこもり、謹慎生活を行いました。

そこには家族も死者に近い場所に身を置き静かに過ごすことで、ゆっくりと穢れが払われるという考え方があります。

現代ではもちろん喪屋にこもることはしませんが、喪中の間はなるべく自宅から離れたところに行かないことで謹慎状態を作り出します。

喪中の期間と範囲

喪中の期間は1年間です。

つまり、一年目の命日を迎えるまでが喪中ということになります。

一年目の命日を目処に一周忌法要が行われ、法要後には喪中が終わります。

喪中期間が終了することを「喪が明ける」といいます。

喪中の範囲は2親等までとされています。

ただ、3親等以上であっても故人と一緒に住んでいた人は喪に服す必要があります。

なお近親者以外であっても、「喪に服したい」という気持ちが強い人は、自分の心が癒されるまで喪中を取り入れても構いません。

喪中と忌中との違い

喪中とよく似た言葉に「忌中」があります。

忌中もまた、身内が亡くなった後に身を慎んで行動しなければならない期間を指します。

忌中は故人が亡くなってから49日間であり、喪中の中でも特に気をつけなければならない期間です。

忌中も、喪中も、タブーとされていることはほぼ同じです。

ただし忌中の方がタブーの内容はやや厳しめです。

忌中についての記事もありますので、よろしければ参考にしてください。

宗教による喪中の違い

仏教と神道では、1年間が喪中です。

キリスト教には「喪中」という概念がありません。

よってクリスチャンに喪中の禁忌はありませんが、日本のごく一般的なしきたりに合わせ、1年間は喪に服して生活する人もいます。

喪中にやってはいけないこと

喪中 イメージ

結婚式などのお祝いごとをする

喪中期間は、華やかな席を設けてはいけないとされています。

その代表的な例が結婚式です。

もし故人が亡くなる前に結婚が決まっていたような場合には、籍だけを入れて式を延期するといった対応をするのが一般的です。

お正月を祝う

お正月は、新しい年が来たことをお祝いする行事です。

よって「明けましておめでとうございます」という言葉が使われますが、喪中はお祝いごとをしてはならず、お正月を祝うことも例外ではありません。

具体的には、門松や鏡餅などの正月飾りをしたり、おせち料理を食べたり、「おめでとう」と新年を寿ぐあいさつをしたりすることがタブーです。

ただし、年越しそばにはお祝いの意味が込められていないため、食べても良いとされます。

年賀状を出す

喪中期間にある人は年賀状を出せません。

年賀状は「謹賀新年」などと書かれるとおり、新しい年が来たことを祝い、変わらぬ付き合いを願うためのハガキだからです。

喪中にあたる人は、年賀状の代わりに喪中はがきを出します。

喪中はがきは11月から12月の初旬に作成し、喪中につき年賀状を出せないこと、来年も変わらぬお付き合いをしてほしいことなどをしたためて投函します。

旅行

旅行は長く家を離れる行為です。

なるべく自宅にこもり謹慎すべきという喪中の考え方に反しているため、喪中の旅行はタブーとされます。

仕事のための出張などなら仕方がありませんが、プライベートで旅行を計画するようなことはやめておいた方がいいでしょう。

引っ越し

喪中に引っ越しをすると、新しい家に死の穢れが移ってしまうとされています。

仕事や通学のためなどやむを得ない場合を除き、引っ越しは極力控えた方がいいでしょう。

神社への参拝

神道の神様は死の穢れを嫌います。

よって、喪中の人は神社への参拝ができません。

もちろん、初詣もできないため気をつけましょう。

「いつも初詣に行っているから、行かないとなんだか寂しい」と感じる人は、喪が明けたらすぐにでも参拝に行きましょう。

1年で最初に神社へお参りすることを「初詣」といいます。

よって初詣は、お正月を過ぎてもできます。

お祝いごとへの出席

結婚式などお祝いごとに招待されても、出席は控えるようにした方がいいでしょう。

喪中の中でも、特に忌中の間は控えるべきとされています。

ただ、忌中を過ぎてからのお祝いごとにおいては、立場上出席しなければならない催し物であれば出席が可能という考え方もあります。

主催者と相談の上、判断するのがおすすめです。

賑やかな場所への出入り

飲み会やライブなど、賑やかな場所に出入りするのも極力控えた方が良いとされています。

ただし、忌中期間よりも禁忌は厳しくありません。

謹慎状態が続くことで鬱状態になってしまう人もいるため、忌中が過ぎたら気晴らし程度に出かけても良いという考え方もあります。

身近に喪中の人がいたらどう接すればいい?

身近に喪中の人がいたら、接するのが難しいと思うかもしれません。

しかし「喪中だから遊びに誘ってはいけない」と声をかけずにいると、相手が孤立してしまう可能性があります。

喪中の人の気持ちは、見た目からは分かりません。

「そっとしてほしい」と考えているのか、「いつものように接してほしい」

「できるなら話を聞いてほしい」と考えているのか。

会話をすることで、本当はどう思っているのかを知ることができます。

まずはいつものように話しかけてみましょう。

そして「こんなときだから気が向かないかもしれないけれど」と前置きした上で誘うのが大事です。

もし「喪中だから欠席します」と言われたら、しつこく誘うのはやめます。

ただ、特に親しい間柄であれば「いつでも話を聞くからね」と言い添えると、喪中の人の孤立感に寄り添うことができます。

また、喪中の決まりごとを守らず旅行に出かけたり、賑やかな場所に出入りしたりしている人がいるかもしれません。

そのような人を「喪中なのにこんなことをしていいのか」と責めるのは、最もやめたい行為です。

遺族は何らかの事情があって、あえて禁忌を破っています。

遺族の気持ちをおしはかり、思いやりのある対応を心がけましょう。

喪中期間は少しだけ気をつけて行動を

以上、喪中の意味や期間、やってはいけないことについてお伝えしました。

厳しい取り決めがたくさんあると思いがちですが、「お正月の過ごし方に気をつける以外は極力出かけないようにする」というシンプルな捉え方で構いません。

自分からお祝いごとを企画したり、不必要な旅行や引っ越しをしたりしないよう心がければそれで十分です。

喪中期間であっても、やむを得ない理由で賑やかな場所に行ったり、遠出したりしなければならないこともあるでしょう。

そんなときはできるだけ羽目を外すことなく、必要最低限の用事をこなすだけにするのが大事です。

誰かに話を聞いてもらいたいと考えたときは、お酒を介さない席を提案してみましょう。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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