法事をやってはいけない日はある?法事は友引でもOK!でも注意点あり
更新:2023.05.24
法事をやってはいけない日があるのか、初めて施主を務める人はとくに気になることでしょう。
結婚式は仏滅、葬儀は友引の日がNGとされています。
しかし法事は友引に行ってもよいとされていますし、日取りを気にする必要はありません。
日取りよりもむしろ、注意するべきことはたくさんあります。
法事をやってはいけない日について解説します。
六曜の中で法事をやってはいけない日はなく友引もOK
「仏滅」や「友引」など、日取りの吉凶を占うとき参考にされる考え方を「六曜」といいます。
六曜は「仏滅」「友引」の他に「先勝」「先負」「大安」「赤口」があり、この6つがカレンダー内で繰り返されます。
日本人は古くからこの六曜を見て「この日は仏滅だから結婚式には向かない。
縁起のいい大安でないと」などとライフイベントの日取りを決めてきました。
弔事については、友引に葬儀を行うのは良くないとされています。
これは友引の漢字が「友を引く」につながることから、「この日に葬儀をすると死者が友人を引っ張って、不幸が続いてしまう」といわれているためです。
法事は葬儀と同じ弔事の1つですが、友引に行ってはいけないという言い伝えはありません。
また、お祝いごとをするイメージのある大安などに行ってはいけないといういわれもありません。
法事は六曜のどの日でも行うことが可能です。
●日取りのタブーはないが注意点はある
六曜において法事を行ってはいけない日取りはありません。
しかし法事の日程を決めるときには、気をつけなければならないことが多々あります。
菩提寺の都合が最優先
施主が法事を希望する日であっても、菩提寺の予定が埋まっていれば、その日に法事はできません。
とくに年末年始やお盆、お彼岸などお寺の繁忙期に法事を依頼したいと考えている人は、早めに相談するのがいいでしょう。
法要会館や料亭の空きを確認する
施主と菩提寺の予定が合っても、目当ての法要会館や会食を行いたいお店に空きがなければ、その日程では法事ができません。
あるいは法要会館やお店を変更する必要があります。
故人の命日など基準になる日よりも後になってはいけない
法事は対象となる故人の命日を基準に行われます※が、命日その日に法要を営む必要はありません。
ただ、命日よりも遅くなってしまってはいけないとされています。
死者を待たせることになってしまうためです。
ただ、前すぎるのも良くないとされています。
※例外として四十九日法要は亡くなってから49日目、百か日法要は亡くなってから100日目を目処に行われます。
皆が来づらい曜日は避けた方が無難
施主や菩提寺の都合が良くても、平日など皆が来づらい日は法事を避けた方がいいでしょう。
法事は土日に行うのが一般的です。ただし参列者らの都合がつけば、もちろんどんな曜日でも構いません。
法要は午前中に行ったほうが良いという考え方もある
古くから日本では、神仏に関わる行事は1日のうちでも早い時間帯に行った方がよいという考え方があります。
神様や仏様を一番に優先しようという意味で、この考え方を象徴しているのが初詣です。
元旦の真夜中にこぞってお参りに出かけるのは、神様へのお参りを一年の最初の行事にしようという意識から来ています。
よって法事も午前中に行うべきという考え方があります。
法事を午後からにしたいと考えている人は、親族の年長者などに念のためお伺いを立てた方がいいかもしれません。
祝日は避けた方がよいという考え方もある
法事は土日に行うのが一般的ですが、同じ休日でも国民の祝日を法事に充てることに抵抗のある人もいます。
祝日に法事を行いたいと考える人は、参加を予定する親族にも意向を尋ねてみましょう。
親族のお祝いごとに近い日取りは避ける
結婚式や結納など、親族のお祝いごとと法事が重なるのはあまり良くないとされています。
法事の日取りを決めるときは、お祝いごとの日程を意識するようにしましょう。
結局、法事に最適の日取りはいつ?
法事に最適の日取りは、対象となる故人の命日の、直前にある土曜か日曜です。
施主の都合が良ければ日曜日を第一候補、土曜日を第二候補とし、親族のお祝いごとと重ならないかをカレンダーで確認しましょう。
そのうえで菩提寺や法要会館、会食先の都合を確認し、法要が可能であれば決定します。
もしも命日直前の土日に法事ができないようなら、その前の週の土日を候補としましょう。
「この日に決めたい」と考えたらまずは各方面に相談を
以上、法事をやってはいけない日について解説しました。
法事は友引でも関係なく行うことができます。
日程は施主が1人で決めるのではなく、まずは候補日を複数選んでから菩提寺や法要会館、会食先に相談しましょう。
他のお祝いごとと重ならないか、家族に念のため確認してみるのも大事です。
この記事を書いた人
奥山 晶子
葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。