終活におすすめのエンディングノート8選|全世代が意識したい選ぶ基準とは

更新:2023.01.01

終活を始めたいと考えている方には、まずエンディングノートの入手をおすすめします。

エンディングノートには、終活に必要なテーマが網羅されているためです。

とはいえ、エンディングノートは種類が豊富で、選びきれないという人も多いでしょう。

この記事では、全世代に必要な項目がバランス良く構成されている、おすすめのエンディングノートをご紹介します。

終活を始めるならエンディングノートの入手から

ひとくちに終活といっても、テーマはさまざまです。

不用品を処分し住み心地のよい家にする生前整理、葬儀の生前見積もり、お墓の購入、財産のリスト化、遺言書の作成などなど。

自分の興味が赴くテーマから行なって構いませんが、「何から手をつけたら良いか分からない」「優先順位がほしい」と悩んでしまう人もいるはずです。

そんなとき、助けになるのがエンディングノートです。

エンディングノートは自分で自分のことができなくなったとき、治療や死後の手続きについて身近な誰かに希望を託すためのノートです。

その項目は、「介護」「医療」「葬儀」「墓」「相続」などに分かれていて、それぞれの希望について詳細に記載できるように構成されています。

終活で葬儀やお墓、相続について生前からできる手続きを進めるためには、自分自身の希望をしっかり認識できていなければなりません。

どんな葬儀を、お墓を、相続の形を望んでいるのか。

それらを書き込むことによって可視化できるのが、エンディングノートなのです。

エンディングノートに希望を書いていけば、自分がとくに終活のどんな点に興味が向いているのか、何から始めれば良いのかが分かりやすくなります。

興味のある項目はどんどん埋まるでしょうし、財産のリストアップができないと「早くやらなければ」と気づくかもしれません。

終活でやるべきことを可視化するために、ぜひエンディングノートを入手しましょう。

全世代が意識したい、エンディングノートを選ぶ基準

エンディングノートを書くイメージ

エンディングノートは種類が豊富です。

まずは、選ぶときの基準を3つ押さえておきましょう。

ページをめくりやすく書き込みやすい、薄いノート型が理想的

エンディングノートは、書店で書籍として売られています。

よって一般的な本のように厚みがあり、読み物満載のエンディングノートも販売されています。

しかし、エンディングノートは基本的に「読むもの」ではなく「書くもの」として捉え、書きやすいノートを選びましょう。

ページ数が150ページを超えてしまうようなエンディングノートは、お役立ち情報が豊富ですが、書きやすいとはいえません。

書きこんでいる最中に一生懸命本を押さえなければならないような厚みのあるノートでは、いずれ書くのがおっくうになってしまいます。

薄く書き込みやすいと感じるノート型がおすすめです。

とくに興味を持っている項目にページが割かれている

あなたがとくに興味を抱くテーマは何でしょう。

葬儀や墓、相続、それとも生前の過ごし方について?エンディングノートの多くが必要な項目を網羅していますが、項目ごとのページ数はさまざまです。

弁護士の監修なら相続関係、僧侶が書き手なら自分史など人生について、葬儀社が発行しているものは葬儀や墓の項目にページが割かれる傾向があります。

著者の肩書きを確認し、自分が書きたいと感じる分野に強みを持つ人が関わっているノートを購入するのがおすすめです。

デジタル遺品についての項目がある

デジタル遺品とは、パソコンやスマートフォン内のデジタルデータ、SNSアカウントなどネット上に存在する個人情報、ネットバンキングなどによる電子マネーの遺産を指します。

高齢者もインターネットを駆使する現代では、デジタル遺品に困惑する遺族が増えてきました。

遺族にとって必要なデータがあってもパスコートが分からなければロックを解除できませんし、ネット上には遺族が知り得ない故人の情報や電子マネーが存在しているかもしれません。

とくに最近発売されたエンディングノートには、デジタルデータやアカウントに関する項目を設けているものがあります。

死後、遺族に必要データの閲覧やアカウントの削除を委ねることができ、安心です。

終活におすすめのエンディングノート8選

コクヨ もしもの時に役立つノート

文具メーカーならではの長期保存に適している帳簿用紙を使用した、インクのりがよく書き込みやすいエンディングノートです。

弁護士監修で、相続についてのきめ細かな項目立てが特徴。

同社からはセットで使える遺言書キットや遺言書用紙と封筒のセットも発売されており、一緒に保管することができます。

コクヨ もしもの時に役立つノート

看取り医がつくった人生を大切に過ごすためのエンディングノート 改訂新版

「終末医療についてとくに何も考える機会を設けなかったことで、後々になって後悔する人をたくさん見てきた」という、さまざまな看取りを行ってきた医師が監修しています。

「告知と余命宣告」「最期のときの過ごし方」「食べることができなくなったら」など、終活医療についてのボリュームが大きいのが特徴です。

最期をしっかり生ききりたい人に。もちろん、終活に必要な他項目も、全て網羅されています。

看取り医がつくった人生を大切に過ごすためのエンディングノート 改訂新版

一番わかりやすい エンディングノート

終活セミナーを行ってきた行政書士が、3000人の受講者の声をもとに監修したエンディングノートです。

終活の専門家である監修者がおすすめする順番に項目が並んでいるので、優先順位に迷っている人も安心。

取り扱いに注意したい情報を記入する「マル秘カード」、パスワードを隠せるスクラッチシールなど、「生きているうちに家族に見られるのが不安」と思える情報を隠しておけます。

一番わかりやすい エンディングノート

自分史年表+エンディングノート 令和版

これからの人生を振り返ることができる「自分史」に大きくページを割いているのが特徴。

自分史は1926年から2045年まで書き込め、それぞれの年に起こったニュースが記載されているので、自身にあった事柄も思い起こしやすくなっています。

「これからやりたいことリスト」や「これからの旅」など、今後の生き方を考えるための項目が満載です。

自分史年表+エンディングノート 令和版

もしものときも絶対に困らない エンディングノート【自筆遺言書キット付き】

家計のプロであるファイナンシャルプランナーが監修した、法的に有効な自筆遺言書つきのエンディングノートです。

エピソード漫画が満載で、読むだけで終活に関するお金の豆知識が手に入ります。

エンディングノートを書くことで、今後のライフプランも立てたいと感じる人に。

もしものときも絶対に困らない エンディングノート【自筆遺言書キット付き】

もしものときのエンディングノート

弁護士監修で、文字が大きく取りかかりやすいエンディングノート。

本文は黒と青の二色刷で、落ち着いた気持ちで取り組むことができます。

2013年の発行ですが、2019年時点でなんと23刷。

スタンダードなエンディングノートの代表格です。全64ページとボリュームがかなり抑えられていますが、終活関係のコラムも充実しています。

もしものときのエンディングノート

そのまま書ける!パソコンでも使える! 明日のための「マイ・エンディングノート」

著者の本田桂子氏は「終活」という言葉が出始めた頃から、エンディングノートや終活系書籍の書き手として活躍している第一人者。

このノートも、「介護が必要になったときのくつろぎ方」など細かな項目まで目配りが効いています。

エンディングノートをWordやExcelで編集できるCD-ROMがついているため、パソコン派の人も楽に使えます。

また、財産や相続のことなど秘密にしておきたい内容と、介護や葬儀のことなどオープンにしたい内容が2冊に分かれているので、どこに保管しようかと迷わずに済みます。

そのまま書ける!パソコンでも使える! 明日のための「マイ・エンディングノート」

書いて安心 エンディングノート

2017年に刊行され、2020年の時点で18刷となっているエンディングノート。

あらゆる項目がバランス良く構成されており、随所に記載された制度や用語についてのQ&Aが役立ちます。

ビニールカバーのポケットには、CDやDVD、書類を挟むことが可能。

フリースペースが多めなのが特徴で、設けられた項目以外に書きたいことがあるとき、便利に使えます。

書いて安心 エンディングノート

まずは「最初の一冊」と考えて気軽に購入を

以上、おすすめのエンディングノートについて解説しました。

どのエンディングノートが自分の目的に合っているか分からないという場合には、ひとまず「一番良さそうなもの」を購入するのがお勧めです。

そして、そのノートを「最初の一冊」として使い始めましょう。

エンディングノートは、常に更新の可能性があります。

生きている限り、友人が増えたり、あるいは失ったり、銀行口座を増やしたり、あるいは整理したりといった変化が絶えることはないためです。

よって、エンディングノートは一度書いたら終わりではなく、何度も書き直すことになります。

そのうち、買い換えたいと感じることもあるはずです。

エンディングノートを、自分の人生を全て書き写すただ一冊のノートと考えているとなかなか決められません。

よって、「ひとまずこれに書いてみる」という気持ちで、最初の一冊を決めましょう。

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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