遺影の置き場所はみんなどうしてる?おすすめな保管方法をご紹介
更新:2022.09.14
お葬式で祭壇中央に飾られるご遺影。
お葬式が終わると納骨までの間は、自宅の仏間に後飾り壇を設置してもらい、そこにご遺骨とお写真を並べておくという方は多いと思います。
では納骨が終わると遺影はどこに置いたらいい?
この記事では、遺影の保管方法にお悩みの方へアドバイスさせていただきます。
遺影の置き場所で悩む方の殆どは後飾り壇の撤去前後
お葬式前に遺影の置き場所でお悩みになる方はあまりいらっしゃいません。
お葬式の前であれば、遺影の置き場所よりも臨終を迎えた時にどうするか、お葬式をどのように行うのか、これらに意識がいくのが自然です。
お葬式が終われば葬儀社が自宅に後飾りをしてくれますので、ここでも遺影の置き場所に悩むことはないでしょう。
遺影の置き場所に悩む方の多くは、納骨が終わり、これまで遺影を置いていた後飾り壇が不要になる、後飾り壇を撤去する前後になるでしょう。
遺影の置き場所や保管方法に困る理由
これまで後飾り壇に置いていた遺影をこれからどこへ置くべきか。このような保管方法にお悩みになる方には共通した理由があります。
遺影の用途が昔と今は異なりつつある
お葬式で使用した後は自宅で遺影は保管となりますが、四十九日など法事の場でも活用されるものでした。
現代も基本的に変わっていませんが、従来よりも四十九日などの法要を行う方が減少傾向にあり、法事を行ったとしても家族だけで簡単に済ませるという方が多くなりました。
そのため、お葬式以外でも活用されることがあった遺影が、お葬式でしか活用される機会がない存在へ変わる方もいらっしゃるのです。
自宅へ持って帰ると大きく感じる
遺影写真は、宗教的に葬儀において必ず必要なものではありません。
遺影はお葬式の会場、祭壇中央に飾られる写真として活用されている光景を思い浮かべる方も多いでしょう。
会場の後ろの席からLサイズの写真を見た場合、Lサイズでは写真が小さすぎて全く認識できません。
そのため、会場の後方でも認識できるように少し大きな写真を用意するようになったのが始まりです。
現在ほとんどの場合、四つ切りサイズが用意されています。
但し、100名以上参列するようなお葬式の場合、四つ切りサイズでも小さいため、さらに大きな電照写真が用意されることもあります。
つまり遺影は、葬儀会場の大きさに合わせて作られたものなのです。
自宅に持ち帰ると大きいと感じて、保管場所に悩む方がいらっしゃるのも無理はありません。
独立して新たな新居に住んでいる
遺影は、お葬式後は遺骨と一緒に後飾り壇へ設置する慣習に倣い、納骨が終わって後飾り壇が不要になれば、仏間にご先祖様の遺影と一緒に飾るというのがごく自然に行われ、従来は流れに身を任せるだけでよかった時代もありました。
子が親の家を継ぎ、家の仏間には先祖代々の遺影が掲げられていました。
あなたの実家でもご先祖の遺影が隣同士に並べてある光景が今もあるかもしれません。
しかし現代では、それぞれが独立した形で生活していることが多く、実家を離れて家を持つ方も多くいらっしゃいます。
新しい新居にご先祖の遺影が仏間に隣同士に並べてことは少なく、仏壇のある仏間自体がないという方も多いでしょう。
遺影の保管場所にお悩みになる方の多くがこのケースです。
よくある遺影の保管方法をご紹介
ではどのように保管すると良いのか、いくつか方法をアドバイスさせていただきます。
遺影を小さくして飾る
一つ目は、遺影を一回り小さくコンパクトなサイズにして家の中に飾るというものです。
大きいと置き場所に困るものも、小さくすればリビング、テレビ台に置くなど選択肢は増えます。
カメラのキタムラに持参すれば数千円で行ってくれるはずです。
アルバムにする
遺影を額から取り出して写真だけをアルバムに収めるという方法もあります。
アルバムに収めれば写真に傷がつきにくく、本棚に収めることも容易です。
収納という面では選択肢がかなり広がるでしょう。
遺影を箱に収めて保管
遺影をそのまま箱に収めて保管するという形もあります。
ジャストサイズな箱が見つからない場合は、緩衝材を入れて、額面が割れない工夫をすると良いでしょう。
箱に収容すれば、押し入れやクローゼットなど大切なものを保管している場所に一緒に収めるということも可能になります。
額を変えて飾る
お葬式で作ってもらった遺影は、黒い額に入っていることが多いと思います。
この先ずっと家の中に飾るならお葬式を連想させる黒い額よりも、もっと華やかな額や家に溶けこむ自然な額が良いでしょう。
新たに額を購入して飾るだけでも雰囲気が大きく変わるはずです。
最後に
遺影は故人の生前の面影を残すものとして自分達だけでなく、次の世代へも影響を与えるものです。
ご先祖がどんな方だったのか、孫のその次の世代へと引き継がれる場合、生前を知る手がかりの一つになりますので大切にしたいものです。
とはいえ、お葬式が終わった後にそんなことを考えるよりも、日常生活を送る上で置き場所に困る問題を解決する方が先決となるのもよくわかります。
個人的にはご家族の思い出のアルバムを保管してある場所に一緒に置いておくのがおすすめです。
自然といつまでも大切に保管できますし、思い出を振り返る時にいつも忘れずに遺影も登場してくるでしょう。
日常生活の中で故人の存在をそばで感じることのできる空間を作るのも良いと思います。
一人でお墓に入るよりも、常に家族のそばにいたいという方であれば、なおさらです。
置き場所に決まりはなく、ご家族の自由です。
ご家族でどこに保管するのが良いか、一度話し合ってみましょう。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。