縁日とはお祭りや屋台のことではない?本来の意味と主な縁日をご紹介
更新:2023.06.29
「縁日」と言えば、お寺や神社の参道にたこ焼き、焼きそば、綿菓子、金魚すくい、りんご飴などの露店が並んでいる光景を浮かべる方が多いのではないでしょうか。
お祭りのイメージがある縁日ですが、本来の意味や由来をご存知の方は少ないかもしれません。
そこで縁日の本来の意味や由来、そして主な縁日をご紹介させていただきます。
縁日とは|本来の意味や由来
現代では、「おうちで縁日」「文化祭で縁日」などの言葉が当たり前に飛び交うように、縁日=お祭り、屋台のイメージが定着しています。
しかし縁日は正式には「有縁日(うえんにち)」「結縁日(けつえんにち)」といい、神さまや仏さまと特別な縁で結ばれる日を意味します。
この縁日に神社や寺院をお参りすると、いつもの何倍ものご利益が得られると言われています。
そのため縁日には、多くの人が集まるようになり、露店が並ぶようになったのです。
神さま、仏さまごとに特別な日があり、それぞれに縁日があります。
ですから「縁日」は無数にあります。
その中から代表的な縁日を後ほどご紹介させていただきます。
例えると縁日=お得な日
縁日の本当の意味をしっかり覚えていただくために、わかりやすい例えでお話します。
神さま、仏さまから通常の何倍ものご利益を得られる、特別な日が縁日です。
普段の日常生活で、通常日の何倍もお得な日と言えば、イオンの5倍ポイントデー、楽天の5倍ポイントデー、ウォンツの4ポイントデーなどがあります。
例えば、イオンの5倍ポイントをもらえるお得な日が「縁日」です。
ポイントがお得な日は、イオン、楽天の両者では異なります。
この場合のご利益は、ポイントが5倍になる特典です。
主な縁日をご紹介
次に主な縁日をご紹介させていただきます。
どの神さま、仏さまがいつ縁日なのか、どんなご利益を得られるのか。
見ていきましょう。
薬師如来(お薬師さん) | 毎月8日、12日 | 病を癒し、寿命を伸ばしてくれる |
日蓮 | 毎月13日 | 日蓮の命日10月13日にちなんでいる |
観音菩薩(観音さま) | 毎月18日 | 悩み苦しむものを救ってくれる。7月10日に参拝すると4万6千日分のご利益が得られると言われている。 |
弘法大師空海(お大師さま) | 21日 | 空海の命日3月21日にちなんでいる |
地蔵菩薩(お地蔵さま) | 24日 | 無病無災、五穀豊穣、交通安全などのさまざまなご利益が得られる |
不動明王(お不動さま) | 28日 | 救い難いものを成仏させてくれる |
大黒天(大黒さま) | 甲子(きのえね)の日 | 財福の神。60日に一度の甲子の日が縁日 |
水天宮 | 戊(つちのえ)の日 | 安産の神。お産の軽い犬にあやかり、戊の日が縁日 |
毘沙門天 | 寅(とら)の日 | 毘沙門天 寅(とら)の日 毘沙門天は四天王の一人。1、5、9月の最初の寅の日が縁日 |
広島の主な縁日
稲荷大明神(とうかさん)
稲荷大明神は、広島市中区の圓龍寺の総鎮守で、祭りで有名な「とうかさん大祭」は、稲荷を音読みで「とうか」と呼ばれたのが始まり。毎年6月の第一金曜日から3日間。
商売繁盛、家内安全、厄除けなど生活全般にご利益があると言われています。
この期間限定で販売される「破魔うちわ」は、幸福、長寿、安全、健康のお守りとして人気です。
えびす様(えべっさん)
七福神の中で福徳の神と言われるえびす様、海の向こうからやってくる神様をえびす様として祀っていたので、もともとのご利益は豊漁でしたが、今は商売繁盛が有名です。
広島市中区の胡子神社では、三柱の神様が一体となってえびす様としてお祀りされています。そのため金運のご利益が他県の胡子神社よりも高いと言われています。
毎年11月18日〜20日に胡子大祭(えびす講)がありますが、その期間中にいただける金色の御朱印帳が人気です。
住吉大神(すみよしさん)
広島市中区の住吉神社の大神は、祓えの神、清めの神と言われています。
一年の中で自身についていた心の垢を払い除き、清浄な心に立ち戻り、活力を与るという住吉大祭という祭りが毎年7月下旬〜8月上旬に行われています。
人形に自分の身代わりになってもらい罪や穢れを移し、水に流すという「人形流し」が有名です。
最後に
神さま、仏さまに得られるご利益が異なるので、希望するご利益がある方は、事前に調べたうえで参拝し、その神さま、仏さまと縁を結びましょう。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。