墓石の文字入れ、いつどのように頼む?手順や費用を解説

更新:2022.06.28

お墓に刻む文字といえば「先祖代々之墓」や、「●●家之墓」などが一般的です。

しかし近年では「心」や「和」など、好きな文字を刻む人も増えてきました。

また、葬儀後に新たに納骨を行う際、お亡くなりになられた方のお名前を入れる必要に迫られる方もいらっしゃるでしょう。

墓石の文字入れを依頼するときの手順や時期、費用について解説します。

墓石の文字入れが発生するシーン

墓石へ文字を入れる機会は、一回きりではありません。

主に以下のような場合に必要になります。

お墓を作ったとき

多くの人が、お墓を新たに作った時、墓石へ文字入れを行います。

存命中に墓石を作り、自分の名前を刻むことも可能です。存命している人の名前をお墓に刻むときには、彫刻した文字に朱色のペンキを入れておきます。

没後、白いペンキへ塗り替えます。

地域や墓石の種類によっては黒いペンキや金箔が使われることもあります。

すでにあるお墓へ新たに納骨する必要があるとき

お墓へ納骨する遺骨が増えたときには、墓石の側面や墓誌(墓石の隣などにあるプレート状の石碑)に故人の名前、戒名、没年月日などを刻んでから納骨します。

お墓の文字を変更したいとき

墓石の種類や建て方によっては、すでに刻まれている文字を削って違う文字を入れることも可能です。

墓石の文字入れには1ヶ月ほどかかる

墓石の文字入れは、納骨式までに済ませておくのが一般的です。

期間としては1カ月ほど見ておくといいでしょう。

とすると、親族などへ納骨式の案内を送る前に手はずを整えていた方が良いことになります。

四十九日法要と同時に納骨式をする人は、葬儀が終わったらすぐに石材店へ依頼するのがおすすめです。

なお、死後にお墓を新設する必要があるなら、四十九日法要と同時に納骨式を行うのは少し無理があるかもしれません。

石材店へスケジュールを確認し、四十九日法要に間に合わない場合は百か日や一周忌にあわせるなど、柔軟に考えましょう。

四十九日に納骨を行わないといけない決まりはございません、ご安心ください。

納骨はいつ行うのか、タイミングについて詳しく下記でご紹介していますので、よかったら合わせてご覧ください。

墓石の文字入れを依頼するときの手順

墓石のイメージ

1.依頼先を決める

まずは依頼先を決めます。

追加で文字入れをする場合は、その墓石を建てた石材店が最も頼みやすいでしょう。

墓石を建てた石材店が分からない場合は、霊園や寺院が指定する石材店が安心です。

それでも安心できない方、費用に不安がある方は近くの業者を探して相見積もりをおすすめします。

2.希望納期を提示して見積もりを出してもらう

納骨式の日取りがすでに決まっている場合は、希望納期をハッキリ指定します。

彫刻が仕上がってから納骨式をしようと考えているときは、納期の目安を聞いておきましょう。

そのうえで見積もりをもらいます。

見積額に納得するのであれば、契約成立となります。

3.石材店に彫刻文字を相談する

彫刻文字について打ち合わせを行います。

追加で文字入れをしたい場合、すでに彫刻されている故人名に揃える形で「戒名」「俗名」「享年」「死亡年月日」などを彫刻します。

彫り直すことは難しいので、必ず正確な情報を伝えるようにしましょう。

すでに戒名などが刻まれた位牌があれば、写真を持参するのがおすすめです。

スマートフォンで写真を撮って、相手へ見せる方法でも結構です。

新たにお墓を作る場合は、墓石の正面に「先祖代々之墓」や「●●家之墓」、または「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」など宗派色のある言葉、あるいは「和」や「夢」など好きな文字を入れた上で、側面にお亡くなりになられた方の名前を刻むのが慣例です。

4.魂抜きを行う

魂抜きとは、お墓や仏壇など信仰の対象となっているものを、ただのモノにする儀式です。

すでにあるお墓に追加の文字入れを行う場合は、いったん魂抜きをしてから作業を行います。

僧侶がお墓の前で読経を行い、魂抜きの儀式を行います。

5.墓地か石材店の作業現場で彫刻を行う

墓地、あるいは石材店の作業現場に墓石を移動させて彫刻を行います。

6.納品

彫刻後、依頼主と石材店が両者立ち会いのもとで墓石の彫刻文字を確認し、納品となります。

墓地が遠方で確認に行けない場合は、石材店にはお墓の写真を撮影してもらいます。

7.魂入れを行う

彫刻が全て終了したら、僧侶に魂入れの儀式を行ってもらいます。新たにお墓を作る場合は、納骨式と同時に行う人がほとんどです。

墓石の文字入れの費用相場

文字入れを行う際は、シーンに応じて費用相場が異なります。

全てのシーンでかかるのがお布施

以下に紹介する全てのシーンでかかるのが、魂抜きと魂入れの儀式をするためのお布施です。

それぞれ、お布施の相場は1万~3万円になります。

なお、寺院からお墓まで遠い場合には、お車代が必要になります。

お車代の相場は5千円で、かなりの遠方であるなら1万円にすることもあります。

タクシー代の往復分を目安に厚くします。

新たにお墓を作るとき

新たにお墓を作るときは、文字入れの費用が建立費用に含まれていることが多いでしょう。

ただ、かなり長い戒名を刻む場合や、モチーフを彫刻するなど高度なデザインが必要な際は、追加料金がかかる場合があります。

追加で文字入れを行うとき

追加で文字入れを行うときは、3.5万~5万円が相場になります。

石材店への墓石搬送が必要な場合は、2万~3万円ほど搬送料が追加されます。

今ある文字を削って他の文字を入れるとき

文字入れを行う5万円程度の他、墓石を削って磨くための費用が必要になります。

どの程度削らなければならないか、削りやすい材質なのか、墓石が劣化していて難易度が高くないかなど、事情によって費用はかなり変動します。

トータルとして10万円で済む場合もあれば、30万円を超えることもあるでしょう。

どうしたいかを具体的に石材店へ相談しよう

以上、墓石の文字入れについて解説しました。

石材店へ依頼する際には、「いつまでに」「どんな文字を彫りたいのか」、あるいは「どこを削って、どんな文字を新しく入れたいのか」を具体的に相談しましょう。

具体的であればあるほど、正確な見積額をもらえます。

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この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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