お線香のあげかた|本数は何本立てる?正しい作法をご紹介

更新:2022.06.07

お線香をあげる場面に遭遇したとき、正しい作法できちんと行いたいと思う方は多いのではないでしょうか。

この記事ではお線香のあげ方について解説させていただきます。

宗派ごとに正しいとされるお線香の本数も異なりますので、ご確認ください。

お線香をあげる意味

お線香をあげる行為には、下記のような意味があります。

1.お香の香りが仏様の食べ物になる

お線香の香りもさまざまな種類がありますが、なんとなく心が落ち着き、癒されたご経験はありませんか?

お香から出る香りは、仏様の食べ物になると言われています。

香食(こうじき)と言い、線香をあげることは、仏様に食事を召し上がっていただくということになるのです。

2.お香の香りでその場を清める

仏様に供えるものですからお線香は清らかなものとして位置づけられます。

そのお線香を焚いて出るお香の香りは、清らかな香りとされます。

仏前だけでなく、香りが届く場所を隅々まで清めてくれます。

自宅であれば家の中全体を、式場であれば式場全体を清めているのです。

3.お香を供える行為が、その方自身の精進を表す

お線香を供えることは、その方自身にも大切な意味があり、精進を表しています。

お線香に火をつけるとゆっくり時間をかけて燃え進み、やがて燃え尽きます。

日々地道に修行を続けて煩悩を一つずつ焼き払い、いつか全ての煩悩を焼き払うことが出来て煩悩がなくなる。

そして悟りを得るまでを象徴していると言われます。

お線香を供える行為が、仏様へ「私も精進しています」と伝える行為になるのです。

お線香をあげると仏様にもあなたにも功徳がある

仏様への食事として、ご自身の精進としてお線香をあげる行為は、仏様への供養や、修行に関するものにあたります。

これは功徳(善い行いに対するご利益)がある行為になります。

お線香で香を供えることで、仏様は供養を受けて、あなたにはご利益があるという双方が良いとなります。

こちらを把握した上でしっかり心を込めてお線香をあげましょう。

お線香をあげる時の正しい作法

お線香をあげる手順

それではお線香をあげる正しい作法について、順番に解説しますのでご覧ください。

1.仏様の前に座布団がある場合、座布団に座る前に正座で遺族に一礼
2.座布団に座り、仏様の正面で一礼、そして合掌
3.ローソクに火がついていない場合は、火をつける
4.ローソクの火でお線香に火をつける
5.お線香を持つ手と逆の手で少し扇ぎ、火を消す
6.線香に煙が出ていることを確認できたら、香炉にお線香を立てる
7.合掌して、一礼
8.座布団から降りて遺族に一礼

お線香をあげる時にNGなこと

・お線香に火をつけるときは、ローソクの火で行いましょう。直接ライターやマッチで行うのはマナー違反です。

・お線香に火をつけたら手で軽く扇いで消すのがマナーです。息を吹きかけて消すことはNGです。

・りんを鳴らすことは構いませんが、元々は読経を行う際に音程や速さを調節する役割が主なので、読経をしないときは本来鳴らす必要はありません。

宗派別に異なる線香の本数

浄土真宗(本願寺派)二つに折って寝かせる
浄土真宗(大谷派)二つに折って寝かせる
浄土宗1本〜3本揃えて立てる
曹洞宗1本立てる
臨済宗1本立てる
真言宗3本立てる
日蓮宗・日蓮正宗1本立てる

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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