浄土真宗のお布施金額相場を解説|葬儀・初七日・四十九日・納骨まで
更新:2022.05.29
浄土真宗のお布施はどのくらい必要だろう?
このような疑問にお答えするべく、葬儀のお布施から初七日、四十九日、納骨までのお布施相場を解説させていただきます。
お布施とは
本来のお布施の意味
お布施は、仏教では悟りを求めて修行する人が行うべき6つの実践徳目の1つとされ、施す人、施される人、施す物品、全て空であり、執着心を離れて行うべきものとされています。
主に3つに分けられます。
・財施(ざいせ)
出家修行者、仏教教団、貧窮者に財物、衣食などの物品を与えること
・法施(ほっせ)
正しい仏法の教えを説き、精神的な施しを行うこと
・無畏施(むいせ)
不安や恐れを抱いている人に安心の施しを行うこと、困った人に親切を施すこと。
現代のお布施
現代では、葬儀においてお寺様が読経を行うことによって法施を施し、遺族はこれに対して感謝し、財施で応えるという関係にあります。
よくお布施は「お気持ちでおこなうもの」と言われるのは、お寺様が読経をするのはビジネスではなく、あくまで法施です。
遺族がお布施を読経の対価として支払うのではなく、あくまで財施として行うものという考えがあるからです。
とはいえお布施は読経に対する対価として捉えられることが多くなっていますし、お布施に相場があるのも事実です。
下記より、浄土真宗のお布施金額についてご案内させていただきます。
浄土真宗のお布施 金額相場一覧表
浄土真宗のお布施は、枕経〜葬儀まで平均相場は12万〜30万です。
幅がある理由は、後ほど解説させていただきますので、まずは下記で金額相場をご確認ください。
御布施 | 御車料 | 御膳料 | |
枕経 | 1万~3万 | 5千 | |
通夜 | 1万~3万 | 5千 | |
葬儀 導師 | 10万~30万 | 5千 | 5千 |
葬儀 副導師 | 7万~15万 | 5千 | 5千 |
葬儀 伴僧 | 3万~7万 | 5千 | 5千 |
灰葬 | 1万~2万 | 5千 | |
初七日 | 2万~3万 | 5千 | |
週参り | 3千~5千 | ||
四十九日 | 2万~5万 | 5千 | 5千 |
祥月命日 | 3千~5千 | ||
百カ日 | 1万~3万 | 5千 | |
盆・彼岸 | 1万~3万 | ||
一周忌 | 2万~5万 | 5千 | 5千 |
三回忌 | 2万~5万 | 5千 | 5千 |
入仏式 | 1万~3万 | 5千 | 5千 |
納骨 | 1万~3万 | 5千 | |
墓石建立 | 1万~5万 | 5千 | |
法名 | 必要ありません | ||
院号法名 | 20万~30万 |
お布施相場に幅がある理由
お布施相場に幅があるのは、主に二つの理由があります。
お布施の相場は、お勤めの人数で大きく変わる
お布施の金額は、お勤めしていただくお寺様の人数でも変わってきます。
一人でお勤めなのか、二人でお勤めなのか、人数分のお布施を用意する必要があるからです。
従来は2人でお勤めする事が多く、中には3〜4人でお勤めする葬儀もありましたが、最近は家族葬が多くなり、葬儀をあまり派手にしたくないという要望も多くなりました。
浄土真宗の家族葬では、お寺様がお一人でお勤めするケースが増えていますが、お寺によっては2名でお勤めが基本という考えの寺院もあります。
導師だけの場合、導師+副導師の場合
葬儀の日にお一人でお勤めの場合、「導師のお布施」のみ必要となります。
導師の金額相場は10万円〜30万円です。
一方で導師と副導師の二人でお勤めの場合、導師のお布施10万円〜30万円に加えて、副導師のお布施として7万円〜15万円が必要になります。
お勤めするお寺様が1名か2名の違いだけでも、相場は大きく変わってくるのです。
授かる法名によって無料or有料
浄土真宗では仏弟子になる際に「釋◯◯」というお名前を授かります。
他の宗派では戒名(かいみょう)と言いますが、浄土真宗では法名(ほうみょう)と言います。
こちらは無料でつけてくれますので、他宗派にある戒名料というのは、浄土真宗では必要ありません。
多くの方は普通の法名を授かりますが、格式の高い院号法名を希望される方もいらっしゃいます。
こちらの院号法名は、京都にある浄土真宗の総本山本願寺から授かるもので、こちらの法名は有料となり、相場は20万円〜30万円です。
どちらの法名にするかで、相場は大きく異なってくるのです。
お布施を用意する際の注意点
お車料
お寺様へ交通費としてお車料をお渡しするのが一般的です。
相場は5千円ですが、遠方の場合は1万円、それ以上にしたほうが良い場合もあります。
タクシーで往復した場合にいくらかかるかを目安として考えてみましょう。
寺院で葬儀を行う場合、遺族が寺院の送迎を行う場合は、お車料を用意する必要はありません。
お膳料
従来は葬儀の日、法要の日は、家族と一緒にお寺様も会食を行う事が多かったのですが、現在はお膳料をお渡しして済ませることも多くなりました。相場は5千円です。
お寺様と一緒に会食を行う場合、お膳料を用意する必要はありません。
葬儀社に確認がおすすめ
枕経だけでも相場は、1万円〜3万円と幅があります。
正直なところ、個人的には枕経は1万円で十分、一択だと思っています。
しかしそれでも地域によって相場が異なることを存じていますので、幅を持たせてご案内させていただいています。
その地域のお布施事情を一番よく知っているのは、地元の葬儀社です。
こちらに記載させていただいている相場を参考にして、地元の葬儀社に確認してみるのも良いでしょう。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。