葬式代がない、葬儀費用が払えないと困った時の解決方法を解説
更新:2024.01.23
お葬式代がない、葬儀費用が払えないかもしれないとお困りの方へ、お金がない時にどうやって葬儀を行うかに焦点を当てて1級葬祭ディレクターの筆者が解説させていただきます。
どういう葬儀社へ依頼するべきか。
具体的な例を示してお役立ていただくことを第一に考えて解説させていただきますので、最後までよかったらご覧ください。
目次
ネットにはうわべだけの解決方法ばかり
ネット上にはお葬式代へ不安を持つ方へ向けての情報は載っていますが、うわべだけの情報ばかりで本当に役立つものなのか疑問です。
下記はよくネット上に掲載されている解決方法です。
1.給付金を受け取りましょう
2.クレジットカードで分割払いをしましょう
3.信販会社の葬儀ローンはいかがですか?
4.葬祭扶助制度を利用しましょう
給付金を受け取りましょうについて
給付金は自治体によりますが、受け取れる金額は3万円〜5万円が相場です。
3〜5万円では葬儀代を全て賄うことはできません。
またこの給付金が受け取れるのは葬儀後1ヶ月〜になりますので、葬儀が発生してすぐに受け取れるお金ではありません。
このような理由からあてにできません。
クレジットカードで分割払いで対応しましょうについて
クレジットカードで分割払いという手段は、葬儀に限らず日常生活において、急にまとまった支払いが必要な時にすぐに思いつく方法です。
クレジットカードで分割払いという方法は、誰もが思いつきます。それができないから困ってるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
クレジットカードには限度額があります。
それを超えてしまう葬儀代の分割払いはできません。
信販会社の葬儀ローンはいかがですか?
信販会社のローンには審査があります。
年収や勤務先、その他の借り入れの有無などを申告します。
定職について毎月決まった収入がある方は、審査に通りやすいものです。
そもそもこの信販会社のローン審査に通る方であれば、その多くの方は「葬儀代が払えない」というお悩みには至ってないでしょう。
「年金暮らしで収入も少ないので、きっとローン審査は通らないと思う」
きっとローン審査には通らないだろうと自覚のある方にとって、信販会社の葬儀ローンというアドバイスは全く意味のないもの、有効ではありません。
葬祭扶助制度を活用しましょう
葬祭扶助制度は国が葬儀費用を負担してくれるものですが、利用出来る方は生活保護を受けている方、そして身寄りのない方です。
生活保護を受給していらっしゃる方には有益な情報になりますが、現在生活保護を受給していない方々にとっては役立つことはなく、羨ましさを感じるだけで有益な情報にはなりません。
この記事では、現在預金がほとんどない中で葬儀が発生しそうな方、葬儀代どころか日々の生活がやっとの方、そんな方々へ突然ご不幸が訪れて「葬儀代が払えない」と頭を抱えなくても済む方法をお伝えさせていただきます。
この危機を乗り越える方法を、何度も実際に相談に乗ってきた葬儀業界20年以上の筆者が実体験を踏まえてご紹介させていただきます。
クレジットカードの限度額が高い方、信販会社へローンを組むことが出来る方、現在生活保護を受けていらっしゃる方は、すでに解決できますのでこの記事をこれ以上読む必要はありません。
そうでない方は最後までしっかり読んでください。
結論 葬儀代が払えないと困った時の本当に役立つ解決方法
年金暮らしの方は、信販会社を通さず葬儀社と直接分割払い
年金生活者は、偶数月には年金が振り込まれます。
つまりローン審査が通らない、毎月の分割払いよりも2ヶ月に一度、年金が振り込まれる月に支払うという方法はできないだろうか?
臨機応変に事情に応じて融通の利く葬儀社はないだろうか?
これが年金生活者の方々にとって一番知りたい情報のはずです。
しかしネットには答えがありません。
ですから冒頭に私はうわべだけの情報しか載っていないと申し上げました。
ご安心ください「2ヶ月に一度、年金が入る月にのみ分割払いに応じてくれる葬儀社はあります」
私は広島自宅葬儀社で何度もそのような方々のお手伝いをさせていただいています。
10万円の葬儀代を5回払い(4月、6月、8月、10月、12月)もありました。
弊社の場合は対応地域は広島県ですが、このような対応が可能な町の葬儀屋さんはどこの都道府県にもあるはずです。
全国区の葬儀社ではなく、地元の葬儀社に「2ヶ月に一度の年金月の支払いでも構いませんか?」と相談してみましょう。
すぐに葬儀代がない方は町の葬儀屋さんへ分割払い
葬儀は無理して行うものではありません。
出来る範囲で背伸びせずに行うこと、お金をかけることよりも生前に感謝する、心を込めて送る、気持ちの部分が大切です。
クレジットカードや信販会社の葬儀ローンなどを利用する場合、金利負担を考えて分割払いは助かるけれども、少しでも支払い回数を少なくしようとする心理が働きます。
ここが多少の無理を生じさせるポイントです。
少しでも負担がないようにするには、葬儀社と直接分割払い契約ができるところはないかを探してみましょう。
葬儀社からすれば信販会社を間に挟んだほうが、未収リスクがなく、楽で安心なのです。
それでもご家族様のために自らリスクを負って直接の分割払いに応じてくれる葬儀社というのは、どこの都道府県にもあるはずです。
「毎月15,000円づつでいいですよ」という葬儀社もあるはずです。
もし見つかれば、ご家族の無理のない範囲で月々お支払いできるでしょう。
クレジットカードの分割払いは臨機応変に対応してくれる葬儀社へ
クレジットカードには限度額があります。
限度額の高いクレジットカードを持参の方は、葬儀代が払えないとお悩みになってこの記事をご覧になっていることはないでしょう。
葬儀代をクレジットカードで分割払いでできないかとお悩みの方の限度額は10万円〜30万円になっている方が多いのではないでしょうか。
実際には葬儀代だけでなく日常での買い物をクレジットカードで行っている場合も多く、カードで使用できる金額=葬儀代とはならず、全てを葬儀代に使用できるわけではありません。
この場合、例えば葬儀費用が28万円だったとします。
クレジットカードAで14万円の支払い、クレジットカードBで残り14万円の支払いという、2枚のクレジットカードで支払う方法もあります。
または兄Aのクレジットカードで14万円、弟Bのクレジットカードで14万円、兄弟それぞれのクレジットカードでお支払いという方法もあります。
このような事情に応じた臨機応変な対応は、やはり地元の町の葬儀屋さんなら問題なく可能でしょう。
このようなことから、お葬式の予算が心配な方は全国区のCMでお馴染みの葬儀社よりも、地元の町の葬儀屋さんがおすすめです。
但し、実行前に本当にそれがご自身にとって一番無理のない最良な支払い方法なのか、確認してみてください。
いずれの方法を取るにしても、無理のない範囲で返済を行うのは必須です。
繰り返しますが、葬儀は無理して行うものではありません。
これまでは葬儀代がない方がどうやって支払いをしていくか、ここに焦点を絞って話してきましたが、次からは行う葬儀の内容について触れていきたいと思います。
1.まずお葬式にかけられる予算を確かめてみましょう
まずお葬式代がないと不安になる前に、お葬式にかけられるご予算がいくらなのかを把握しましょう。
漠然と「お金がない」ではなく、いくら足りないのか、それとも足りるのか、把握していきましょう。
葬儀においては「給付金」「香典」ともらえるお金もありますが、あてにしてしまうと予想が外れてしまった場合にダメージを被るのはあなたです。
ですから、ここではもらえるお金はあてにせず、しっかり予算を把握していきましょう。
1.本人の預貯金を把握する
2.ご自身の預貯金から葬儀に費やせる金額を把握する
3.その他、兄弟など家族へ相談してみる
これらのことを整理していくと、いざお葬式が発生した時にいくらまでならお葬式代へ充てることができるのか。
把握することができます。
2.予算を超えないお葬式を検討しましょう
例えばこの金額が10万円だった場合、10万円以内で出来るお葬式を検討しましょう。
30万円だったら30万円以内のお葬式を、50万円だったら50万円以内のお葬式を検討しましょう。
ここで予算が5万円だった場合も、5万円以内のお葬式を検討しましょう。
5万円で出来るわけがないと葬儀社へ相談しないうちに自ら諦めてしまうことは避けましょう。
これはかなり大事です。
あなたの予算が5万円であれば、それを予め複数の葬儀社へ正直に伝えてみましょう。
相手が親身になってくれる葬儀社なのかどうかが依頼する前からすぐにわかるはずです。
ここでかなり依頼する葬儀社は絞れます。
自分の予算に見合う葬儀社が見つかるのか、到底見つからないほど困難なのか、徐々にわかってくるはずです。
良さそうな葬儀社が見つかれば、見積もりを依頼してみましょう。
できればもう1社見積もりを依頼してみて、複数社で比較検討できる状態にしておくと良いでしょう。
3.葬儀代を予算内は大前提、その中で希望を伝えていく
ここまでは希望するお葬式のスタイルからお葬式について考えるのではなく、予算から自分たちが可能なお葬式を考えるというプロセスを現時点では踏んでいただきました。
そのため、予算内に収まる葬儀社は見つかったけれども、考えていた葬儀と全く違うということが起こり得ます。
このようなことが起こらないためにも、今度はしっかり葬儀社と直接話をしながら内容も確認していくことが大切です。
ここで筆者が過去に執筆させていただいた下記の記事をよかったらご覧ください。
「一番安い葬儀、簡単なお葬式」というものが、どれだけ人によって認識が異なるのかを解説させていただいています。
家族の間での認識の違い、葬儀社との認識の違いなどが解けるかもしれない部分があると思います。
4.どうしても予算を超えてしまう場合、初めて支払い方法を考える
ここまでの過程を踏まえていけば、自分たちが無理難題を言ってしまっていると気づくこともあるかもしれませんし、葬儀社に希望を叶えてもらえたとなることもあるでしょう。
予算内で収まればOK、どうしても予算を超えてしまうのであれば、そこで初めて支払い方法について検討を始めましょう。
まずは葬儀社に支払い方法はどういうものがあるのか、そして分割払いに対応しているかを尋ねてみましょう。
信販会社を通さずに葬儀社独自で分割払いに対応しているところは数多くあります。
この場合、金利は0のところも多いはずです。
無理のない支払いが可能になります。
5.あてにしてはいけないが、もらえるお金も把握しておく
最後に、あてにしてはいけないと冒頭にお伝えした「もらえるお金」についても解説させていただきます。
葬祭費もしくは埋葬料(費)をいただく
都道府県によって異なりますが、健康保険もしくは後期高齢者医療制度に加入している方がお亡くなりになった場合、もれなく給付金(葬祭費)が受け取れます。
会社勤めの現役の方であれば協会けんぽなど社会保険のほうから埋葬料(費)として給付金をいただけます。
わかりやすく言えば名称が異なり、手続き先が異なるだけで、国民は必ずどこかから何らかの形でもれなく給付金を受け取れるということです。
平均して3万円〜5万円受け取れます。
お住まいの自治体で金額が異なりますので、東京都の方であれば「東京都 葬祭費」などで検索して確認してみてください。
葬祭費、埋葬料について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
香典をいただく
突然やってくるお葬式、前もって準備しておくことは難しいものです。
香典という風習は、地域の助け合いの精神から生まれたものでもあります。
葬儀代の足しにしてくださいと地域のみんなで助け合って葬儀を行う文化が以前はありました。
葬儀を自分だけで行うものと考えなくて良いのです。
「香典をください」と親族へ言う必要はありません。
何もおっしゃらなければご親族の方々は香典を持参して来られます。
香典は「お断りしない限りは持参する」
そういう文化が今もあります。
補えない部分を自己負担する
葬祭費(埋葬料)を給付いただき、香典をいただき、残りがご家族の自己負担となるわけです。
これが最も自己負担額を抑えるお葬式の方法で、例えば給付金が5万円、親族3世帯から香典を3万円いただいた場合、自己負担は2万円となるでしょう。
弊社の実例
弊社で行った実例をご紹介させていただきます。
■福山市の方が直葬を行う 参列者12名
直葬プラン | 82,500円 |
福山市火葬料 | 8,000円 |
合計 | 90,500円 |
福山市から給付(葬祭費) | 30,000円 |
親族からの香典 | 40,000円 |
ご遺族の負担 | 20,500円 |
合計 | 90,500円 |
ご遺族のご負担は0円にはなりませんでしたが、20,500円となりました。
このようにできる限り負担を少なくして葬儀を行うこともできるのです。
葬儀社への支払いは後日でもO K
通常葬儀社への支払いは当日が原則と思われている方もいらっしゃいますが、実は後日でも全く構わないところが殆どです。
後日支払いを理解してくれて、無理のない範囲で支払い期日を設定してくれる葬儀社へ依頼をすることをお勧めします。
信販会社にローンを組む必要はありません、事情を理解してくれて親身になってくれる葬儀社を探しましょう。
あなたの街にもきっといらっしゃるはずです。
広島県にお住まいの方であれば、広島県内ならどこでも広島自宅葬儀社にお任せください。
ご予算を伺い、ご家族に無理のない範囲で温かいお葬式を65,000円(税込71,500円)〜ご提案させていただきます。
無理のない範囲で行う分割払いもございますので、お困りの方のきっとお力になれます。
広島自宅葬儀社の詳細は下記からご覧いただけます。
この記事を書いた人
廣田 篤 広島自宅葬儀社 代表
葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。