家でお葬式は大変ではありません、家族葬ならゆっくり過ごせます

更新:2022.04.11

家でお葬式を検討中の方の多くは、ご家族の方を思って検討されている方が殆どです。

そういった方々が、家でお葬式は大変そうだからというイメージで途中断念してしまうのはとても残念なことです。

しかし実際は全く大変ではありません。

その理由を日々実際に自宅葬のお手伝いをさせていただいている弊社が解説させていただきます。

家でお葬式が大変と感じる理由

家でお葬式を行うのが大変と感じる主な理由は以下の通りです。

幼い頃に参列した自宅葬が大変そうだった

家でお葬式を行うのが従来は当たり前の時代もありました。

当時は、親族だけでなく近所の方もお手伝いをするのが当たり前で、班長を中心に各世帯には役割が与えられたほどです。

遺族はお手伝いをしていただいた方へおもてなしをする必要もありました。

幼い頃に体験した家でお葬式のイメージが大変だと記憶として残っている場合があります。

現在、葬儀会館で行う葬儀に慣れている

現在は葬儀会館で葬儀を行うのが当たり前の時代へと変化しました。

式場へ行けば全てやってくれるから楽というイメージも定着しています。

家でお葬式を行う場合、そのようにはならないのでないかという不安もあるでしょう。

インターネットの情報が古い

現在行われている葬儀の大半が家族葬です。

家でお葬式を行うことに興味を持つ方がインターネットで「自宅葬」で検索すると20年以上前に行われていた当時の自宅葬そのままの情報で溢れています。

葬儀会館でお葬式を行うのが当たり前の時代であるため、現在の自宅葬の情報が少ないのです。

従来の自宅葬と現在の自宅葬

従来の自宅葬と現在の自宅葬の違いをご紹介させていただきます。

従来の自宅葬

従来の自宅葬 大きな祭壇

・親族、近所の地域の方々、会社関係が参列するお葬式

・それぞれの地域で独特の手順、慣習がある

・地域の方々にそれぞれ役割がある

・遺族はおもてなしで休まる暇もない

・白木の大きな祭壇を自宅の中に設営

・家の中に幕を張り、家の外にも飾り付けや白黒幕を張ることも

現在の自宅葬

現在の自宅葬 コンパクトな生花飾り

・家族のみ、親族のみで行われる家族葬

・地域の慣習ではなく家族の考えで自由なお葬式を行う

・地域の方々へのおもてなしをする必要がない

・家の中に大きな祭壇を作ることはなく、生花祭壇が多い

・家の外に飾り付けや白黒幕を張るような大げさなことはしない

家でお葬式は大変ではないと言える一番の理由

「家でお葬式を行うのは大変ではない」となぜ言えるのか、一番の理由をご紹介させていただきます。

お葬式で過ごす時間のほとんどは儀式以外の時間

お葬式は最低2日間以上かけて行われるものです。

例えばその2日間(48時間)の中で、儀式の時間は通夜1時間、葬儀1時間、計2時間です。残りの46時間は儀式以外の時間なのです。

ここが見落としてはいけないポイントです。

臨終から火葬終了までの時間の多くは、実は儀式以外の時間なのです。

一番長い儀式以外の時間、どこで過ごすと一番落ち着くか

儀式以外の時間が大半なお葬式、ではどこで過ごすのが一番落ち着くでしょうか。

葬儀会館で48時間過ごすのと家で48時間過ごすのとではどちらが精神的に落ち着くでしょうか。

何もしなくても良いイメージの葬儀会館ですが、儀式2時間以外の46時間はいつもと違う場所で過ごします。

一方、家でお葬式の場合は、儀式以外の46時間も我が家で普段と変わらない時間を過ごせます。

例えば何か物を取るときも、勝手がわかる自分の家ですからストレスは無いでしょう。

家族葬であれば、家でお葬式は最もゆっくり過ごせる

葬儀場所を選ぶ上でどこが精神的に落ち着くか、リラックスできるかという視点も大切だと考えます。

家族葬であれば、来客も殆どありませんから、儀式以外の時間は部屋着のまま過ごすこともできるのです。

部屋着で過ごせる場所こそ、人が最もリラックスできる場所では無いでしょうか。

私は業界で20年、これまで葬儀会館の責任者としてのキャリアもありますし、現在は自宅で家族葬専門のお手伝いをさせていただいています。

経験上、家族だけでゆっくりお葬式を行いたいと考える方に特におすすめなのが、家で行う一日葬です。

儀式の時間は、葬儀告別式当日のみ、残りの時間は全て故人と共に家族でゆっくりお過ごしいただけます。

具体的に言えば、葬儀告別式の時間以外は、礼服を着用する必要がないのです。

家で一日葬のスケジュール例

1日目臨終を迎える故人と自宅で過ごす
2日目通夜の日前日を家族でゆっくり過ごす。
思い出話をする、好きな食べ物、愛用品などを飾ってあげる。
3日目葬儀告別式礼服を着用して儀式に臨む

このように全く大変ではないことが想像できると思います。

家族葬であれば、家族の準備は多くない

大変そうなイメージのある自宅葬ですが、家族葬となれば話は違います。

家族が準備するもの

・礼服の用意

・お布施、火葬料など現金の用意

・参列して欲しい方々へ日時の連絡

家族が準備することは葬儀会館で行う場合と全く変わりません。

葬儀社が行うこと

・飾り付けの設営

・火葬許可申請手続き

・司式者との調整

・式の進行

・必要があれば幕を張って目隠しをする

・必要があれば食事、返礼品、生花を手配

・必要があれば座布団、椅子を用意

・ご家族へ精神的なサポート

多くは葬儀社がサポートします。

最後に

これまで家でお葬式をお手伝いさせていただいてきた中で、家の中の家具を動かした経験は数えられる程度で、ほとんどは普段と変わらないままで行っております。

家族葬であれば、家の中の省スペースで可能なため、6畳あれば出来ます。

6畳の部屋が2部屋あれば15名〜20名まで可能です。

故人とお別れをする当日を迎えるまでの残された時間、迫ってくる時間を惜しむようにご家族が故人との時間を大切にして過ごす姿を幾度も目にしています。

「父さん、食べ物は何が好きだったかね?」「スイカが好きだったよね、最近食べてなかったはずだから、私があとで買ってくる」

「じゃあ、俺は今日の新聞と馬券買ってくるよ、父さん好きだったから、棺の中に入れてあげたいね」

このような会話が家の中で、故人のそばで家族が行っている温かいお葬式です。

最後の思い出を作れるのが我が家で行うお葬式だと言えます。

この記事を書いた人

廣田 篤  広島自宅葬儀社 代表

葬儀業界23年、広島自宅葬儀社代表。厚生労働省認定技能審査1級葬祭ディレクター。終活カウンセラー。前職大手葬儀社では担当者として 1500 件、責任者として1万件以上の葬儀に携わる。実母の在宅介護をきっかけに広島自宅葬儀社を立ち上げて現在に至る。広島市内だけでなく瀬戸内海に浮かぶ島々から、山間部の世羅町、神石高原町まで広島県内あらゆる地域の葬儀事情に精通する広島の葬儀のプロ。身内の死や介護の経験、数々の葬儀を通じての縁から「死」について考え、文章にすることをライフワークとしている。

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