家族葬の受付係は誰に頼む?実際の現場に携わる立場から解説

更新:2022.03.19

以前はお葬式に行くと必ずあった受付。主に近所の方や会社関係が行う事が多かったのですが、近年増加している家族葬の場合、そのような方々の参列はありません。

そのため、家族葬の受付係を誰に頼んだらよいのか、お悩みになる方もいらっしゃいます。

この記事では家族葬の受付係を誰に頼むべきかを、実際の現場に携わる立場からわかりやすく解説させていただきます。

家族葬に受付があるメリットデメリット

始めに家族葬に受付がそもそも必要なのかを考えていきましょう。

家族葬では受付そのものを省く場合も半数近くあります。

まず受付があることのメリット、デメリットをご覧ください。

■受付のあるメリット

・後日、香典帳を整理する手間が省ける

・会葬御礼品の渡し漏れが起こりづらい

■受付のあるデメリット

・親族の誰かに受付を頼まないといけない

・頼まれた人は受付にいないといけない

■受付がないメリット

・親族全員、誰も受付に立つ必要がない

■受付がないデメリット

・後で遺族が香典帳を整理する必要がある

・会葬御礼品の渡し漏れが発生しないよう注意する必要がある

受付が必要かどうかの判断基準

家族葬に受付が必要な場合とは

受付が必要な場合とは、①香典帳を後で整理するのが面倒となる場合。②会葬御礼品の渡し漏れが起こりやすい場合と言えます。

このことから予想参列者数が多い場合と言えます。

その目安としては、家族で参列の場合、ご夫婦で参列の場合、お一人で参列の場合、さまざまですが、香典は1世帯に1つが通例です。

ですから判断基準は「人数」ではなく、「世帯」です。

目安は20世帯以上となるでしょう。

人数で言えば30名〜50名の家族葬と言えます。

家族葬に受付が必要ない場合とは

逆に20世帯未満であれば、後日香典帳へ記載するのもあまり手間には感じないでしょう。

会葬御礼品の渡し漏れも起こりづらいはずです。

5名〜20名の家族葬であれば、受付がなくても家族葬は可能です。

しかし後日香典帳を整理する時間が必要になることは念頭に入れておいてください。

親族の誰かに頼みづらいという方は、後日自分で整理すればいいと判断し、家族葬の受付をなしにされることはよくあります。

なお、香典をお断りする場合も受付は必要ありません。

家族葬の受付に必要な人数

家族葬の受付はできれば、2名様で行うのがベストです。

お金を預かる立場になるので、責任もあります。

2名だと一人で責任を負うということもなくなるため、受付を行う立場の方は安心するでしょう。

また双方でチェックができるため、2名がベストです。

ただし作業量的に言えば、1名で十分事が足りる程度です。

2名が厳しい場合は、1名で問題ありません。

その場合は、何かあれば近くに葬儀社スタッフがいますので、相談するとよいでしょう。

家族葬の受付を誰に頼む?

では家族葬の受付を誰に頼むかですが、血縁の近い方はすぐに焼香の順番が回ってくることや、前方の席へ座る必要があるため、遠い親族の方が望ましいというのも伺った事がありますが、これは一部誤りです。

受付作業は式が始まるまでに終わる

家族葬の受付は、ほとんどの場合、式の始まる前に作業が終わります。

理由は家族葬へ参列するのは親族のみです。

多くのご親族は式直前ギリギリではなく余裕を持って到着します。

会社を終えて急いで駆けつけるというシチュエーションではないのです。

そのため式の途中に到着することは少ないケースとなります。

式が始まるまでに終わるので、受付係を決める際に焼香の順番や席順は関係ありません。

喪主が依頼しやすいのは

喪主が依頼しやすいのは、一番は何でも気兼ねなく言える家族です。

次に兄弟も気兼ねなく言えます。気兼ねなく言えますが、同様に深い悲しみの中にあります。

できれば故人を偲ぶことに専念させてあげたいものです。

親族の中で適しているのは

親族のみが参列する家族葬の中で、お悲しみの度合いが一番低い親族は、遠い親戚となるでしょう。

受付係を行っていただくには適していますが、普段疎遠な場合は、久しぶりに会ったにも関わらず受付を依頼するのは、なかなか難しい場合もあるでしょう。

実際、誰が行っているか

祖父母の葬儀の場合、実際は孫が行う事が多いです。

故人の兄弟、故人の子供が遺族の中心になりますので、兄弟、子供よりは遠く、かつ疎遠な親族よりは依頼しやすいという事情があるのだと思われます。

父母の葬儀の場合は、甥、姪が行う事が多いです。

孫、甥、姪が多い理由

家族葬の受付を孫、甥、姪が行う事がなぜ多いのか近すぎず、遠すぎず、声をかけやすいという理由ともう一つあります。

年配の方と比べて年齢的に若く、作業が早いという事が挙げられます。

式が始まるまでに受付作業を終わらせること、せっかく静かに親族で送る家族葬を行うのに受付であまり時間を取られたくないという心理も働いているので、若い人に任せたいとなっているのが実情です。

葬儀に不慣れな世代でも、葬儀社スタッフから手順を聞いて行えば、初めてでも問題なくできるでしょう。

香典の数も5〜15が平均のため、初めてでも短時間で終わる作業です。式前に作業を終え、周囲と一緒に着席してるケースが多く見受けられます。

受付はなくても記帳所はあったほうがいい場合も

家族葬では受付を設けない場合でも、誰が参列してくださったのか、名前と住所を記録で残す目的で記帳所を設けた方がいい場合もあります。

記帳所だけであれば、金銭の授与がないため、親族の中から係を設けなくても、葬儀社スタッフが声がけをして行うこともできます。

葬儀社スタッフが声がけを行い、記帳所にある芳名録に参列者が記帳します。

葬儀後に知っていると思っていた親族の住所が実はわからなかったという事態を防ぐ事ができます。

住所を知っている人しか参列しない場合は、設けなくても良いでしょう。

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