お葬式のメイクはどうする?気になる髪型やアクセ、ネイルは?

更新:2022.09.18

お葬式に参列するとき、「そういえば、メイクはいつも通りでいいの?」と思う人も多いでしょう。

お葬式は大事な儀式なので、ノーメイクは避けたいですが、とはいえあまり派手な色味のコスメを使うのもよくありません。

お葬式にふさわしいメイクについて、髪型やアクセ、ネイルも含めて解説します。

お葬式のメイクは「顔色を整える」に徹するのが正解

お葬式でのメイクは、儀式にふさわしい装いを引き立てるよう「顔色を整える」ことを中心に考えるのが基本です。

ふだん、顔色を明るくするために明るい色のチークや口紅を使っている人がいると思われます。

しかし、お葬式の場では、明るい色味のコスメはNGです。かといって、ノーメイクで式場に現れれば、かえってぶしつけな印象を与えてしまいかねません。

とくに、着ている喪服はフォーマルなものですから、顔が整っていなければ、アンバランスな雰囲気になってしまいます。

パーツメイクのためのコスメは色味を抑えるかわりに、眉を整える、顔のくすみや赤みを補正するといったベースアップの部分を大事にしましょう。

いつもよりも「おしゃれ」ではなく「身だしなみ」により気を遣うという感覚です。

身だしなみを整えるためには、メイクばかりでなく、後述するように髪型をきちんと整えるのも大事です。

お葬式のメイクをパーツ別に解説

お葬式のメイクについて、パーツごとに詳しく解説します。

ベース

できればラメ感やパール感のない下地、ファンデーションを使うのがおすすめです。

くすみやシミが目立つところは、ベースの重ね塗りやコンシーラーで、肌のトーンを均一にしましょう。

とはいえ、厚塗りは禁物。あくまで自然に見える程度にとどめます。

ツヤ感が出過ぎると悪目立ちするので、リキッドタイプのファンデーションを使っている場合は、パウダーで押さえましょう。

また、ふだんシェーディングを行って彫りの深い顔を演出している人は、少し控えめにした方がいいかもしれません。ハイライトも最小限に。

シェーバーやハサミで元の形を整えた後、髪の色に近い色味のツールで、足りない部分を追加していきます。

ツールの種類は眉ペンやパウダーなど、ふだん使い慣れているもので構いません。

アイシャドウ

ピンクや赤、ブルー、グリーン系は避けて、肌に近い色味を選びます。ブラウン系のアイシャドウが無難です。

ラメ感、パール感のあるものはなるべく避け、グラデーションも控えめに。2層、3層程度がおすすめです。

マスカラ・つけまつげ

過度でなければつけても構いません。マスカラはダマにならないよう、丁寧につけましょう。

ただし、黒かブラウン系を選びます。青やピンクなど、カラフルなものは使いません。

アイライナー

濃くなり過ぎないように気をつけます。色はカラフルなものを避け、黒かブラウンを選んで。

シャドウより一段階暗いブラウンなら自然に仕上がります。

チーク

パールやラメが入っておらず、なるべく肌に近い色味を選びます。ブラウン系がおすすめです。

ピンクやコーラル、オレンジ系のチークしか持ち合わせがなければ、なるべく薄くつけます。

どうしても厚塗りになってしまう場合は、チークとファンデーションやパウダーを混ぜてはたくと失敗が少ないでしょう。

リップ

自分の唇の色に合わせたリップを、血色を少しだけ足すイメージでオンします。

ラメ入りやグロスは控えて。薄付きのピンク系やベージュ系がおすすめです。

同系色のリップライナーでていねいに唇を縁取ると、きちんとした印象がアップしますが、必須ではありません。

とくに若い人は地の唇が健康的なので、色味の薄いリップクリームを塗るだけでもいいくらいです。

お葬式で気を遣うのはメイクだけじゃない

お葬式で気を遣わなければならないのは、メイクだけではありません。

髪型やアクセサリー、ネイルにも気を配る必要があります。とくに、髪型やアクセサリーには、お葬式ならではのタブーがあるため、覚えておくと便利です。

お葬式の髪型は「いつもよりかっちり」

お葬式の髪型の基本は、いつもよりも「きちんとめ」にすることです。

とくに遺族のなかには、お葬式の日の朝早くに美容師さんを迎え、セットしてもらう女性も少なくありません。参列者側も、それなりに髪型へ気を配るのがマナーといえるでしょう。

とはいえ、ゴージャスにするという意味ではありません。お葬式の髪型は、簡単に言えば「小さくまとめればまとめるほど良し」。髪型別に対処法をお伝えします。

ショート

ブローをしっかり行います。ワックス等で切れ毛を抑え、「ボサボサ髪」という印象にならないようにしましょう。

ミディアム

肩につく髪は一つにまとめます。髪ゴムは黒で、飾りのないものがよしとされます。後れ毛がなるべく出ないように、黒いヘアピンやワックスなどで抑えましょう。

ロング

一つにまとめるか、お団子にします。髪ゴムは黒で、飾りのないものを。お団子にした髪はヘアネットでまとめると、よりきちんとした印象になります。

ヘアネットの飾りについては黒一色で、スワロフスキーなどの装飾がないものを選びましょう。お団子から出てしまった髪の毛は、ヘアピンなどで抑えます。

どんな髪の長さであっても、前髪が目にかかるような長さでしたら、どちらかに流して顔をきちんと見せましょう。

また髪色は、暗めの方が無難ですが、お葬式のためにわざわざ髪を黒く染める必要はありません。

きちんとクシが通っていること、まとめられていることの方が重要です。ただし白髪が気になるときは、可能な限り染めましょう。

お葬式のアクセサリーはパールだけ

お葬式につけるアクセサリーは、パールと結婚指輪だけが許されています。

パールは、ネックレス、ピアスいずれも可ですが、一連のものにとどめましょう。二連パールは「不幸が連なる」とされ、お葬式ではつけません。

お葬式のネイルは「爪の補正」と考えて

お葬式にネイルは必要ではありません。もしもネイルを施したい場合は、メイクと同様、「爪を整える」イメージで塗りましょう。

ジェルネイルやラメ、パール入りなど「ツヤツヤ、キラキラ」の印象になるものは避けます。

派手な色味も好ましくありません。爪の色に近いピンクやベージュが最適です。

トップコートを塗るだけというのもおすすめです。爪切りで美しく整え、爪の汚れを取り去っておくのも大事です。

お葬式のメイクやネイル、髪型で困ったら

「急なお通夜でジェルネイルが取れない」「お化粧が思ったより濃いめにできあがってしまった」など、お葬式の場ではメイク周りのトラブルが生じることがあります。次のような対処法で乗り切りましょう。

濃すぎるメイクにはマスク

感染症対策、花粉症の人の増加などで、マスクをする姿は自然なものとなりました。チークやリップが濃すぎる場合には、マスクをして乗り切りましょう。会食までに、化粧室などで濃すぎる部分を調整します。

落とせないネイルには手袋

ブラックフォーマル用のレースの手袋が売られています。ジェルネイルをよくする人や、ネイルアートが好きな人は、いざというときのためにフォーマルグッズとして買い足しておくと良いでしょう。

コンビニにはきっと解消グッズがある

拭き取れる化粧落としや簡単なメイクセット、リムーバー、黒いシンプルなゴムなど、コンビニにはメイクやネイルの「困った」を解消してくれるグッズが売られています。コンビニに立ち寄れる時間さえあれば、解決できることは多いはずです。

お葬式のメイクは控えめに、故人を偲ぶことを一番に考えよう

以上、お葬式のメイクについて解説しました。なかなか参列する機会のないお葬式ですから、戸惑うことは多いはず。

しかし、お葬式の装いの基本は「整えること」であると知っておけば、安心してメイクや髪のセットができるのではないでしょうか。お葬式のために、わざわざメイク用品を買い足す必要はありません。

派手な色味のコスメしかなければ薄付きにするなど工夫して、お葬式にふさわしいメイクを施しましょう。そして、お葬式の場では、故人を偲ぶことに集中するのが大事です

この記事を書いた人

奥山 晶子

葬儀社への勤務経験、散骨を推進するNPO「葬送の自由をすすめる会」の理事の経験、遺品整理関係の著書・サイト制作サポートなどから、終活全般に強いライター。ファイナンシャルプランナー(2級)。終活関連の著書3冊、監修本1冊。最近の著書は「ゆる終活のための親にかけたい55の言葉」オークラ出版。ほか週刊現代WEBなどサイトへの終活関連コラム寄稿、クロワッサン別冊「終活読本」の監修や、令和6年5月発刊「ESSE」6月号のお墓特集を監修している。

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